当診療科では糖尿病と内分泌疾患を中心に診療にあたっております。
当科で多く診察させて頂いている糖尿病ですが、生活習慣病の乱れおよび遺伝が原因で発症する2型糖尿病と、自己免疫が原因で発症する1型糖尿病、そして妊娠を契機に糖代謝異常が顕在化する妊娠糖尿病等に分類されます。妊娠糖尿病やステロイド投与誘因によるステロイド糖尿病等のケースは別ですが、上記の1型糖尿病、2型糖尿病については、現時点で治癒を目的とした根本的治療として確立した治療法はなく、この疾患を上手くコントロール・共生していく必要があります。
糖尿病においては、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群等の高血糖緊急症では致命的になりうるケースがあるものの、基本的には「直接」命に関わる疾患ではありません。クモ膜下出血でみられる強烈な頭痛、急性心筋梗塞の強烈な胸痛、急性膵炎や胆嚢炎での腹痛、、、そういった派手な症状が見られることがなく、じわじわと糖代謝悪化が進行し、血糖値が上昇してしまうのが糖尿病の特徴です(劇症1型糖尿病のように急速に進行する病態もありますが)。従って、糖尿病は自覚症状が無く健康診断で発見されるケースや視力異常で眼科を受診したことをきっかけに発見される場合が多いのです。
診断されたら、なにはともあれ躊躇せず「治療」を開始することです.上述の通り、無自覚に病態が進み、診断がついた段階ではかなり血糖値が悪いことが少なくないため、治療当初は経口血糖降下薬やインスリン注射等を使った「薬物治療」がメインになります。しかしそのようは急性期の病態を除けば、糖尿病の治療の基本は「食事療法」、「運動療法」、「薬物治療」の三本立てであり、とりわけ前者2つが病態改善・維持において極めて重要です。患者さん個人個人で、年齢や仕事の有無等も含めた生活スタイルや身体能力・基礎体力等々は千差万別ですが、それらを踏まえて、個々で現実可能な「食事療法」「運動療法」を設定し、実行していきます。患者さんの中には食事療法、運動療法のみで良好な血糖コントロールが達成出来る方も(数は多くありませんが)いらっしゃいます。食事療法や運動療法でも血糖コントロールが不十分な場合、必要十分な薬物療法を併用して血糖コントロールを改善させていく事になります。
患者様の中には「一度薬をはじめたら一生止められないのでしょう?」と御心配される方が非常に多くいらっしゃいます。結果的に糖尿病薬から離脱できないケースも多いわけですが、治療の過程で改善し、徐々に減薬や薬物の離脱ができるケースも少なくありません。その場合重要になるのが食事療法・運動療法です。むしろ最後まで止められないのは「薬物療法」というよりも、生活習慣の改善と維持であり、それは「食事療法」であり「運動療法」に他なりません。
症状は目立たず、とりわけ痛いわけでも、苦しいわけでも無い、そして「直接」命に関わる疾患ではない糖尿病を何故治療しなければならないのか?...それは糖尿病が地盤となって引き起こす数々の合併症や動脈硬化性疾患を予防し、生活の質(Quality of life;QOL)を維持するためです。糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害に代表される細小血管合併症が代表的な糖尿病の合併症です。それらは失明や腎不全・透析導入、足壊疽・下肢切断等のリスクがあり、QOLそして予後を著しく悪化させ、命に関わることすらあります。血糖コントロールの悪化は脳梗塞や心筋梗塞発症のリスク因子にもなることは知られており、これらが致命的な病態になりうることも広く知られています。即ち、糖尿病は「直接」命に関わる疾患ではないが、「間接的に」命を脅かす、非常に怖い疾患となるわけです。
このようなQOLを低下させ、予後や寿命に影響を及ぼす合併症を予防し、糖尿病ではない人と同様な生活を維持するためには、この疾患と上手に共生していく必要があります。その為には「食事療法」「運動療法」「薬物療法」をバランス良く組み立てていくことが必要です。私達の診療科では、患者さん個々の事情を考慮しながら、治療のお手伝いをさせて頂きます。
糖尿病以外の疾患としては、有病率が中年以降の女性20~40人に1人といわれる甲状腺疾患についても多くの患者様を診察させて頂いております。橋本病やBasedow病の薬物治療は当科でフォローアップ可能です.甲状腺腫瘍の穿刺細胞診などは当院耳鼻咽喉科にて実施させて頂いています(必要な場合当科から紹介します)。またBasedow病のコントロール困難症例や131I内用療法・手術治療に関しては、適宜専門病院へ紹介させて頂いています。
下垂体・副腎・副甲状腺といった内分泌器官の疾患も当科担当領域となります。国民の1/3は高血圧症といわれています.そのうち約10%は二次性高血圧症、つまり血糖上昇の原因が特定できるものとされます。その原因に対する治療が適切に行われれば血圧の是正が可能となることも多く、その中には原発性アルドステロン症といわれる副腎疾患が含まれ、その割合は少なくないとされます。地域の医療機関から二次性高血圧症や原発性アルドステロン症の疑いで当科に紹介されるケースも多く、適宜ホルモン負荷試験や画像診断を実施して診断・治療を行っています。
当科で多く診察させて頂いている糖尿病ですが、生活習慣病の乱れおよび遺伝が原因で発症する2型糖尿病と、自己免疫が原因で発症する1型糖尿病、そして妊娠を契機に糖代謝異常が顕在化する妊娠糖尿病等に分類されます。妊娠糖尿病やステロイド投与誘因によるステロイド糖尿病等のケースは別ですが、上記の1型糖尿病、2型糖尿病については、現時点で治癒を目的とした根本的治療として確立した治療法はなく、この疾患を上手くコントロール・共生していく必要があります。
糖尿病においては、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群等の高血糖緊急症では致命的になりうるケースがあるものの、基本的には「直接」命に関わる疾患ではありません。クモ膜下出血でみられる強烈な頭痛、急性心筋梗塞の強烈な胸痛、急性膵炎や胆嚢炎での腹痛、、、そういった派手な症状が見られることがなく、じわじわと糖代謝悪化が進行し、血糖値が上昇してしまうのが糖尿病の特徴です(劇症1型糖尿病のように急速に進行する病態もありますが)。従って、糖尿病は自覚症状が無く健康診断で発見されるケースや視力異常で眼科を受診したことをきっかけに発見される場合が多いのです。
診断されたら、なにはともあれ躊躇せず「治療」を開始することです.上述の通り、無自覚に病態が進み、診断がついた段階ではかなり血糖値が悪いことが少なくないため、治療当初は経口血糖降下薬やインスリン注射等を使った「薬物治療」がメインになります。しかしそのようは急性期の病態を除けば、糖尿病の治療の基本は「食事療法」、「運動療法」、「薬物治療」の三本立てであり、とりわけ前者2つが病態改善・維持において極めて重要です。患者さん個人個人で、年齢や仕事の有無等も含めた生活スタイルや身体能力・基礎体力等々は千差万別ですが、それらを踏まえて、個々で現実可能な「食事療法」「運動療法」を設定し、実行していきます。患者さんの中には食事療法、運動療法のみで良好な血糖コントロールが達成出来る方も(数は多くありませんが)いらっしゃいます。食事療法や運動療法でも血糖コントロールが不十分な場合、必要十分な薬物療法を併用して血糖コントロールを改善させていく事になります。
患者様の中には「一度薬をはじめたら一生止められないのでしょう?」と御心配される方が非常に多くいらっしゃいます。結果的に糖尿病薬から離脱できないケースも多いわけですが、治療の過程で改善し、徐々に減薬や薬物の離脱ができるケースも少なくありません。その場合重要になるのが食事療法・運動療法です。むしろ最後まで止められないのは「薬物療法」というよりも、生活習慣の改善と維持であり、それは「食事療法」であり「運動療法」に他なりません。
症状は目立たず、とりわけ痛いわけでも、苦しいわけでも無い、そして「直接」命に関わる疾患ではない糖尿病を何故治療しなければならないのか?...それは糖尿病が地盤となって引き起こす数々の合併症や動脈硬化性疾患を予防し、生活の質(Quality of life;QOL)を維持するためです。糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害に代表される細小血管合併症が代表的な糖尿病の合併症です。それらは失明や腎不全・透析導入、足壊疽・下肢切断等のリスクがあり、QOLそして予後を著しく悪化させ、命に関わることすらあります。血糖コントロールの悪化は脳梗塞や心筋梗塞発症のリスク因子にもなることは知られており、これらが致命的な病態になりうることも広く知られています。即ち、糖尿病は「直接」命に関わる疾患ではないが、「間接的に」命を脅かす、非常に怖い疾患となるわけです。
このようなQOLを低下させ、予後や寿命に影響を及ぼす合併症を予防し、糖尿病ではない人と同様な生活を維持するためには、この疾患と上手に共生していく必要があります。その為には「食事療法」「運動療法」「薬物療法」をバランス良く組み立てていくことが必要です。私達の診療科では、患者さん個々の事情を考慮しながら、治療のお手伝いをさせて頂きます。
糖尿病以外の疾患としては、有病率が中年以降の女性20~40人に1人といわれる甲状腺疾患についても多くの患者様を診察させて頂いております。橋本病やBasedow病の薬物治療は当科でフォローアップ可能です.甲状腺腫瘍の穿刺細胞診などは当院耳鼻咽喉科にて実施させて頂いています(必要な場合当科から紹介します)。またBasedow病のコントロール困難症例や131I内用療法・手術治療に関しては、適宜専門病院へ紹介させて頂いています。
下垂体・副腎・副甲状腺といった内分泌器官の疾患も当科担当領域となります。国民の1/3は高血圧症といわれています.そのうち約10%は二次性高血圧症、つまり血糖上昇の原因が特定できるものとされます。その原因に対する治療が適切に行われれば血圧の是正が可能となることも多く、その中には原発性アルドステロン症といわれる副腎疾患が含まれ、その割合は少なくないとされます。地域の医療機関から二次性高血圧症や原発性アルドステロン症の疑いで当科に紹介されるケースも多く、適宜ホルモン負荷試験や画像診断を実施して診断・治療を行っています。
主な対象疾患
糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病等)、視床下部・下垂体における内分泌疾患、甲状腺・副甲状腺疾患、副腎疾患、性腺疾患、肥満症、脂質異常症、高尿酸血症
スタッフ紹介
役職名 氏名 |
資格等 | 専門領域 |
---|---|---|
部長 上田 絢美 |
日本内科学会認定内科医・指導医・総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医、臨床研修指導医 | 糖尿病、内分泌疾患 |
医師 山﨑 貴浩 |
糖尿病、内分泌疾患 |
診療実績
主病名 | 患者数 |
---|---|
2型糖尿病 | 88 |
1型糖尿病 | 17 |
その他の糖尿病 | 3 |
内分泌疾患 | 20 |
その他 | 28 |
計 | 156 |