UK08-001-077
歌川国芳
列猛伝・足柄金太郎
柱絵 安政3年(1856)
柱絵と呼ばれる縦長の形式の浮世絵は珍しい。
小熊である。一緒に相撲をとるにはまだ小さすぎよう。
作者歌川国芳の落款と改印
この作品では朝桜楼と号している
柱絵と呼ばれる縦長の形式の浮世絵は珍しいが、その2枚続きいうのはさらに珍しい。
作者歌川国丸の落款と改印
金太郎のトレードマークである金印の腹がけ。
この作品に描かれている熊は、金時と相撲をとれそうな大きさのサイズになっている。
相撲で負けたのか、金太郎に突き落とされたのか、崖から落下していく熊。その行く末が心配になってしまうほどの断崖絶壁である。
その情景を見つめるのは、京都で名高いゴーストバスターである源頼光の一行。この一行に金太郎が加わり、のちに頼光四天王が誕生する。
画面の中心で松明を持っているこの人物が、金太郎改め坂田公時その人である。
作者勝川春亭の落款等
このシーンには、源頼光と四天王だけでなく、陰陽師の平井保昌まで登場する。ゴーストバスター(妖怪退治)のエキスパートが総出演しているのである。
大江山の酒天(呑)童子退治といえば、北条氏が京都の絵師に描かせた絵図が、現在サントリー美術館に収蔵されている。
坂田公(金)時