6月6日から続いていた小田原市議会6月定例会が26日で閉会。上程した全ての議案は承認され、補正予算も成立。21人の市議会議員からの一般質問は多岐にわたる内容となり、市政に対する様々な課題の指摘や、前向きな提案などを受け止めました。
27日、小田原の中心市街地における不動産の活用などで大きな成果を上げておられる「(株)旧三福不動産」の代表取締役山居是文さんが、このたび「第3回地域価値を共創する不動産業アワード」大賞を受賞されたご報告に来られました。空き店舗や古い住宅をリノベーションし、魅力的な空間を創出、街に新たな価値と交流を生み出してきた圧倒的な実績が高く評価されたものです。すっかり寂れてしまっていたかつての花街・宮小路地区も、山居さんたちの尽力により、今では空き店舗が足らないくらい新たな出店が続いています。「路地裏マイクロデベロッパー」を自称される山居さんたちの感性とノウハウで、これからも小田原の街の価値を大いに育てて頂きたいと期待するものです。

傾斜地を多く持ち災害時の被害が懸念されている大窪地区と、板橋駅前に工場を構える(株)菜の花さんの間で「災害時に備えた多目的施設としての使用に関する協定」が締結され、小田原市も含めた3者にて協定書が取り交わされました。これは、令和3年8月30日に締結した「小田原市自治会総連合と小田原箱根商工会議所及び小田原市による防災に関する包括連携協定」に基づいた取り組みの一環で、今回で10番目の個別協定となります。工場に隣接する広い駐車場などを活用し、災害時の一時避難場所や、炊き出し活動の場などを想定。地域の皆さんにとっては大変心強い協定となります。
27日午後は、重要な政策分野に精通した各界の識者や実践者をお招きしての講演&公開対談企画である「持続可能な地域社会のデザイン」の第5回目として、京都大学名誉教授の広井良典さんをお招きしました。テーマは、「コミュニティとケアの未来」。「日本の社会保障」「コミュニティを問いなおす」「人口減少社会のデザイン」など多数の著作のある広井さんは、「持続可能な地域社会の創造」を目指して地域コミュニティの振興やケアタウンなど、地域社会の未来を見据えた取り組みを目指してきた私にとって、常に大変重要な視座を提供して下さっていました。今回のお話の中でも、人口減少を与件とし、それをむしろ社会の成熟化や人間観の深まりのチャンスと捉え、コミュニティやケアの枠組みそのものをより広く深く捉え直す(ケアは人と人との間だけに存在する概念ではなく、周囲の自然環境、歴史や文化など、総体的な地域の豊かさを取り戻すことが大切)とのお話で、改めて深い気づきや学びを頂いた貴重な時間となりました。
29日には、今回で78回目となる「小田原市美術展覧会」(市美展)の表彰式が行われました。今回も前期・後期それぞれしっかり作品を拝見し、力作揃いで素晴らしいと感じていましたが、受賞されたそれぞれの出品者と直接出会える表彰式は、私も毎回楽しみにしているものです。受賞作品を制作された思いや背景、技術的な工夫など、皆さんからの発表もたいへん興味深いものでした。ここ最近、出品数が減少傾向にあるとのこと、より多くの皆さんに作品を生み出して頂きたいと思います。