平成25年度決算
決算の概要
平成25年度決算では、一般会計と11の特別会計はすべて黒字決算となっており、一般会計及び11特別会計の決算は、歳入総額127,915,548,728円、歳出総額122,915,940,725円となり、歳入歳出差引額は4,999,608,003円となりました。
なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(297,519,555円)を除いた実質収支額は4,702,088,448円の黒字となりました。
一般会計
一般会計の決算は、歳入総額65,317,885,193円、歳出総額61,553,238,780円で、前年度より歳入が4.5%、歳出が4.4%それぞれ増加し、歳入歳出差引額3,764,646,413円となりました。なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(継続費逓次繰越財源56,919,443円、明許繰越財源198,244,602円)を除いた実質収支額は3,509,482,368円の黒字となり、前年度の実質収支額を除いた単年度収支額は、750,060円の黒字となりました。
歳入においては、市税収入額が、32,434,338,299円と前年度比で1.5%増加し、歳入総額に占める割合は49.7%(前年度51.1%)となりました。これは、個人市民税は、個人所得の減少に歯止めがかかり前年度並み(0.1%減少)、法人市民税は、法人税の税率引下げの影響があったものの、企業等の業績が回復しつつあり、前年度比で0.6%増加、固定資産税は、家屋の新築・増築の増加により1.1%増加、市たばこ税は、売渡本数が減少しているものの、県たばこ税の一部が市たばこ税に移譲されたことにより、10.0%増加したこと等によるものです。また、地方交付税については、普通交付税の減少により、前年度より約2千6百万円の減少となり、国庫支出金については、緊急経済対策による社会資本整備総合交付金の増加や地域の元気臨時交付金の創設等により、前年度より約5.6億円の増加となりました。
競輪事業収入については、前年度と同額の1億円、宿泊等施設事業特別会計からの繰入金は、前年度と同額の2.1億円となりました。市債については、緊急防災・減災事業債が減少したものの、公共事業等債が増加となったため、前年度より約9.7億円の増加となりました。
歳出においては、義務的経費が前年度比で7.0%の減少となりました。これは、人件費が消防の広域化に伴う消防職員給与等の広域消防事業特別会計への移行等により19.0%減少したほか、公債費がこれまで新規の市債発行を抑制し、市債残高の縮減と将来負担の軽減を図った結果5.7%減少したためです。なお、歳出に占める義務的経費の構成比は、48.9%(前年度54.8%)と5.9ポイントの減少となりました。
また、投資的経費については、社会福祉センターの移転に伴う新施設の購入や小田原地下街再生改修工事、町田小学校屋内運動場の火災復旧工事等により、前年度比で39.2%の増加となり、構成比は12.0%(前年度9.0%)と3.0ポイントの増加となりました。
競輪事業特別会計
本年度の小田原競輪は、小田原市営11回(延49日)、神奈川県競輪組合営2回(延7日)を開催しました。小田原市営競輪における車券発売総額は11,400,452,300円で、前年度と比較すると約9.1%の増となりました。記念競輪が天候に恵まれ、売上が6,155,296,700円(前年度比約7.5%増)となったことや、隔年に開催するF1ジャパンカップの売上が好調であったことが大きな要因です。なお、通常開催の入場者数や1人当たり購買単価は依然として減少傾向にあります。
競輪場使用料収入は、神奈川県競輪組合営2回(G3・F2)の開催と他場の特別競輪・記念競輪等の臨時場外車券発売を実施した際の競輪場使用料で、神奈川県競輪組合営のG3開催により、前年度比約10.3%増の107,497,306円となりました。
一方、歳出については、競輪開催費として払戻金8,523,105,960円、JKA交付金214,765,640円、日本自転車競技会委託金164,299,775円、小田原競輪運営協議会分担金88,953,144円等を支出しました。
これらにより、本年度の歳入合計は11,996,348,844円、歳出合計は一般会計への繰出金100,000,000円を含め11,654,030,020円となり、差引残額342,318,824円を翌年度へ繰り越しました。
小田原城天守閣事業特別会計
本年度の天守閣事業については、特別展として例年開催している「小田原城紋章展」及び「新年の書といけばな展」に加え、「よみがえる小田原城」を開催し、観光客の誘致に努めました。また、馬出門復元などの城跡整備が進んだこと、「安・近・短」のレジャー志向、歴史ブーム・お城ブーム、テレビ・雑誌等のPR効果などにより、天守閣、歴史見聞館ともに多くの集客がありました。天守閣入場者数は、430,475人(無料12,666人を含む)と、桜の早咲きや大雪による影響で前年度より29,073人(6.3%)の減となりましたが、過去20年間では2番目に多い入場者数でありました。歴史見聞館入場者数は、90,658人(無料3,001人を含む)で前年度より3,785人(4.0%)の減となりました。
また、今後の小田原城の施設整備に備え、45,000,000円を小田原城施設整備基金へ積み立てました。
これらにより、本年度の歳入合計は、220,373,785円、歳出合計は156,972,632円となり、差引残額63,401,153円を翌年度へ繰り越しました。
下水道事業特別会計
公共下水道は、家庭や工場などから排出される汚水を処理し、公共用水域の水質保全を図るとともに、大雨による浸水を防除する役割を果たすなど、清潔で快適な生活環境を築く上で欠かすことのできない重要な都市施設です。また、ライフラインの確保等の観点から、初期に整備した下水道施設の老朽化対策等の維持管理の必要性が増大しています。
本市は、酒匂川左岸処理区、酒匂川右岸処理区の2処理区において、汚水管渠の整備を進めるとともに、河川流域対策として雨水渠の整備に努め、水洗化の普及や河川の浄化、浸水解消事業等の推進を図っており、平成25年度についても引き続き下水道施設整備事業の推進に努めました。
汚水施設については、平成25年度に4.5kmの汚水管渠を布設し、9.5haの面整備を行った結果、同年度末の整備延長は566.3km、整備面積は2,486.7haとなりました。また、処理区域面積は9.5ha増加し、平成25年度末の処理区域面積2,486.5haにおける処理区域内人口は160,800人となり、同年度末の行政人口196,067人に対する人口普及率は82.0%、市街化区域2,797haに対する面積普及率は88.9%に達しました。(管渠の整備延長及び整備面積は、本市事業のほか、民間開発行為等によるものを含む数値です。)なお、寿町終末処理場の整備については、老朽化した処理施設の改修を実施しました。
一方、雨水施設については、都市化の進展に伴う環境変化による浸水や滞水箇所の解消に努めた結果、平成25年度末の整備延長は209.9km、整備面積は858.3haとなりました。(整備延長及び整備面積は10年確率整備の数字です。)
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,950,000,000円を含め7,587,798,346円、歳出合計は7,378,597,732円となり、差引残額209,200,614円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険事業特別会計
高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い、中・長期的に見て医療費は増加傾向にあり、国民健康保険の財政運営は今後も厳しい状況が続くと考えられます。
このような中、被保険者一人ひとりに普段の生活から生活習慣病の予防を心がけてもらえるよう、特定健康診査や特定保健指導事業を推進しており、こうした取り組みを通じて、被保険者の一人ひとりの健康に対する意識を醸成し、健康維持・増進と将来的な医療費の抑制を図っていきます。
平成25年度においては、歳入の1人当たり医療分保険料調定額は、前年度より1.2%増の68,289円、後期高齢者支援金分保険料調定額は、前年度より0.1%増の25,668円、(介護保険に係る)1人当たりの介護納付分保険料調定額は、前年度より10.0%増の32,729円となりました。
保険料収納率は、コンビニエンスストアでの収納を開始して納付しやすい環境を整えるとともに、徴収嘱託員による臨戸徴収、市税等納付促進センターによる電話催告の充実など、徴収体制を強化して収納率向上対策に積極的に取り組んだ結果、現年度分収納率は、前年度より2.3ポイント増の88.82%となりました。
歳出の保険給付費につきましては、15,223,667,958円と前年度より0.7%減少しております。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,800,000,000円を含め22,562,083,328円、歳出合計は22,118,767,515円となり、差引残額443,315,813円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険診療施設事業特別会計
国民健康保険診療施設片浦診療所は、片浦地域における唯一の医療機関として、地域住民の早期診療等疾病対策に努め、健康管理の推進を図っております。診療日は、原則として月曜日、水曜日及び金曜日の午前9時から午後3時30分までで、木曜日は准看護師による健康相談等を実施しております。
本年度の診療件数は、1,906件で前年度より150件減、また、年間延患者数は、2,469人で前年度より383人減となっています。前年度に比べ年間診療件数、延患者数ともに減少していますが、片浦地域には半径4キロ以内に他の医療機関がなく、また、高齢化が進み慢性疾患の患者が多いことから、診療所がかかりつけ医として大きな役割を果たしています。
診療収入につきましては、前年度より2,672,092円減の27,671,742円となりました。
これらにより、本年度の歳入合計は33,214,240円、歳出合計は30,924,874円となり、差引残額2,289,366円を翌年度へ繰り越しました。
公設地方卸売市場事業特別会計
[青果市場] 青果市場は、昭和47年11月の開場以来、市民を始め近隣地域住民への新鮮な野菜、果実及びそれらの加工品等の安定供給に努めております。
本年度の取扱量は、前年度より2.7%減の25,663t、取扱金額は、前年度より2.9%増の6,000,890,831円となりました。
[水産市場] 水産市場は、昭和43年3月の開場以来、県西地域における拠点市場として、市民を始め近隣地域住民や箱根・熱海方面の観光客に対し水産物及びその加工品等の安定供給に努めています。
本年度の取扱量は、前年度より8.1%増の13,871t、取扱金額は、前年度より3.5%増の9,103,106,108円となりました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金54,000,000円を含め168,375,858円、歳出合計は161,192,338円となり、差引残高7,183,520円を翌年度に繰り越しました。
介護保険事業特別会計
介護保険制度は、平成12年度に施行されて以来サービスの利用者数は年々増加し、サービスの提供基盤の整備も進むなど、高齢期の生活を支える仕組みとして定着してきました。今後、高齢化がますます加速し、独居や認知症の高齢者も急増すると見込まれることから、介護予防の推進や制度の持続性の確保が大きな課題となっています。そこで、地域支援事業として高齢者筋力向上トレーニング事業をはじめとする様々な介護予防事業の実施や普及啓発活動、また地域包括支援センター事業の充実などを行い、要介護状態等になることを予防するとともに、可能な限り地域において高齢者が自立した日常生活を営むことができるよう支援しました。
介護給付事業の財源は、被保険者からの保険料と国・県・市が負担する公費からなっており、その内訳は、第1号被保険者保険料が21%、第2号被保険者保険料が29%、国費が負担金20%(施設分は15%)・補助金5%、県費が12.5%(施設分は17.5%)、市費が12.5%となっています。第1号被保険者保険料は、保険者である市が策定した介護保険事業計画に基づいて算定し、個人の所得に応じて段階区分されます。介護保険事業計画は3年ごとに見直しますが、平成24年度から平成26年度までの第5期事業計画期間中の保険料基準額は、月額4,090円となっています。平成25年度末の要介護(要支援)認定者数は、8,156人で介護(介護予防)給付に要した額は、前年度より7.3%増の11,607,422,705円となりました。
地域支援事業のうち、介護予防事業の財源は、第1号被保険者保険料が21%、第2号被保険者保険料が29%、国25%、県12.5%、市12.5%、包括的支援事業及び任意事業は、第1号被保険者保険料が21%、国39.5%、県19.75%、市19.75%となっています。平成25年度の地域支援事業の事業費は、介護予防事業費が34,669,404円、包括的支援事業費及び任意事業費が152,937,010円であり、その合計額187,606,414円は、介護給付に要した額の1.6%に相当します。
これらにより、平成25年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金1,777,118,744円を含め12,133,383,955円、歳出合計は12,092,470,155円となり、差引残額40,913,800円を翌年度に繰り越しました。
宿泊等施設事業特別会計
本会計は、特殊法人雇用・能力開発機構及び特殊法人労働福祉事業団の所有であった勤労者リフレッシュセンタースパウザ小田原を取得・管理していく上で、歳入歳出予算の計上と執行を明確化するため、平成15年度に設置されたものです。
小田原ヒルトン株式会社及びヒルトン・インターナショナル社とは、賃貸借契約を平成15年12月25日に締結し、平成16年2月1日からヒルトン小田原リゾート&スパとして運営が開始されました。
施設売却に向けた取組を進めた結果、平成24年12月12日付で小田原ヒルトン株式会社との間で、所有権移転時期を3年後として、その間、施設修繕費は全て同社が負担し、賃料を固定資産税相当額とする契約を締結しました。本会計においては、土地建物貸付により224,672,280円の収入を得る一方、繰替運用金の元金及び利子の償還を行うとともに、一般会計へ210,000,000円の繰出しを行いました。なお、今年度で繰替運用金の元金及び利子の償還は完了しました。
これらにより、本年度の歳入合計は、400,717,116円、歳出合計は、317,981,552円となり、差引残額82,735,564円を翌年度へ繰り越しました。
後期高齢者医療事業特別会計
後期高齢者医療制度は、国民皆保険を維持しつつ、将来にわたって医療保険制度を持続可能なものとしていくための抜本的な医療制度の見直しの一つとして、平成20年4月に施行されました。被保険者は、75歳以上の高齢者及び65歳以上75歳未満で一定の障がいのある者とし、神奈川県内すべての市町村が加入する「神奈川県後期高齢者医療広域連合」という特別地方公共団体が主体となり、市町村と連携しながら制度を運営しています。医療費の財源は、被保険者からの保険料が1割、他医療保険からの支援金が4割、国・県・市町村の公費負担が5割となっています。また、保険料は、被保険者個人単位で算定し、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と被保険者の前年所得に応じて負担する「所得割額」を合計した額になります。この保険料率は、制度の安定した財政運営を図るため、2年単位で費用と収入を見込んで算定し、2年毎に見直す仕組みとなっており、平成24・25年度の均等割額は41,099円、所得割率は8.01%で、神奈川県内においては、均一の保険料率となります。なお、平成25年度末の被保険者数は、前年度末より425人増えて23,577人となり、神奈川県全体では891,337人となっています。
市町村では、後期高齢者医療制度の医療費の給付について、療養費実績の12分の1を市町村定率負担金として納付しているほか、後期高齢者医療広域連合納付金として、保険料の賦課額に予定収納率を掛けた保険料額(保険料納付金)、法律の定めにより所得の低い方に対する保険料減額分の補填分(保険基盤安定制度拠出金)、神奈川県後期高齢者医療広域連合の事務に係る費用を県内各市町村が均一に負担する均等割と、被保険者と人口の割合に応じた負担分(市町村負担金)を納付しています。保険料納付金は、現年度分の納付保険料から支出しており、保険基盤安定制度拠出金は、県負担金として4分の3が一般会計に歳入され、4分の1を市が負担し、市町村定率負担金、市町村負担金と併せた全額を一般会計から繰入れるものとなっています。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,853,496,043円を含め3,706,251,896円、歳出合計は3,662,777,086円となり、差引残額43,474,810円を翌年度へ繰り越しました。
公共用地先行取得事業特別会計
本会計は、公共施設等の整備を円滑に進める上で、整備事業に先立って用地を取得する必要があり、施設整備に係る事業債を起こすまでのつなぎ資金として地方債を起こす際に、その経理を明確化するために設けられる特別会計です。
本年度は、市民の文化創造活動拠点として整備する芸術文化創造センターの建設用地を本会計において取得し、また、芸術文化創造センター建設用地及び小田原駅東口お城通り地区再開発事業用地取得にからむ長期借入金利子を支出しており、歳入合計は一般会計からの繰入金7,331,427円を含め24,687,427円、歳出合計は24,559,301円となり、差引残額128,126円を翌年度へ繰り越しました。
広域消防事業特別会計
本会計は、足柄上地域1市5町から消防事務を受託した消防広域化に伴い、関係市町の財政負担の明確化を図るため、平成25年度に設置されたものです。この消防事務の受託により、管轄する面積は494.43平方キロメートル、人口は30万人を超えることとなりました。
本年度は、必要な消防力を維持向上させるため、救急救命士を2名養成したほか、高規格救急自動車、救助工作車、資機材搬送車、査察車をそれぞれ1台、消防用ホース等の備品を購入しました。
また、消防救急デジタル無線の整備のため、共通波においては整備費負担金を支出するとともに、活動波においては整備工事に向けた実施設計を行いました。
これらにより、平成25年度においては、1市5町からの負担金を含めた歳入合計は3,764,428,740円、歳出合計は歳入同額の3,764,428,740円となりました。
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