小田原市

絵画・絹本著色 真言八祖像

指定種別

県指定有形文化財 絵画

指定年月日

平成19年2月9日

所在地

小田原市国府津2038 宝金剛寺

所有者

小田原市国府津2038 宗教法人 宝金剛寺

数量

8幅

内容

絹本著色
時代 鎌倉時代~南北朝時代 14世紀
祖師名 縦(cm) 横(cm)
龍猛(りゅうみょう) 101.5 58.0
龍智(りゅうち) 101.5 58.2
金剛智(こんごうち) 101.8 58.4
不空(ふくう) 101.9 58.4
善無畏(ぜむい) 101.6 58.4
一行(いちぎょう) 100.7 58.4
恵果(けいか) 100.9 58.0
空海(くうかい) 101.0 58.3

真言八祖像は、龍猛・龍智・金剛智・不空・善無畏・一行・恵果・空海の真言宗の八人の祖師を描くもので、空海が中国から請来(せいらい)した五祖像に、龍猛・龍智像が描き加えられた京都・教王護国寺(東寺)蔵本にさらに空海が加えられたものが図像の基本となっています。
本八祖像の像容も、基本的にはこれを踏襲していますが、座具は通常牀座(しょうざ)または曲彔(きょくろく)に坐すところを、敷物の上に坐す形に変更し、恵果の侍童(じどう)も省略しています。
個々の描法の詳細は略して基本を示せば、顔貌(がんぼう)は、輪郭を中墨(ちゅうぼく)の線で描き、目の白眼部に白、虹彩部に灰色を塗って上瞼・虹彩・瞳孔部を濃墨で締め、口唇は朱を塗り上下唇の合せ目を濃墨線で引く。手は顔と同じ中墨で輪郭を描き、爪に白を点じています。衣は輪郭・衣文を墨線で描くが、龍猛像・龍智像では袈裟の田相部(でんそうぶ)を赤、条葉部(じょうようぶ)を墨で塗り、善無畏像・金剛智像は条葉部を墨で、刺子(さしこ)を墨で描き、金剛智像では田相部に赤・白の文様を散らしています。この二師の衣の地色は通例に従って黄とも考えられますが、現状では確認できません。一行についても同様です。不空像・恵果像では衣を薄墨で描き、衣文にそって墨の隈を入れています。空海像は損傷が激しく推定が困難です。座具は通例の真言八祖像に描かれる牀座の上面のみを切り出してきたような図様で、赤に緑の縁取り、またその逆等の中に主として花文を散らしています。画面の左上には白・赤・緑等から二種を選んで塗り分けた色紙形を置き、それぞれの祖師の伝が略述されています。
また、各巻の表背に「文化十癸酉三月修補之 国府津山」との修理銘があり、現在の表装が文化10年(1813)に行われたことが知られますが、状態は悪く現状では掛幅としての使用には耐えられません。補絹・補筆も随所に見られ、特に空海像は使用頻度が高かったためか、損傷が激しいです。

なお平成28年度から3年間掛けて、宝金剛寺では神奈川県、小田原市、公益財団法人朝日新聞文化財団、公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団の補助・助成を受けて真言八祖像八幅の修復事業を実施しています。

指定理由

図像的には基本的に変化しない真言八祖像であるが、座具の変更や侍童の省略には、図様を簡潔化して祖師そのものの表現へ集約しようとする方向が見られ、描法も煩わしさを避けて簡潔にまとめられている。肉身・衣文は的確な線によって描写されており、文様の描法等を加えて、14世紀前半における祖師像の優品と認められる。
また県内に希少な真言八祖像の遺品としても貴重である。

参考文献

  1. 「國府津山 寳金剛寺」 宗教法人 寳金剛寺
  2. 「おだわらー歴史と文化ー10号」 小田原市役所市史編さん室
    『<調査報告>国府津山寳金剛寺の中近世絵画』 相澤正彦

最終更新日:2017年11月14日


この情報に関するお問い合わせ先

文化部:文化財課

電話番号:0465-33-1717


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