平成28年度決算
決算の概要
平成28年度決算では、一般会計と10の特別会計はすべて黒字決算となっており、一般会計及び10特別会計の決算は、歳入総額135,684,470,085円、歳出総額130,179,164,579円となり、歳入歳出差引額は5,505,305,506円となりました。また、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(135,709,973円)を除いた実質収支額は5,369,595,533円の黒字となりました。
一般会計
一般会計の決算は、歳入総額70,976,351,401円、歳出総額67,288,843,738円で、それぞれ前年度より歳入が0.2%、歳出が0.8%増加し、歳入歳出差引額3,687,507,663円となりました。なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(継続費逓次繰越財源49,030,524円、明許繰越財源86,679,449円)を除いた実質収支額は3,551,797,690円の黒字となり、前年度の実質収支額を除いた単年度収支額は、332,520,145円の赤字となりました。
歳入においては、市税収入額が、33,207,024,396円と前年度から約1.9億円増加し、歳入総額に占める割合は46.8%(前年度46.6%)となりました。市民税は、法人市民税が法人税割の税率引下げによる減収要因はあったものの、企業業績の改善傾向が見られたこと等により、前年度並みとなった一方、個人市民税がふるさと納税に係る寄附金控除の増加等により減収となり、全体で前年度から約1億円の減収、固定資産税は、家屋の新築・増築による増収や市有財産の売却に伴う新たな課税等で、前年度から約2.5億円の増収、軽自動車税は、税率の改正により、前年度から約5千6百万円の増収、市たばこ税は、売渡本数の減少により、前年度から約2千7百万円の減収となりました。また、地方交付税については、普通交付税及び特別交付税の減少により、前年度から約2.7億円の減少となり、国庫支出金については、臨時福祉給付金事業等の増により、前年度から約1.6億円の増加となりました。
競輪事業収入については、前年度と同額の1億円となり、市債については、臨時財政対策債や公共事業等債の減により、前年度から約7.2億円の減少となりました。
歳出においては、義務的経費が前年度比で約4千7百万円の増加となりました。これは、これまで新規の市債発行を抑制し、市債残高の縮減と将来負担の軽減を図ったことにより、公債費が約2.8億円減少した一方、人件費が人事院勧告に準じた職員給与改定等により約7千6百万円増加したほか、子どものための教育・保育給付費等の増額により、扶助費が約2.5億円増加したことによるものです。なお、歳出に占める義務的経費の構成比は、47.1%(前年度47.4%)と0.3ポイントの減少となりました。
また、投資的経費については、城山陸上競技場リニューアル事業を実施した一方、市庁舎耐震改修事業の終了等により、前年度比で約3.7億円の減少となり、構成比は10.3%(前年度10.9%)と0.6ポイントの減少となりました。
競輪事業特別会計
本年度の小田原競輪は、小田原市営13回(延49日)を開催しました。小田原市営競輪における車券発売総額は14,993,261,500円で、前年度と比較すると約28.0%の増となりました。通常の開催に加え、国際自転車トラック競技支援競輪(G3)を開催したことがが大きな要因です。一方、入場者数は依然として若干の減少傾向にあります。
競輪場使用料収入は、他場の特別競輪・記念競輪等の臨時場外車券発売を実施した際の競輪場使用料で、各場外開催における車券発売金額の減少により、前年度比約13.0%減の51,574,351円となりました。
一方、歳出については、競輪開催費として払戻金11,218,761,300円、JKA交付金281,306,894円、JKA委託金200,970,525円、小田原競輪運営協議会分担金46,304,102円等を支出しました。
これらにより、本年度の歳入合計は15,659,224,252円、歳出合計は一般会計への繰出金100,000,000円を含め15,339,170,681円となり、差引残額320,053,571円を翌年度へ繰り越しました。
小田原城天守閣事業特別会計
天守閣は、耐震改修工事及び展示リニューアルに伴う休館を経て、平成28年5月1日にリニューアルオープンしました。オープン以降は、ゴールデンウィーク及び夏季等の開館延長の実施、常盤木門SAMURAI館のオープン、リニューアルオープン記念事業実行委員会による各種団体との連携事業を行うなど観光客の誘致に努めました。
また、平成28年熊本地震で被災した熊本城に対し、リニューアルオープン当日の天守閣入場料相当額を災害復旧寄附金として寄附しました。
なお、天守閣入場者数は、775,406人(無料38,553人を含む)と、過去最高の記録であった昭和38年度の588,740人を大幅に更新しました。歴史見聞館も、天守閣のリニューアルの影響により、155,136人(無料4,989人を含む)と、平成10年度の開館時に記録した131,011人を更新し、平成28年10月1日にオープンした常盤木門SAMURAI館は、6ヶ月間で83,238人(無料1,883人含む)の来館がありました。
これらにより、本年度の歳入合計は、耐震改修事業の財源である小田原城施設整備基金からの繰入金291,300,000円と天守閣整備事業債353,500,000円を含め1,086,091,618円となり、歳出合計904,135,514円との差引残額181,956,104円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険事業特別会計
国民健康保険制度では、平成28年度においては一般被保険者に係る医療費については減となったものの、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い、中・長期的に見ると1人当たりの医療費は依然として増加する傾向にあり、財政運営において大変厳しい状況が続くものと考えられます。
このような中、被保険者の生活習慣病の予防を目的としたデータヘルス計画を策定し、特定健康診査や特定保健指導事業等を推進しております。こうした取組を通じて被保険者の一人ひとりの健康に対する意識を醸成し、健康維持・増進と将来的な医療費の抑制を図っています。
平成28年度における歳入1人当たり医療分保険料調定額は、前年度より0.4%減の66,170円、後期高齢者支援金分保険料調定額は、前年度より0.7%減の25,898円、(介護保険に係る)1人当たりの介護納付分保険料調定額は、前年度より1.1%減の31,198円となりました。
保険料収納率は、未納者に対して市税等納付促進センターによる電話催告や徴収嘱託員による訪問催告を行い、それでも納付されない方に対しては差押え等の滞納処分を強化して収納率向上対策に積極的に取り組んだ結果、現年度分収納率は、前年度より0.92ポイント増の93.02%となりました。
歳出の保険給付費につきましては、被保険者数の減少等の影響もあり14,608,411,602円と前年度より5.4%減少しております。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,700,000,000円を含め24,972,256,523円、歳出合計は24,146,624,258円となり、825,632,265円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険診療施設事業特別会計
国民健康保険診療施設片浦診療所は、片浦地域における唯一の医療機関として、地域住民の健康管理や早期治療等疾病対策に努めております。診療日は、原則として月曜日、水曜日及び金曜日の午前9時から午後3時30分までで、木曜日は看護師による健康相談等を実施しております。本年度の診療件数は、1,479件で前年度より187件減、また、年間延患者数は、1,776人で前年度より269人減となっています。前年度に比べ年間診療件数、延患者数ともに減少していますが、半径4キロメートル以内に他の医療機関がなく、高齢化が進み慢性疾患の患者が多い片浦地域において、診療所がかかりつけ医として大きな役割を果たしています。
診療収入につきましては、前年度より4,058,486円減の17,321,123円となりました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金5,490,000円を含め25,626,712円、歳出合計は23,827,597円となり、差引残額1,799,115円を翌年度へ繰り越しました。
公設地方卸売市場事業特別会計
[青果市場] 青果市場は、昭和47年11月の開場以来、市民を始め近隣地域住民への新鮮な野菜、果実及びそれらの加工品等の安定供給に努めております。
本年度の取扱量は、前年度より5.2%減の20,323t、取扱金額は、前年度より0.8%増の5,763,147,712円となりました。
[水産市場] 水産市場は、昭和43年3月の開場以来、県西地域における拠点市場として、市民を始め近隣地域住民や箱根・熱海方面の観光客に対し水産物及びその加工品等の安定供給に努めています。
本年度の取扱量は、前年度より5.3%減の13,204t、取扱金額は、前年度より0.4%増の9,871,683,775円となりました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金22,000,000円を含め134,160,424円、歳出合計は123,866,598円となり、差引残高10,293,826円を翌年度に繰り越しました。
介護保険事業特別会計
介護保険制度は、平成12年度に施行されて以来サービスの利用者数は年々増加し、サービスの提供基盤の整備も進むなど、高齢期の生活を支える仕組みとして定着してきました。今後、高齢化がますます加速し、独居や認知症の高齢者も急増すると見込まれることから、介護予防の推進や制度の持続性の確保が大きな課題となっています。そこで、地域支援事業として地域包括支援センターを1箇所増設するとともに、介護予防・日常生活支援事業を実施することにより、要介護状態等になることを予防し、可能な限り地域において高齢者が自立した生活を営むことができるよう支援しました。
保険給付の財源は、被保険者からの保険料と国・県・市が負担する公費からなっており、その内訳は、第1号被保険者保険料が22%、第2号被保険者保険料が28%、国費が負担金20%(施設分は15%)・補助金5%、県費が12.5%(施設分は17.5%)、市費が12.5%となっています。第1号被保険者保険料は、保険者である市が策定した介護保険事業計画に基づいて算定し、個人の所得に応じて段階区分されます。介護保険事業計画は3年ごとに見直し、平成27年度から平成29年度までの第6期事業計画期間中の保険料基準額は、月額5,060円となっています。また、公費を投入し、低所得者の保険料の軽減を行いました。
平成28年度末の要介護(要支援)認定者数は、8,681人で、保険給付に要した額は、前年度より0.2%増の12,893,195,508円となりました。
地域支援事業のうち、介護予防・日常生活支援総合事業の財源は、第1号被保険者保険料が22%、第2号被保険者保険料が28%、国25%、県12.5%、市12.5%、包括的支援事業及び任意事業は、第1号被保険者保険料が22%、国39%、県19.5%、市19.5%となっています。平成28年度の事業費は、平成28年1月から介護予防サービスの一部を介護予防・日常生活支援総合事業に移行したことから、前年度より105.1%増の610,847,780円となりました。
これらにより、平成28年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金2,032,104,386円を含め14,492,130,339円、歳出合計は14,131,808,580円となり、差引残額360,321,759円を翌年度に繰り越しました。
後期高齢者医療事業特別会計
平成20年4月に施行された後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者及び65歳以上75歳未満で一定の障がいのある者を被保険者とし、神奈川県内すべての市町村が加入する「神奈川県後期高齢者医療広域連合」が主体となり、市町村と連携しながら制度を運営しています。医療給付費の財源は、被保険者からの保険料が1割、他の医療保険からの支援金が4割、国・県・市町村の公費負担が5割となっています。また、保険料は、被保険者毎に算定し、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と被保険者の前年所得に応じて負担する「所得割額」を合計した額になります。この保険料率は、制度の安定した財政運営を図るため、2年単位で費用と収入を見込んで算定し、2年毎に見直す仕組みとなっており、平成28・29年度の均等割額は43,429円、所得割率は8.66%で、神奈川県内においては、均一の保険料率となります。なお、平成28年度末の被保険者数は、前年度末より1,045人増えて26,085人となり、神奈川県全体では1,023,389人となっています。
市町村では、後期高齢者医療制度の保険給付について、給付実績の12分の1を市町村定率負担金として納付しているほか、後期高齢者医療広域連合納付金として、保険料の賦課額に予定収納率を掛けた保険料額(保険料納付金)、法律の定めにより所得の低い方に対する保険料減額分の補填分(保険基盤安定制度拠出金)、神奈川県後期高齢者医療広域連合の事務に係る費用を県内各市町村が均一に負担する均等割と、被保険者と人口の割合に応じた負担分(市町村負担金)を納付しています。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,973,878,149円を含め4,047,707,089円、歳出合計は3,966,845,089円となり、差引残額80,862,000円を翌年度へ繰り越しました。
公共用地先行取得事業特別会計
本会計は、公共施設等の整備を円滑に進める上で、整備事業に先立って用地を取得する必要があり、施設整備に係る事業債を起こすまでのつなぎ資金として地方債を起こす際に、その経理を明確化するために設けられる特別会計です。
本年度は、小田原駅東口お城通り地区再開発事業用地及び旧小田原保健福祉事務所の用地取得にからむ元金償還金及び長期借入金利子を支出しており、歳入合計は一般会計からの繰入金26,404,956円、歳出合計は26,404,956円となりました。
広域消防事業特別会計
本会計は、足柄上地域1市5町から消防事務を受託した消防広域化に伴い、関係市町の財政負担の明確化を図るため、平成25年度に設置されたものです。
この消防事務の受託により、管轄する面積は494.21平方キロメートル、人口は30万人を超えることとなりました。
本年度は、必要な消防力を維持向上させるため、消防ポンプ自動車、高規格救急自動車、指揮車、資機材搬送車をそれぞれ1台購入したほか、救急救命士を3名養成しました。また、小田原消防署栢山出張所に女性職員用仮眠室を整備しました。
これらにより、1市5町からの負担金を含めた歳入合計は3,931,851,392円、歳出合計は歳入同額の3,931,851,392円となりました。
小田原地下街事業特別会計
本会計は、平成26年11月の小田原地下街の開業に伴い、小田原地下街事業収支の明確化を図るため、平成26年度に設置されたものです。
当施設は、中心市街地の活性化はもとより、地域経済振興の戦略拠点として地域資源の活用や回遊性の向上など、新しい価値を備えた公共空間を創出するための施設として開業しました。
地下街の公共・公益的機能については、市内観光や街なかイベントに繋げるためのイベント開催、ギャラリー展示を利用した地場産品や歴史文化の魅力発信、案内所による街なか観光や商店街の案内、誘客を図るための案内表示の設置などを通して地域活性化及び回遊促進に努めました。
また、商業機能については、テナント区画を25区画有し、季節の催事に合わせたイベントの開催や親子で体験できるワークショップ、折り込みチラシの発行等計画的な販売促進を行ったことにより、年間の純売上は1,618,161,487円、レジ客数は1,558,094人となりました。
本会計の主な収入は、店舗貸付収入182,807,408円、自動販売機等貸付収入5,965,382円等であり、支出のうち公共施設である地下歩道等管理分、地域経済振興分、公債費分については、一般会計が負担すべき経費として繰入れを行いました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金114,700,949円を含め332,665,379円、歳出合計は295,786,176円となり、差額残額36,879,203円を翌年度へ繰り越しました。
決算についてより詳しく知りたい方へ
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