二宮尊徳(金次郎)は、天明7年(1787)7月23日、父利右衛門と母よしの間に生まれました。
二宮家はもともと中流の地主でしたが、父が病弱であったため、尊徳は父に代わって農作業にはげみました。また、近くを流れる酒匂川の治水工事にも参加していました。
その後、度重なる酒匂川の洪水と相次ぐ父母の死により、一家は離れ離れになり、尊徳は16歳から18歳までを伯父の万兵衛の所で過ごすことになりました。万兵衛は、彼が立派な百姓になれるよう、厳しくしつけました。夜遅く本を読んでいるのを油がもったいないと叱ったのも、そのためです。しかし、尊徳の勉強好きは変わらず、自分で菜種を植えて油を手に入れるなどして読書を続けました。
20歳の時独立し、自分の田を開墾すると同時に武家に奉公しながら田畑を買い戻して24歳の頃には、一町歩(約1ヘクタール)の地主にもどりました。