平成21年度決算
決算の概要
平成21年度決算では、一般会計と11の特別会計はすべて黒字決算となっており、一般会計及び11特別会計の決算は、歳入総額120,599,192,553円、歳出総額117,191,190,511円となり、歳入歳出差引額は3,408,002,042円となりました。
なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(80,412,690円)を除いた実質収支額は3,327,589,352円の黒字となりました。
一般会計
一般会計の決算は、歳入総額62,633,614,725円、歳出総額60,146,004,197円で、前年度より、歳入が8.1%、歳出が7.8%それぞれ増加し、歳入歳出差引額2,487,610,528円となりました。なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(継続費逓次繰越財源17,434,500円、明許繰越財源52,101,190円)を除いた実質収支額は2,418,074,838円の黒字となり、前年度の実質収支額を除いた単年度収支額は440,972,595円の黒字となりました。
歳入においては、市税収入額が、32,905,503,378円と前年度に比べ3.9%減少し、歳入総額に占める割合は52.5%(前年度59.1%)となりました。これは、個人市民税が個人所得の減少により1.4%の減少、法人市民税が企業業績の悪化により28.5%減少、市町村たばこ税においても売渡本数の減により9.3%減少したことなどによるものです。
歳出においては、義務的経費のうち人件費が、退職手当の増加などにより前年度比で1.2%の増加、また、扶助費が、生活保護費や障害者自立支援給付費などの増により7.0%の増加となった一方、公債費については、1.2%の減少となりました。この結果、義務的経費全体では、前年度比2.8%の増加となりましたが、国の定額給付金事業等により歳出規模が膨らんだことに伴い、構成比は、48.8%(前年度51.2%)と2.4ポイントの減少となりました。なお、投資的経費については、文化財保護事業である史跡小田原城跡整備事業の減少などにより、前年度に比べ8.4%の減少となり、構成比は7.9%(前年度9.3%)と1.4ポイント減少しました。
競輪事業特別会計
本年度の小田原競輪は、本市営の通常開催競輪11回(延55日)及び神奈川県競輪組合の1回(延3日)を開催しました。
車券発売総額は14,363,949,400円で、前年度と比較すると10.3%の減少となりました。この要因としては、記念競輪が天候に恵まれなかったことなどがあげられます。発売総額のうち、本市営の通常開催競輪11回の車券発売金は、前年度を7.6%下回る14,096,917,900円となりました。
競輪場使用料収入は、神奈川県競輪組合営1回と、京王閣GP、高松宮記念杯等のGIレース、共同通信社杯等のGIIレース、高知記念等のGIIIレースに加え、他場のFIレースの全レース発売を実施した臨時場外車券売場の使用料であり、前年度に比べ17.7%減の236,476,790円となりました。
一方、歳出については、競輪開催費として払戻金10,552,691,990円、JKA交付金440,482,986円、日本自転車競技会委託金211,258,111円、小田原競輪施行者連絡協議会分担金108,776,997円等を支出しました。
なお、本年度の歳入合計は15,196,143,560円で、歳出合計は、一般会計への繰出金300,000,000円を含め14,909,424,524円となり差引残額286,719,036円を翌年度へ繰り越しました。
小田原城天守閣事業特別会計
本年度の天守閣事業については、特別展として例年開催している「小田原城紋章展」及び「新年の書といけばな展」に加え、「小田原城の城門展」を開催し、観光客の誘致に努めるとともに、丸の内ピカデリー映画館において広報映画を上映するなど、誘客宣伝を図りました。
天守閣入場者数は、428,429人(無料14,129人を含む)で前年度より39,458人(10.1%)の増となり、歴史見聞館入場者数は、98,544人(無料4,941人を含む)で前年度より12,995人(15.2%)の増となりました。また、今後の小田原城の施設整備に備え、40,000,000円を小田原城施設整備基金へ積み立てました。
これらにより、本年度の歳入合計は、215,818,491円、歳出合計は158,265,405円となり、差引残額57,553,086円を翌年度へ繰り越しました。
下水道事業特別会計
公共下水道は、家庭や工場などから排出される汚水を処理し、公共用水域の水質保全を図るとともに、大雨による浸水を防除する役割を果たすなど、清潔で快適な生活環境を築くうえで欠かすことのできない重要な都市施設です。また、ライフラインの確保等の観点から、初期に整備した下水道施設の老朽化対策等の維持管理の必要性が増大しています。
本市では、酒匂川左岸処理区、酒匂川右岸処理区の2処理区において、汚水管渠の整備を進めるとともに、河川流域対策として雨水渠の整備に努め、水洗化の普及や河川の浄化、浸水解消事業等の推進を図っており、平成21年度についても引き続き下水道施設整備事業の推進に努めました。
汚水施設については、平成21年度に7.4kmの汚水管渠を布設し、24.4haの面整備を行った結果、平成21年度末の整備済延長は546.4km、整備面積は2,407.9haとなりました。また、処理区域面積2,406.9haにおける処理区域内人口は159,000人となり、平成21年度末の行政人口197,081人に対する人口普及率は80.7%、市街化区域2,797haに対する面積普及率は86.1%に達しました。(管渠の整備延長及び整備面積は、本市事業のほか、民間開発行為等によるものを含む数値です。)なお、寿町終末処理場の整備については、老朽化した処理施設の改修を実施しました。
一方、雨水施設については、都市化の進展に伴う環境変化による浸水や滞水箇所を整備し、その解消に努めた結果、平成21年度末の整備延長は208.4km、整備面積は851.9haとなりました。(整備延長及び整備面積は10年確率整備の数字です。)また、小田原駅周辺地域における強雨時の浸水対策として、永年の懸案であった大蓮寺第一雨水幹線の整備を進めています。
これらにより、本年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金2,770,000,000円を含め8,704,748,952円、歳出合計は8,568,703,297円となり、差引残額136,045,655円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険事業特別会計
本会計では、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い、医療費が年々増加するなかで、平成20年4月にスタートした後期高齢者医療制度を始めとした医療制度の改正により、前期高齢者の一部負担割合引き上げの凍結、65歳以上の退職医療制度の段階的廃止、医療費抑制が期待されている特定健康診査など、厳しい財政運営の中で、被保険者の健康維持・増進に取り組んでいます。
歳入の1人当たり医療分保険料調定額は、前年度より1.6%増の65,672円、後期高齢者支援金分保険料調定額は前年度より0.9%増の26,416円、(介護保険に係る)1人当たりの介護分保険料調定額は、前年度比2.9%増の28,276円となりました。
保険料収納率は、平成19年度から徴収嘱託員を2人増員したほか、平成18年度から実施している委託による電話催告も継続的に行い、徴収体制の強化を図るとともに、職員による夜間及び休日臨戸徴収を行うなどの収納率向上対策に積極的に取り組みましたが、後期高齢者支援分、介護分を含めた現年度分収納率は、長引く経済情勢の低迷の影響を受け、前年度より1.63ポイント減の86.48%となりました。
歳出の保険給付費は、13,967,143,783円と前年度より2.3%の増となり、療養給付費の伸びによる財源不足から歳入歳出の均衡を図るため、小田原市国民健康保健事業運営基金の全保有額にあたる1億4千万円を取崩しました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,446,000,000円を含め20,248,393,434円、歳出合計は20,124,018,161円となり、差引残額124,375,273円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険診療施設事業特別会計
国民健康保険診療施設片浦診療所は、片浦地区における唯一の医療機関として、地域住民の早期診療等疾病対策に努め、健康管理の推進を図っています。
本年度の診療件数は、1,917件で前年度に比べ12件の減、また、年間延患者数は、2,832人で104人の減となっています。
診療収入については、前年度に比べ770,853円増の30,662,473円となりました。昨年度より年間延患者数、診療件数ともに減少していますが、診療収入については増加しており、高齢化が進み慢性疾患の患者が多い地域で、診療所がかかりつけ医として大きな役割を果たしていると考えられます。
本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金28,000,000円を含め67,757,148円、歳出合計は61,249,380円となり、差引残額6,507,768円を翌年度へ繰り越しました。
老人保健医療事業特別会計
平成20年4月に後期高齢者医療制度が創設されたため、老人保健制度の給付対象は平成20年3月診療分までとなり、本年度における支出は、平成20年3月以前の診療に係る医療費の遡及請求分の精算のみとなっています。
本年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金732,585円を含め91,510,607円、歳出合計は78,276,183円となり、差引額13,234,424円の歳入超過となりました。これは、過年度における医療費の過誤調整等により多額の返還金が生じたことが主な原因であり、翌年度へ繰り越しました。
介護保険事業特別会計
介護保険制度は平成12年度に施行されてから10年が経過しました。
サービスの利用者数は年々増加し、サービスの提供基盤の整備も進むなど、高齢期の生活を支える仕組みとして定着してきました。今後、高齢化がますます加速し、独居や認知症の高齢者も急増すると見込まれることから、介護予防の推進や制度の持続性の確保が大きな課題となっています。そこで、地域支援事業として高齢者筋力向上トレーニング事業をはじめとする様々な介護予防事業の実施や普及啓発活動、また地域包括支援センター事業の充実などを行い、要介護状態等になることを予防するとともに、可能な限り地域において高齢者が自立した日常生活を営むことができるよう支援しました。
平成21年度末の要介護(要支援)認定者数は6,366人で、介護(介護予防)給付に要した額は前年度より5.5%増の9,067,232,177円となりました。
平成21年度の地域支援事業の事業費は、介護予防事業費が59,379,055円、包括的支援事業費及び任意事業費が171,810,617円であり、その合計額231,189,672円は、介護給付に要した額の2.55%に相当します。
これらにより、平成21年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金1,415,759,339円を含め9,731,682,245円、歳出合計は9,726,898,821円となり、差引残額4,783,424円を翌年度に繰り越しました。
宿泊等施設事業特別会計
本会計は、特殊法人雇用・能力開発機構及び特殊法人労働福祉事業団の所有であった勤労者リフレッシュセンタースパウザ小田原を取得・管理していく上で、歳入歳出予算の計上と執行を明確化するため、平成15年9月定例会において設置されたものです。取得に係る経費については、ふるさと文化基金、社会福祉基金及びふるさとみどり基金からの繰替運用で対応いたしました。
小田原ヒルトン株式会社及びヒルトン・インターナショナル社とは、賃貸借契約を平成15年12月25日に締結し、平成16年2月1日からヒルトン小田原リゾート&スパとして運営が開始されました。
本年度は土地建物貸付により476,672,280円の収入を得る一方、施設所有者として建物火災保険料や施設管理工事請負費等を支出しました。また、繰替運用金の元金及び利子を償還するとともに、今後の大規模修繕等に備え宿泊等施設整備基金に積み立てを行いました。
これらにより、本年度の歳入合計は511,812,850円、歳出合計は一般会計への繰出金210,000,000円を含め488,566,749円となり、差引残額23,246,101円を翌年度へ繰り越しました。
後期高齢者医療事業特別会計
後期高齢者医療制度は、国民皆保険を維持しつつ、将来にわたって医療保険制度を持続可能なものとしていくための抜本的な医療制度の見直しの一つとして、平成20年4月に施行されました。
平成21年度末の被保険者数は、前年度当初より830人増えて20,861人となり、神奈川県全体では746,227人となっています。
市町村では、後期高齢者医療制度の医療費の給付について、療養費実績の12分の1を市町村定率負担金として納付しているほか、後期高齢者医療広域連合納付金として、保険料の賦課額に予定収納率を掛けた保険料額(保険料納付金)、法律の定めにより所得の低い方に対する保険料減額分の補填分(保険基盤安定制度拠出金)、神奈川県後期高齢者医療広域連合の事務に係る費用を県内各市町村が均一に負担する均等割と、被保険者と人口の割合に応じた負担分(市町村負担金)を納付しています。保険料納付金は、現年度分の納付保険料から支出しており、保険基盤安定制度拠出金は、県負担金として4分の3が一般会計に歳入され、4分の1を市が負担し、市町村定率負担金、市町村負担金と併せた全額を一般会計から繰入れるものとなっています。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,404,936,431円を含め2,997,759,451円、歳出合計は2,730,917,121円となり、差引残額266,842,330円を翌年度へ繰り越しました。
公共用地先行取得事業特別会計
本会計は、公共施設等の整備を円滑に進めるうえで、整備事業に先立って用地を取得する必要があり、施設整備に係る事業債を起こすまでのつなぎ資金として地方債を起こす際に、その経理を明確化するために設けられる特別会計です。
本年度は、市民の文化創造活動拠点として整備する市民ホールの建設用地を本会計において取得しており、本年度歳入合計は、一般会計からの繰入金162,628円を含め50,062,628円、歳出合計は、49,962,628円となり、差引残高100,000円を翌年度へ繰り越しました。
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