形成外科

 形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 "Quality of Life" の向上に貢献する、外科系の専門領域です。
 形成外科にて原発性腋窩多汗症に対するボツリヌス療法を開始しました。ワキの汗でお悩みの方、ぜひ一度ご相談ください!

手術実績

  2021年
外傷  
  顔面骨骨折 6
  上肢・下肢の外傷 7
先天異常  
  耳瘻孔 2
  福耳 2
  耳垂裂 1
腫瘍  
  良性腫瘍 132
  悪性腫瘍 16
瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド 5
難治性潰瘍  
  褥瘡 2
  その他 8
炎症・変性疾患 14
美容(腋臭症) 1
その他(眼瞼下垂症) 20
216

形成外科で扱う疾患

 形成外科で扱う疾患は多岐にわたります。一般社団法人 日本形成外科学会のHPにわかりやすく掲載されていますので、詳しくはそちらをご参照ください。
 ここでは当科で治療させていただくことの多い(患者数の多い)疾患について簡単に説明いたします。

けが

 主に、(1)切創(切りきず)、(2)擦過傷(すりきず)、(3)裂挫創(皮膚が裂けたきず)、(4)刺創(刺しきず)、(5)咬傷(咬みきず) に分けられます。
 基本は『洗う』ことです。砂や錆、木やガラスなどの異物は取り除くことが必要です。中に何かが入っている/残っている、出血が止まらない場合には速やかに医療機関を受診してください。
 

顔面骨骨折

 人間の頭(頭蓋)は22個の骨からできています。下顎骨を除くこれらの骨は縫合という骨のつなぎ目で連結されていますが、骨やつなぎ目が外的要因で骨折を起こすことがあります。骨折が生じやすい部分として 前頭骨:額の骨、眼窩:眼を納めている箱型の骨、鼻骨・篩骨(しこつ):鼻とその奥にある骨、頬骨:ほほ(頬)の骨、上顎骨:上の歯茎と鼻の付け根とその周囲の骨、下顎骨:下の歯茎と下あごの骨 があります。
 骨折でずれた骨は元の位置に戻し固定する必要があります。受傷したら早期に形成外科を受診することをおすすめします。

良性腫瘍

 皮膚や皮膚の下に出来る腫瘍で、取ってしまえば再発の可能性はほとんどありません。ただし、いくつかの腫瘍はできやすい体質なども関わるため、他の場所に同じ腫瘍ができることがあります。
 ほくろ、粉瘤、脂肪腫、石灰化上皮腫、肉芽種、耳下腺腫瘍などが該当します。

悪性腫瘍

  いわゆる『がん』です。形成外科では再建を必要とする皮膚悪性腫瘍や軟部悪性腫瘍を扱います。
皮膚がんには基底細胞癌、有棘細胞癌(扁平上皮癌)、ボーエン病、パジェット病、乳房外パジェット病、悪性黒色腫などがあります。
軟部悪性腫瘍とは主に脂肪や筋肉、神経、血管など、皮膚以外の軟部組織と呼ばれる組織に生じたがんで、肉腫とも呼ばれています。
 いずれも切除が基本ですが、進行している場合や腫瘍が非常に大きい場合などは放射線治療や化学療法を併用する場合もあります。また、がんの部位によっては皮膚科や整形外科など、他科と協力して治療を行うこともあります。

眼瞼下垂症

 上眼瞼が下垂することにより視界が妨げられて物が見づらくなる、目が開けにくくなる(瞼が重たい感じがする)状態のことをさします。眼の上のくぼみが強くなる、眠たそうな目元になる、といった外見の変化の他に、頭痛や肩こりを生じることもあります。
 眼瞼下垂症は先天性眼瞼下垂と後天性眼瞼下垂に分けられます。
 先天性眼瞼下垂は生下時より認め、生まれつき眼瞼挙筋の機能が弱い/ない状態です。一方、後天性眼瞼下垂は高齢者に多く、挙筋腱膜が瞼板から外れる/伸びてしまうことによって生じます。目をこする、長年のハードコンタクト着用、外傷性、症候群性なども原因となります。
 治療は原因や症状によって異なりますので、医師の診察を受け、説明を受けることをお勧めします。

毛巣洞

 お尻にできる毛巣洞は、主に肛門の少し上の皮膚に生じる小さな穴で、中には毛を含んでいることが多いです。体毛が後天的に皮膚に刺入ことによって生じると考えられ、多毛の男性に好発します。普段は無症状ですが、感染が起こると痛みや腫れが生じたり、膿が出てきたりし、痔瘻(じろう)や化膿した皮膚腫瘍と間違えられることがあります。

腋臭症

 わきの下が特異な悪臭を放つ場合を言い、「わきが」とも呼ばれています。
 皮膚にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類の汗腺(汗を出す器官)がありますが、腋臭の原因は主にアポクリン腺の分泌亢進に起因します。アポクリン腺はわきの下だけでなく、外耳道、まぶたの縁、鼻、乳輪、外陰部などの毛穴に分布し、その汗に含まれる脂質・タンパク質が皮膚表面の細菌の作用で分解され特有のにおいを生むとされています。アポクリン腺の発達には遺伝的素因、性ホルモン(思春期から発症)などが関与するほか、腋毛の量、精神的素因(ストレスや緊張など)、スポーツによる発汗もにおいの発生に関係しているようです。
 レーザーを用いた自費診療から保険診療まで、現在は様々な治療法がありますが当院では保険診療による手術療法(皮弁法)を行っています。

原発性腋窩多汗症

 腋の汗でお悩みの方はおられませんか?
 汗が多くて精神的な苦痛がある、日常生活に支障をきたしている、という方は治療対象となる可能性がございます。
 国内外のガイドラインでは、塩化アルミニウムの外用が第一選択の治療とされています。ボツリヌス療法は、外用薬の効果が不十分な場合や、副作用により外用療法の継続が困難な場合の第二選択と位置づけられます。
 下記の診断基準を満たし、適応の場合は保険でボツリヌス療法が受けられます。気になる方はぜひ一度、ご相談ください。

▼ 原発性腋窩多汗症診断基準
 原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続していることに加え、以下の6項目中2項目以上を満たす。
    
 ・両側性かつ左右対称性に多汗がみられる
 ・多汗によって日常生活に支障が生じている
 ・週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる
 ・25歳未満で発症した
 ・家族歴がある
 ・睡眠時は局所性の発汗がみられない

美容皮膚科外来

 2021年10月に赴任して以降、患者さまにシミやシワ、イボについてご相談いただくことが増えてきました。
 2022年4月からは、毎週金曜日の午後を美容皮膚科外来として患者さんお一人につき30分の診療時間を設定し、皆さまのお悩みやご相談に向き合っていきたいと思います。
 当科で所有する炭酸ガスレーザーおよびQ スイッチYAGレーザーにて治療可能な疾患であれば対応させていただきます。
 また、施術内容に追加・変更が生じた場合は、こちらのHPにて告知させていただきます。

 ※美容皮膚科のご相談は自費診療となります。当院規定の料金に基づき、診察料をお支払いいただきますのでご了承ください。

◆シミレーザー治療とは

 『シミ』とひとくちに言ってもその実態は多様です。老人性色素斑、雀卵斑、肝斑、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)など、複数の疾患を合併している方もいます。
 当科では、QスイッチYAGレーザーを用いた治療を行っています。
シミレーザー治療の流れ
対象疾患

・表在性色素疾患(老人性色素斑、雀卵斑、扁平母斑 など)
・深在性色素疾患(真皮メラノサイトーシス、外傷性刺青 など)
 
 

治療回数 : 1~3回。個人差があります。
治療期間 : 施術後1~2週間で再診し、経過によって1~3か月後、半年後と経過を見て終了します。
合併症・副作用 : 炎症後色素沈着を生じることがあります。
費用 : 初診料込み。治療後の診察料、医師が必要と判断した治療薬(薬代)は別途かかります。

※シミレーザー治療は自由診療です。
麻酔なし
~1cm² 12,250円(税込み)
~2cm² 24,500円(税込み)
~3cm² 29,400円(税込み)
麻酔あり
~1cm² 13,800円(税込み)
~2cm² 27,620円(税込み)
~3cm² 33,140円(税込み)

◆炭酸ガスレーザー治療とは

 蒸散によって皮膚病変を除去する治療です。出血はほとんどありません。
炭酸ガスレーザー治療の流れ
対象疾患

・黒子 ・脂漏性角化症 ・ニキビ ・膿疱の処置 ・ニキビ跡
 

治療回数 : 多くの場合は1回の処置で終了します。
治療期間 : 施術後1~2週間で再診し、経過によって1~3か月後、半年後と経過を見て終了します。
合併症・副作用 : 炎症後色素沈着を生じることがあります。
費用 : 初診料込み。治療後の診察料、医師が必要と判断した治療薬(薬代)は別途かかります。

※炭酸ガスレーザー治療は自由診療です。
~2cm² 11,940円(税込み)
2~4cm² 23,000円(税込み)
4cm²~ 26,790円(税込み)
 

スタッフ紹介

役職名
氏名
資格等 専門領域
医長
津田 智子
日本形成外科学会専門医、産業医 形成外科一般

小田原市立病院

〒250-8558 神奈川県小田原市久野46番地 電話:0465‐34‐3175ファックス:0465‐34‐3179

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