2016年4月の大震災以後10年を経て復興が進んだ熊本に、再びの大地震。10年前、県民のシンボルである熊本城の甚大な被害に対し小田原からも支援をさせて頂いたこと、職員を派遣して復興のお手伝いをさせて頂いたことなど、当時を思い出しました。亡くなられた方々、被災された方々に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。またしても熊本城の石垣などに大きな損壊が発生するなど、熊本の皆さんの状況や心中を察するに、とても辛いものがあります。
27日、午後から横浜へ。令和8年度圏央道・新東名等整備促進大会が開かれ、小田原市長として意見発表を行いました。持続可能な地域社会の基盤である一次産業の振興と発展を支える物流の観点、加えて災害時の迅速な復旧に向けた道路環境の整備などの観点から、県内で進められている自動車専用道の整備促進、とりわけ伊豆湘南道路の具体化に向けての取り組み強化を訴えました。
28日・29日の2日間にわたり、福岡県内で実践されている優れた取り組みを訪問しました。
まず28日、福岡県糸島市で20年以上にわたって取り組まれている、耕作放棄が進む田んぼを市民が担い手となって支える「井原山田縁プロジェクト」の現場へ。不整形で一区画が小さく、中山間地で農家の高齢化が進んでいることもあり耕作放棄が進みがちだった棚田の田んぼを、市民による会員制の組織によって耕作し、現在約170世帯の会員が3.5haの田んぼを守っています。完全無農薬無化学肥料、全て天日干しのお米は、自ら汗を流して年間作業に参加する会員の皆さんが購入するだけでなく、美味しいブランド米としても高い評価を得ています。
プロジェクトの立ち上げから中心的に取り組んできた、元県農業改良普及員の川口進さんと事務スタッフを担う南さんに詳しくお話を伺うと共に、美しく手入れがされ健康に育っている田んぼや農機具庫などをご案内頂きました。詳しい紹介は別の機会に譲りますが、小田原が目指す地域支援型農業の、ひとつの到達点の姿を具現化されており、大いに勇気と励ましを頂きました。
29日は熊本の状況を心配しつつ、訪問先へも配慮しながら福岡県大木町とみやま市へ。生ごみを分別回収し、し尿と混ぜ、液肥とバイオマスガスを得る優れた地域循環の取り組みを拝見しました。いずれの市町にても、住民が分別した生ごみを週に2度回収し、合併浄化槽から汲み上げた汚泥やし尿と混合して微生物分解、液肥として地域内の農地に散布し、農産物として循環しています。分解過程で発生するメタンガスは発電に活用するなど、見事に地域循環を成し遂げています。
徹底した分別と資源化に取り組む大木町ではごみの焼却施設を持たず、膨大な維持管理の負担を伴う下水道もありません。まさにゼロウェイストであり、国内でも最先端の姿と言えましょう。そうした施設をつくらなかったことで浮いた歳費を、町の図書館や文化施設の整備に活用。住民が参加して生ごみを分別したことが町の子どもたちや文化振興に繋がっています。またプラントの横には液肥で育った野菜や米を素材としたレストランや道の駅も設置されるなど、「循環」が素晴らしい取り組みとなって姿を見せています。お隣のみやま市でも大木町の先進事例にならって取り組みを開始、廃校となった小学校にプラントを設置して稼働しています。小田原市でも広域ごみ処理施設の整備という大きな事業が控えており、ごみの減量=事業費の削減に向け、両市町の取り組みには大いに学ぶべきものがあります。