平成30年度決算
決算の概要
平成30年度決算では、一般会計と10の特別会計はすべて黒字決算となっており、一般会計及び10特別会計の決算は、歳入総額130,856,007,794円、歳出総額126,538,765,557円となり、歳入歳出差引額は4,317,242,237円となりました。また、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(471,682,811円)を除いた実質収支額は3,845,559,426円の黒字となりました。
一般会計
一般会計の決算は、歳入総額73,606,017,173 円、歳出総額70,199,470,009 円で、それぞれ前年度から歳入が5.3%、歳出が6.5%増加し、歳入歳出差引額3,406,547,164円となりました。なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(継続費逓次繰越財源265,200,632円、明許繰越財源206,482,179円)を除いた実質収支額は2,934,864,353円の黒字となり、前年度の実質収支額を除いた単年度収支額は887,962,193円の赤字 となりました。
歳入においては、市税収入額が、32,828,825,928 円と前年度から約4億4千万円減少し、歳入総額に占める割合は44.6%(前年度47.6%)となりました。市民税は、個人市民税が課税対象者や給与所得の増加等により増 収となった一方、法人市民税は、一部企業の撤退や再編等の影響から減収となり、全体で前年度から約9千5百万円の減収、固定資産税は、3 年に一度の評価替え等に伴い前年度から約2億9千6百万円の減収、 軽自動車税は、買い換え等により新旧税率の増減が生じた結果、前年度から約1千3百万円の増収、市たばこ税は、売渡本数の減少や税率の低い加熱式たばこへの移行の影響により、前年度から約2千4百万円の減収となりました。また、地方交付税については、普通交付税の減少により、前年度から約1.6億円の減少となり、国庫支出金については、焼却施設の基幹的設備改良事業の推進等により、前年度から約9.3億円の増加となりました。
競輪事業収入は5千万円で、前年度から3千万円の減少となりました。また、市債については、公共事業等債の 増により、前年度から約26.6億円の増加となりました。
歳出においては、義務的経費が前年度比で約32億 円 の増加となりました。これは、市債残高の縮減と将来負担の軽減を図ったことにより公債費が約15億円の減少した一方、退職者数の増等により人件費が約7千万円、子どものための教育・保育給付費や生活保護費等の増により、扶助費が約4億円増加したことによるものです。なお、歳出に占める義務的経費の構成比は、46.1%(前年度48.6%)と2.5ポイントの減少となりました。
また、投資的経費については、斎場整備事業や焼却施設の基幹的設備改良事業の実施等により、前年度比で約 40.2億円の増加となり、構成比は15.8%(前年度10.7%)と51ポイントの増加となりました。
競輪事業特別会計
本年度の小田原競輪は、小田原市営12回(延46日)を開催しました。入場者数は前年度と比較して約6.22%減の76,677人と引き続き減少傾向にあったものの、電話投票やインターネット投票での売上が伸びたことや天候不良による開催中止がなかったこと等により車券発売総額は11,094,631,900円となり、前年度と比較すると約2.30%の増となりました。また、平成29年度の競輪開催に係る収支が赤字となったことに伴い、平成29年度に納付したJKA交付金の一部58,640,992円が還付されました。
競輪場使用料収入は、他場の特別競輪・記念競輪等の臨時場外車券発売を実施した際の競輪場使用料で、各場外開催における車券発売金額の減少により、前年度比約27.65%減の23,218,056円となりました。
一方、歳出については、競輪開催費として払戻金8,295,180,680円、JKA交付金203,529,609円、JKA委託金185,121,108円、全国競輪施行者協議会分担金104,487,778円等を支出しました。
これらにより、本年度の歳入合計は11,548,563,404円、歳出合計は一般会計への繰出金50,000,000円を含め11,374,373,291円となり、差引残額174,190,113円を翌年度へ繰り越しました。
小田原城天守閣事業特別会計
天守閣入場者数は、603,318人(無料45,481人を含む)、歴史見聞館は36,073人(無料1,853人を含む)、平成28年度にオープンした常盤木門SAMURAI館は、139,907人(無料7,831人を含む)の来館がありました。
これらにより、本年度の歳入合計は、昨年度からの繰越金74,106,318円に、指定管理者からの指定管理者納付金150,375,432円などを含め374,533,021円、歳出合計は335,655,820円となり、差引残額38,877,201円を翌年度へ繰り越しました。
国民健康保険事業特別会計
国民健康保険制度では、平成30年度から都道府県が市町村と共同で国民健康保険の運営を担うことになりました。平成30年度においては一般被保険者に係る医療費については減となったものの、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い、中・長期的に見ると1人当たりの医療費は依然として増加する傾向にあり、財政運営において大変厳しい状況が続くものと考えられます。
このような中、被保険者の生活習慣病の予防を目的としたデータヘルス計画に基づき、特定健康診査や特定保健指導事業等を推進しております。こうした取組を通じて被保険者の一人ひとりの健康に対する意識を醸成し、健康維持・増進と将来的な医療費の抑制を図っています。
平成30年度における歳入1人当たり医療分保険料調定額は、前年度より2.6%増の67,698円、後期高齢者支援金分保険料調定額は、前年度より1.8%増の26,293円、(介護保険に係る)1人当たりの介護納付分保険料調定額は、前年度より1.0%減の30,257円となりました。
保険料収納率は、未納者に対して市税等納付促進センターによる電話催告や徴収嘱託員による訪問催告を行い、それでも納付されない方に対しては差押え等の滞納処分を強化して収納率向上対策に積極的に取り組んだ結果、現年度分収納率は、前年度より0.89ポイント増の94.50%となりました。
歳出の保険給付費につきましては、被保険者数の減少等の影響もあり14,111,141,698円と前年度より0.7%減少しております。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,600,000,000円を含め20,953,723,292円、歳出合計は20,713,269,515円となり、差引残額240,453,777円を翌年度へ繰り越しました。なお、療養の給付費用額等は、次のとおりです。
国民健康保険診療施設事業特別会計
国民健康保険診療施設片浦診療所は、片浦地域における唯一の医療機関として、地域住民の健康管理や早期治療等疾病対策に努めております。診療日は、原則として月曜日、水曜日及び金曜日の午前9時から午後3時30分までで、木曜日は看護師による健康相談等を実施しております。本年度の診療件数は、1,500件で前年度より95件増、また、年間延患者数は、1,745人で前年度より114人増となっています。前年度に比べ年間診療件数、延患者数ともに増加しており、半径4キロメートル以内に他の医療機関がなく、高齢化が進み慢性疾患の患者が多い片浦地域において、診療所がかかりつけ医として大きな役割を果たしています。
診療収入につきましては、前年度より640,948円減の15,800,634円となりました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金5,000,000円を含め27,920,912円、歳出合計は23,730,500円となり、差引残額4,190,412円を翌年度へ繰り越しました。
公設地方卸売市場事業特別会計
[青果市場]青果市場は、昭和47年11月の開場以来、市民を始め近隣地域の住民への新鮮な野菜、果実及びそれらの加工品等の安定供給に努めております。
本年度の取扱量は、前年度より7.3%減の18,301t、取扱金額は、前年度より9.6%減の5,106,838,327円となりました。
[水産市場]水産市場は、昭和43年3月の開場以来、県西地域における拠点市場として、市民を始め近隣地域の住民や箱根・熱海方面の観光客に対し水産物及びその加工品等の安定供給に努めています。
本年度の取扱量は、前年度より7.2%減の11,618t、取扱金額は、前年度より5.3%減の9,046,229,517円となりました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金27,000,000円を含め144,905,702円、歳出合計は130,577,510円となり、差引残額14,328,192円を翌年度に繰り越しました。
介護保険事業特別会計
介護保険制度は、平成12年度に施行されて以来サービスの利用者数は年々増加し、サービスの提供基盤の整備も進むなど、高齢期の生活を支える仕組みとして定着してきました。今後、高齢化がますます加速し、独居や認知症の高齢者も急増すると見込まれることから、介護予防の推進や重度化の防止に取り組む必要があります。そこで、地域支援事業として、要支援認定者を対象に自立支援ケア会議を開催することにより、要介護状態等になることを予防し、可能な限り地域において高齢者が自立した日常生活を営むことができるよう支援しました。
保険給付の財源は、被保険者からの保険料と国・県・市が負担する公費からなっており、その内訳は、第1号被保険者保険料が23%、第2号被保険者保険料が27%、国費が負担金20%(施設分は15%)・補助金5%、県費が12.5%(施設分は17.5%)、市費が12.5%となっています。第1号被保険者保険料は、保険者である市が策定した介護保険事業計画に基づいて算定し、個人の所得に応じて段階区分されます。介護保険事業計画は3年ごとに見直し、平成30年度から令和2年度までの第7期事業計画期間中の保険料基準額は、月額5,060円となっています。また、公費を投入し、低所得者の保険料の軽減を行いました。
平成30年度末の要介護(要支援)認定者数は、9,459人で、保険給付に要した額は、前年度より2.7%増の13,753,104,803円となりました。
地域支援事業のうち、介護予防・日常生活支援総合事業の財源は、第1号被保険者保険料が23%、第2号被保険者保険料が27%、国費が25%、県費が12.5%、市費が12.5%、包括的支援事業及び任意事業は、第1号被保険者保険料が23%、国費が38.5%、県費が19.25%、市費が19.25%となっています。前年度より3.6%増の688,821,865円となりました。
これらにより、平成30年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金2,182,254,460円を含め15,365,701,877円、歳出合計は15,007,309,547円となり、差引残額358,392,330円を翌年度に繰り越しました。
後期高齢者医療事業特別会計
平成20年4月に施行された後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者及び65歳以上75歳未満で一定の障がいのある者を被保険者とし、神奈川県内すべての市町村が加入する「神奈川県後期高齢者医療広域連合」が主体となり、市町村と連携しながら制度を運営しています。医療給付費の財源は、被保険者からの保険料が1割、他の医療保険からの支援金が4割、国・県・市町村の負担が5割となっています。また、保険料は、被保険者毎に算定し、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と被保険者の前年所得に応じて負担する「所得割額」を合計した額になります。この保険料率は、制度の安定した財政運営を図るため、2年単位で費用と収入を見込んで算定し、2年毎に見直す仕組みとなっており、平成30・31年度の均等割額は41,600円、所得割率は8.25%で、神奈川県内においては、均一の保険料率となります。なお、平成30年度末の被保険者数は、前年度末より1,095人増えて27,942人となり、神奈川県全体では1,117,936人となっています。
市町村では、後期高齢者医療制度の保険給付について、給付実績の12分の1を市町村定率負担金として納付しているほか、後期高齢者医療広域連合納付金として、保険料の賦課額に予定収納率を掛けた保険料額(保険料納付金)、法律の定めにより所得の低い方に対する保険料減額分の補填分(保険基盤安定制度拠出金)、神奈川県後期高齢者医療広域連合の事務に係る費用を県内各市町村が均一に負担する均等割と、被保険者と人口の割合に応じた負担分(市町村負担金)を納付しています。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金2,093,849,355円を含め4,270,403,325円、歳出合計は4,213,566,195円となり、差引残額56,837,130円を翌年度へ繰り越しました。
公共用地先行取得事業特別会計
本会計は、公共施設等の整備を円滑に進める上で、整備事業に先立って用地を取得する必要があり、施設整備に係る事業債を起こすまでのつなぎ資金として地方債を起こす際に、その経理を明確化するために設けられる特別会計です。
本年度は、旧小田原保健福祉事務所の用地取得に係る長期借入金利子を支出しており、歳入合計は一般会計からの繰入金771,819円、歳出合計は771,819円となりました。
広域消防事業特別会計
本会計は、足柄上地域1市5町から消防事務を受託した消防広域化に伴い、関係市町の財政負担の明確化を図るため、平成25年度に設置されたものです。
この消防事務の受託により、管轄する面積は494.21平方キロメートル、人口は約30万人となりました。
本年度は、必要な消防力を維持向上させるため、救急救命士を3名養成したほか、消防ポンプ自動車を1台、水難救助車を1台、高規格救急自動車を1台等購入しました。また、小田原消防署成田出張所及び足柄消防署岡本出張所の建設に伴う実施設計等を行いました。
これらにより、平成30年度においては、1市5町からの負担金を含めた歳入合計は4,155,105,559円、歳出合計は歳入同額の4,155,105,559円となりました。
小田原地下街事業特別会計
当施設は、平成26年11月に地域経済の振興と中心市街地の活性化を推進する拠点として、商業機能に加え、公共・公益的機能を有する新しい価値を備えた施設として開業しました。
公共・公益的機能面については、地場産品や歴史・文化・なりわいといった地域の資源や魅力を体感、発信する館内イベントやギャラリー展示、街かど案内所による観光やまち歩き、商店街の案内などを通して、地域の魅力発信及び回遊促進に努めました。
また、商業機能面については、25のテナント区画を有し、周年感謝事業やサービスイベントの開催、SNSの活用や折込チラシの発行、タウン誌への広告掲載など計画的な販売促進活動を行ったことにより、年間の純売上は1,736,942,440円、レジ客数は1,581,509人となりました。
本会計の主な収入は、店舗貸付収入184,623,332円、自動販売機等貸付収入6,885,588円等であり、支出のうち公共部分である地下歩道等管理分、地域経済振興分、公債費分については、一般会計負担分として繰入れを行いました。
これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金185,956,940円を含め408,361,710円、歳出合計は384,935,792円となり、差額残額23,425,918円を翌年度へ繰り越しました。
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