市長の日記

市長の日記

2024年10月23日(水)

霜降  

 今日は、二十四節気の「霜降」。霜が降りるほどの冷え込みはなく、今日は雨の一日になりそうです。

 21日午前中は、正副部局長全員を集めた幹部会議にて、策定を進めている第7次小田原市総合計画の理念である「基本構想」の内容に関し、キーワードとなる「地域自給圏」について、その考え方や事例などを説明しました。
 私たちのいのちや暮らしを支えるうえで必要な要素は、できる限り足元の地域の中で整え、分かち合っていくことを目指す構想で、別の言い方をすれば「生存を支えるための地域社会システム」とでも言うべきもの。自然環境、食、エネルギー、住まいを作る素材と技、基礎的なものづくり、ケア(福祉・医療)、教育、コミュニティ。これらが一定の水準で確保され市民生活と地域運営の土台を形成することが、未来に向けての本質的な安心安全の礎となります。来年度1年をかけて策定する第7次総合計画の実行計画は、そうした理念のもとに組み立てて行きたいと考えています。
 幹部会議での説明はいわば総論的なものでしたので、来週以降は各部局の幹部たちと意見交換を重ね、分野別の政策論として具体的にどのような事業を組んでいくべきか、構想を深めていく予定です。

 午後は、総合計画審議会にて、上記「基本構想」についてご審議頂くよう、会長である出石稔・関東学院大学法学部長あてに諮問をさせて頂きました。審議会での検討、11月半ばまで行っているパブリックコメント、ほか経済団体や地域団体などから頂くご意見なども加味して手を入れ、来年3月の市議会にて成案を提示していく予定です。
 複数の庁内ミーティングなどのあと、100歳長寿のお祝いに3名の皆さんをお訪ねしました。この日お訪ねした山室さん、石綿さん、川口さんとは、昔のご経験談や最近の暮らしの様子なども含めてしっかりとお話ができ、同席されたご家族や入居施設のスタッフの皆さんとの会話も交えた、和やかなひと時となりました。

2024/10/23 10:23 | 未分類

2024年10月22日(火)

尊徳祭 ほか

 20日は、二宮尊徳先生のご命日。朝一番で菩提寺である善栄寺にて墓参と焼香をさせて頂いてから、尊徳記念館で開催された第64回尊徳祭へ。城北工業高校デザイン科の生徒が描いたポスター、市内小学生たちから寄せられた作文の優秀作品発表などが行われたほか、生家では「いろりクラブ」の皆さんが囲炉裏で火を囲みながら談笑、生家前では報徳楽校で子どもたちが育てたお米や野菜が販売されるなど、とても賑わっていました。開会式では、私も挨拶をさせて頂き、「時あたかも総選挙。この国には課題が山積している。尊徳先生がご存命だったらどんな手立てを講じられるのでしょうか」と問いかけてみました。  

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2024/10/22 14:31 | 未分類

2024年10月21日(月)

姉妹都市交流、外国人弁論大会 ほか

 残暑のような蒸し暑さがなかなか抜けなかった日々から一転、20日からは気温がぐっと下がり、秋が一気に深まった感じがあります。北の山々からは雪の便りも。秋ならではの交流事業が多く、忙しくも出会いの多い日々が続きます。

 岐阜で行われた全国木のまちサミットから戻った翌17日、朝から日光へ。二宮尊徳先生のご縁で長年姉妹都市交流を続けている栃木県日光市において、日光市ゆかりの都市(小田原市、八王子市、苫小牧市、台東区)が集まっての交流事業があり、私も久しぶりに参加いたしました。日光市の粉川市長とは今回初対面。様々なお話をさせて頂き、引き続き姉妹都市として有意義な交流を進めていこうとの思いを分かち合いました。お互いの諸行事に招き合うだけではなく、それぞれが有している地域課題の解決に向け、意見交換を行っていくこととします。
 今回の交流事業では、日光東照宮の秋の例大祭に合わせて行われたこともあり、東照宮周辺は大変な賑わいで、特に外国人旅行者の多さには驚かされました。外国人旅行者や修学旅行の小学生たちに混ざって各所をご案内頂きましたが、徳川家康という人物を祀るためにこれだけの建造物が造られたことに、どれほどの権勢であったのかと、改めて驚かされます。家康公の墓所とされている立派な奥宮も拝見しましたが、直前に参詣した今市報徳神社の社殿の裏にある二宮尊徳翁の、ただ土を盛っただけのひっそりとした墓所とのあまりの違いに、色々と思うところがありました。

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2024/10/21 10:28 | 未分類

2024年10月18日(金)

東白川村の森づくり・人づくり

 2日間のサミット参加と事前視察を経て、様々な出会いがあり、また様々な学びを頂きました。

 まず、森づくりの理念と実践がしっかりと確立されていること。これまでの日本の林業は、皆伐された原野に苗木を植え、50年ほどを経て伐期を迎えた木を皆伐、また造林していくというサイクルが進められてきましたが、生き物も住む山林としての健全な環境、林業の経営、多様な植生による水源域の保全、土と水を保つ山の力などの観点から、今日ではその弊害も大きくなっています。
 東白川村では、長伐期多間伐の考え方で、100年、150年、200年といった長期での育林を行っており、間伐を繰り返しながら良材を育て、樹齢や材積を蓄えて高値で取引できる材を育てつつ、間伐によって生じる十分な樹間、日差しの入る林床に芽吹く様々な下層植生による生物多様性の実現、様々な樹種が根を張ることによる保水力と土のグリップで災害にも強い山づくりなどが、同時に進んでいます。そうした森づくりは、いま世界で進められている森林の国際認証(FSCなど)にも当然合致するため、国内でも最高レベルの認証率を誇っています。
 そうした森づくりや育林への理念が、森林組合や製材業者、そして若手の林業者らにしっかりと伝わっており、世代を超えて受け継がれているところが素晴らしい。サミットの後半では30代から40代くらいの若手事業者らが登壇、本音ベースでのディスカッションもあり、人材の厚みを感じさせてくれました。またそうしたディスカッションを、村内唯一の中学生たちが会場で聞いていました。東白川村では、中学生になると山で植林をすることになっており、将来の村の担い手育成にもしっかりと取り組んでおられます。  また、そうした森づくりや林業振興を支える村としても、自信をもって薦めることができる東濃ひのきをできるだけ多くの人たちに使ってもらうべく、「FORESTYLE」という家づくりの提案を地元工務店や設計師らと共に進めており、東濃ひのきを使った家づくりへの支援として柱材40万円分ほどを村が施主にプレゼントするという取り組みなど、様々なバックアップを行っておられます。
 そうした東白川村の取り組みに、林野庁は言うまでもなく、サントリーやmoretrees、生物多様性の保全に取り組むWWF、岐阜県立森林アカデミー、木造建築に取り組む大手ゼネコンなどもバックアップに力を注いでいます。

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2024/10/18 08:56 | 未分類

2024年10月17日(木)

全国木のまちサミットin東白川

 15日・16日と、岐阜県東白川村を訪ねました。今年で8回目を迎える「全国木のまちサミット」に出席しつつ、東白川村で展開されている林業・木材産業の現場をお訪ねしました。
 このサミットは、主に森林資源の豊富な地方自治体が、林業の活性化、木材産業の育成、さらには森林の整備保全などを進めていくにあたり、同じような課題意識を抱える自治体同士の交流や先進事例の研究を通じて、それぞれの自治体における実践を進化させていこうとの考えで取り組まれてきました。私も前の任期中、岩手県住田町、山梨県早川町、熊本県南小国町などで開催されたサミットに参加、意欲的に取り組む全国各地の自治体の皆さんや、支援する林野庁、関係団体の皆さんとの交流を深めてきました。昨年は小田原でも開催されています。

 今年の開催地である東白川村は、人口2000人ほどですが、広大な山林と美しい清流の村で、高品質でしられるヒノキ「東濃ひのき」の大産地です。山林面積は約7800haで小田原市の倍程度ですが、そのうちFSC認証を得た、健全で持続可能な森林の面積が8割近くに達しており、森林地権者~林業事業者~製材事業者~加工事業者~工務店までの繋がりが村内で見事に形成されている、モデル的な地域であり、森林・林業・木材産業はまさに地域の主力産業として受け継がれ、育てられています。
 サミットのプログラム自体は、15日夜の交流会と16日の記念講演やパネルディスカッションなど、室内での交流が主体だったため、こちらから東白川村にお願いし、15日の午後から半日かけて村内の主要な現場を特別にご案内頂きました。

 FSC認証の森であり、東濃ひのきの種どりをする「母樹林」、サントリーが水源の森としてその保全と育林に関わっている山林、故坂本龍一氏らが取り組んだ「more trees」の森など、多間伐を経て十分な樹間があり、枝打ちもしっかりされた、まっすぐに育っているヒノキ、しかも下層植生がしっかり茂っている健やかな森の姿が、そこにはありました。
 

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2024/10/17 13:35 | 未分類

 

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