災害に備えて(水道施設の耐震化の取り組み)
1.はじめに
本市の水道施設は、昭和11年に給水を開始して以来、給水区域の拡張、給水人口・給水量の増加、簡易水道の統合などにより拡張事業を継続的に実施してきましたが、施工当時の耐震基準により築造された施設や、布設後相当な年数が経過した管路が多く現存しています。
近年、切迫性の高い大規模地震が複数あげられており、これらの地震が発生した際の応急給水拠点となる浄水・配水施設や、お客様へ水道水を供給する管路の耐震化を早期に図ることがとても重要となります。
2.対象とする想定地震について
おだわら水道ビジョン(経営戦略)[令和4年度~令和13年度]で示すとおり、「小田原市地域防災計画」と「神奈川県地震被害想定」で発生確率が高い(30年間のうち、発生確率70%程度)と想定される南海トラフ巨大地震、東海地震、都心南部直下地震を対象とし、上水道施設の耐震化を進めています。

3.水道施設について



管路区分別延長(令和5年度末)
4.耐震化の状況
本市上水道施設が想定する地震の震度は、震度6弱としており、耐震化の状況は、次の通りとなります。
(1)浄水施設及び配水施設
- 浄水施設については、現在、「高田浄水場再整備事業」を実施中です。整備が完了する令和11年度には、本市浄水施設全体の耐震化率は13.0%から98.5%にまで向上します。
- 配水施設については、令和5年度に久野配水池の整備が完了し、耐震化率は58.9%から70.9%となっています。

久野配水池の耐震化工事の様子
(2)管路
- 厚生労働省の「管路の耐震化に関する検討報告書(平成26年6月)」を踏まえ、本市独自に管路の耐震性レベルを設定しています。
- この耐震性レベルは、管種や布設年度ではなく耐震性そのものに着目してレベル0(Lv.0)からレベル2(Lv.2)の3段階に管路を分類するもので、管路の耐震性を明確化し、管路耐震化の推進と事業進捗管理の強化を図るものです。
※管路の耐震性レベルとそれぞれの延長


管種別内訳総延長(令和5年度末)
管路の耐震化に関する指標
本市独自の新たな指標として、Lv.1耐震管とLv.2耐震管が管路全体に対して占める割合[耐震率]を設定し、想定する地震に対する管路耐震化の進捗を定量的にモニタリングしています。
- 耐震率(たいしんりつ)
震度6弱でも、一定の耐震性がある管路の割合
((Lv.1延長(km))+(Lv.2延長(km)) ÷ 管路の総延長(km)
(383km + 238km) ÷ 772km =80.5%
管路の耐震化方針
- 管路については、耐震性に乏しく地震時に破断する可能性が高いLv.0非耐震管を優先して、Lv.2耐震管に更新(耐震化)しています。
- 管路総延長約772kmのうち、震度6弱でも一定の耐震性のある管路は、令和5年度末時点で約621km(80.5%)となっています。
- 基幹管路については、約68kmのうち、約64km(94.6%)が、配水支管については、約704kmのうち約557km(79.1%)が令和5年度末で更新(耐震化)済みとなっています。
- 管路の更新(耐震化)について、基幹管路については、令和13年度に非耐震管の更新(耐震化)が完了する予定です。また、配水支管については、災害拠点病院や広域避難所といった重要給水施設に配水する管路や鉄道・河川・緊急輸送路下の管路を「重要配水支管」と位置づけ、優先して更新(耐震化)を進めています。
5.国県との比較
現在、本市で更新(耐震化)及び新設を行っている管路は、国の基準に沿った耐震管(震度6強以上でも一定の耐震性がある管路)で整備しています。

- 耐震管率(たいしんかんりつ)
震度6強以上でも、一定の耐震性がある管路の割合
(Lv.2延長(km)) ÷ 管路の総延長(km)
238km ÷ 772km =30.8% (令和5年度末)
6.耐震化のイメージ
この情報に関するお問い合わせ先
上下水道局:水道整備課(小田原市高田401) 計画係
電話番号:0465-41-1222