尊徳祭ポスターイラスト・「二宮金次郎とわたし」作文表彰を行いました

10月15日(日)第63回尊徳祭が開催され、開会式に引き続き、ポスターイラストのお披露目、優秀作品の作文発表を行い、下教育長から賞状と記念品が授与されました。

尊徳祭ポスターイラストについて

尊徳祭の告知ポスター等の広告物に使用するイラストについては、平成17年より毎年、神奈川県立小田原城北工業高等学校デザイン科に制作を依頼し、応募いただいています。本年度は3人から6点の応募があり、その中からデザイン科3年三谷小雪さんの作品が優秀作品に決定しました。表彰式では、受賞した三谷さんからこの作品についての思いを伺いました。
残念ながら、顧問の旭克也先生は都合により欠席でしたが、同じくデザイン科で指導されている福田貢先生より生徒さんの制作への取り組みについてお話を伺いました。

デザイン報告
顧問代理

「二宮金次郎とわたし」作文について

小田原市では小学校4年生の授業の一環として、郷土の偉人である二宮金次郎(尊徳)について学ぶ「尊徳学習」があります。この学習によって学んだ尊徳翁の事績や教えを振り返り、文章に表現することを通して尊徳翁への理解をさらに深めていただきたいということから、市立小学校5・6年生を対象に夏休みの課題の一つとして、「二宮金次郎とわたし~わたしが金次郎の生き方から感じたこと、考えたこと~」をテーマに作文募集を行っています。令和5年度は8校、73名より応募いただきました。
寄せられた作品は、「積小為大」に触れた作品が最も多く、コツコツと努力を積み重ねることの大切さを、自分の勉強や習い事など実践を通して学んだ事が書かれていました。また、幼い頃から金次郎の歌に親しんでおり、尊徳学習で学んだことで更に理解を深めることができたエピソードや、みかん農家で働く祖父が、金次郎の教えを実践しているのではないかという話など、自身の生活や活動、家族のことを金次郎の生き方に結び付け、個性豊かに表現した作品がみられました。また、金次郎の教えから、他人を思いやる気持ちやみんなで協力する姿勢、そしてなにより、金次郎を目指して頑張ろうという決意に似た作品にも出会うことができました。
会場の様子
賞状授与
講評
全体

石井 大輝さん(報徳小学校5年生)

石井大輝さん
「二宮金次郎と自分」
 ぼくは、「尊徳学習」を学んできて、色々なことを知りました。その中で、自分でもまねできる金次郎先生の教えを考えました。すると、次の二つのことができると思いました。
 一つ目は、「積小為大」です。「積小為大」とは、「小さいことでもコツコツ積み上げて行けば大きくなる。勉強でも、仕事でも、あきらめないで努力すれば、必ず目標に到達する。三日でやめるか、何年もしんぼう強く続けられるか、そこが分かれ道」という意味です。ぼくは、ソフトボールをやっています。でも、ぼくは、自主練習を続けてやることができません。「やるぞ」と思っても三日ほどしか続けてやることができません。コツコツ続けていけば、いつかホームランも打てるようになると思うので、がんばりたいと思います。
 二つ目は、「至誠」です。「至誠」とは、「楽をしたい、めんどうだ、きらいだなどと言わないで、どんな時でも、自分がやることを、しんけんにやる。」という意味です。これも、一つ目のことと結び付きます。それは、自主練習のことです。自主練習を「めんどうだ」や、「楽しくない」などと思っていると、やりたくなくなるのは当然ですが、「今日もがんばるぞ」や、「今日は何をしようかな」などの、楽しくなれるように考えてやると、続けてできるようになるのかなと思いました。
 だからぼくは、考えました。一日でいっぱいやるより、毎日少しずつやっていくほうが力になる。つまり「積小為大」は、「ちりも積もれば山となる」と同じ意味なのだということが分かりました。
 色々なことを教えてくれた金次郎先生は、改めて偉大で、すばらしい人だと思いました。
 

井上 颯太さん(足柄小学校6年生)

井上颯太さん
「二宮金次郎から学んだ生き方」
 ぼくは、金次郎のいろいろなことがある人生の中で、本当は自分のことだけで精一杯なはずなのに、常に他人をゆう先して多くの人々を救っているなど、自分とちがうところがすぐに分かりました。そして、金次郎の生き方から様々なことを学びました。
 まず、金次郎の幼少期から学んだことについてです。金次郎は、十二才のころから病気の父に代わって働いていました。夜にはぞうりを作ってぞうりのひもが切れてしまった大人を助けていました。このようなことがあって、金次郎は大人から感謝されていました。そんな幼いころからおもいやりがあることが、すごいと思いました。ぼくも見習いたいです。
 次に、金次郎の物事を深く考えるしせいです。金次郎はおじの家であずかってもらっていたとき、夜に明かりをつけて本を読んでいたら、おじが起きてきて、明かりのむだだから本を読むなと言われてしまいました。しかし金次郎は、どうにかして本を読む方法はないかと考え、明かりをつけるためのあぶらなを、自分で育てて使いました。このように足りないものをどうやって補うかを深く考えて、成功していました。ぼくは考えが浅かったり、考えるのをやめてしまったりして失敗しているので、物事を金次郎のように深く考えて、成功できるようになりたいです。
 最後に金次郎の精神力です。金次郎は十三才で両親を失い、弟たちとも別れて、あずかってもらっていたおじの家でも、自由に生活できませんでした。ぼくだったらこんなひどいことが重なっている状況にたえられません。しかし金次郎は、その状況でもおじの家でがんばって働いて、自分の家を建てました。ぼくも金次郎のように強い精神力を持ちつつ、おもいやりのある人になりたいです。

遠藤 彩希さん(報徳小学校5年生)

遠藤 彩希さん
「二宮金次郎とわたし」
 私の住む栢山には、大きな田んぼが広がっています。私は、この大きな田んぼを見る度に、金次郎さんの小を積んで大とする「積小為大」を思い出します。四年生のときに、二宮金次郎さんについて学習しました。金次郎さんは、まずしい生活の中、家族ために何かできないかと考え行動してきました。その一つに、すて苗を大切に植え育て、実をつけるまでに作り上げたことがあります。きっと想像もつかないような、努力を積み重ねたのだろうと思います。
 私にもそんな経験がないかふり返ってみました。すぐに、今、夢中になっているスポーツが頭にうかびました。それは、三年生から始めたバスケットボールです。今でも休む事なく続けています。「うまくなりたい」の一心でがんばっています。一回一回の練習では、目標を決め、その目標を達成できるよう心がけています。どんなに強い相手からも点が取れるように、シュートの練習をしています。また、相手にぬかれないように、次に何をするのかを考えながら、ディフェンスをしています。時には、うまくいかなくて落ちこむことがあります。悔しくてなみだを流してしまうこともあります。だけど、毎日の練習をこつこつと積み重ね、前を向いてあきらめずにがんばっています。そこが、金次郎さんの「積小為大」という教えと同じだと思います。努力してあきらめずに練習することを続けていけば、私の力となり、自信にもつながっていくと思います。
 私はチームの目標でもある県大会ベスト4を目指しています。その目標に向けて、努力を積み重ねていけば、大きな力になると信じてがんばります。そして、チームの仲間がいることや、支えてくれている家族への感しゃの気持ちを忘れずに、続けていきます。

鈴木 拓真さん(報徳小学校5年生)

鈴木 拓真さん
「二宮金次郎とわたし」
 ぼくは、金次郎の作った積小為大という言葉が、とても自分に合っていると思いました。積小為大とは、小さなことをコツコツと続けると、大きなことにつながるという意味です。金次郎は青年のころ、捨ててあったなえを、あれた沼地に植えて、お米を一俵にすることができたそうです。
 お米一俵がどれくらいか調べてみました。お米一俵は六十キログラムです。そしてなえ一本から取れるお米はたった七グラムでした。このことから、金次郎はとても多くのなえを拾って植えたのだとおどろきました。
 ぼくも、金次郎と同じようにコツコツと続けて、大きなことにつなげた経験があります。それは、サッカーのリフティングです。ぼくは、リフティングをはじめたころは十回もできませんでした。リフティングはとてもむずかしく、十回できるようになるまで一年近くかかりました。それでも、あきらめずに何年も続けてリフティングをしたら、最高で四百五十五回もできるようになりました。
 今は体力作りのために毎日なわとびを三百回と、ランニングを二・二キロ走っています。なわとびは、はじめは三百回連続でできなかったけれど、毎日続けることで五百回以上できるようになりました。また、ランニングも最初は十六分もかかっていたのに今は十三分で走れます。はじめたときは、これから毎日続けられるか不安だったけれど、今は記録ものび、トレーニングをすることが楽しくなっています。これからもコツコツとなわとびを続けて体力をつけ、大きな成果につなげたいと思います。
 積小為大は運動だけでなく、勉強や日常生活でも活用できる考え方です。ぼくは、この金次郎のことばをいつでも思い出せるようにしていこうと思います。

田畑 舞佳さん(報徳小学校5年生)

田畑 舞佳さん
「二宮金次郎の二刀流」
 私は、三年生の頃からソフトボールをやっています。五年生になって野球に興味がわき、テレビで投打二刀流の大谷翔平選手の活躍している姿を見て、憧れるようになりました。
 四年生から学習してきた二宮金次郎は、薪を背負いながら本を読んでいる姿から「文武両道」という、学問と力の二刀流なのだと思っていました。しかし、もっと詳しく調べてみると、いろいろなことがわかってきました。
 必ず返すからと言って人から菜種をもらい、それを植えて種を増やし、その種をもらった人へ返すだけでなく、残った種で菜種油を作り、油を買うお金がなくて、夜になると暗くて勉強ができないという自分の問題も解決しました。
 小さい頃には、自分にできることを探し、わらじを作って人にあげたりして、常に役に立つことを考え行動にうつしてきました。
 二宮金次郎は、自分の考えを人に教えて、六百以上の村を復興させました。素晴らしい教えで人々の心を満足させるだけでなく、そのことを活かして生活を豊かにしたり、お金を手に入れたりするやり方を教えたのだと思います。
 このことから、二宮金次郎の二刀流は、道徳と経済の二刀流なのだと思いました。また、どんな状況でもくじけない、強さと優しさの二刀流でもあると思いました。
 私はこれから、人を引っ張っていけるようになりたいと思っていますが、困っている人をその場で助けるだけでなく、次にその人が同じようなことで困った時に、今度は自分の力で解決できるようにやり方を教えてあげたいと思いました。また、自分が困った時は、素直に周りの人にたずねて、やり方を教えてもらえるような人でありたいと思います。

橋本 心桜さん(富水小学校5年生)

橋本 心桜さん
小さな事でもコツコツと
 私が、二宮金次郎さんの教えで大切にしたいと思ったことは、「積小為大」です。積小為大とは、小さなことも見逃さず、大切に積み重ねていくことにより、一万石の俵の山も一粒の米から始まるので、大きな仕事や、目的を達成することができる、小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や、発展に結びつく、小さな事をおろそかにする者に、大きな事が果たせるわけがないという意味です。
 二宮金次郎さんは、夜、明かりをつけて勉強をしていると、「油がもったいない」とおじさんに言われてしまう。そんな状況の中でも、油菜の種をまいて、育て、種を取り、油屋さんであんどんの油と変えてもらうという、前向きな取り組みに深く共感しました。
 私は六年間、器械体操を習っています。器械体操は、柔軟や、筋トレなどが基礎となってくるので、家でコツコツと努力をしていると、私自身の小さな目標が達成していき、その小さな目標をいくつも達成することが、大きな目標である。ひざ・つまさきが、きれいな体操をするという目標へ、少し近づくのではないかと考えました。
今までは、小さな目標を見逃して、大きな目標になん度も挑戦して、ぶつかっていたことが多かったけれど、二宮金次郎さんの本を読んで、小さな事にも見逃さずに取り組んで、大きな事に挑戦している姿を見て、今後は、「小さな事を見逃さずに、挑戦するぞ。」と、決めて、小さな事を見逃さずにやっていると、コーチに、「新しい技をやってみたらどう?」と言われ、一本目で成功したので、これぞ「積小為大」だなと思いました。
 私がこの作文を通じて実感したことは、どんなに小さな目標でも、全力で取り組んで、大きな目標に立ち向かっていくことです。

この情報に関するお問い合わせ先

文化部:生涯学習課 尊徳記念館係

電話番号:0465-36-2381

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