第6次小田原市総合計画 女性【令和3年8月24日開催】

開催概要
日時 令和3年8月24日(火)
場所 おだわらイノベーションラボ、
またはZoomによる参加
参加者 守屋市長
小田原Lエール認定企業または申請予定企業で働く女性9人(うち3人はZoomによる参加)

今回ご参加いただいた企業
・株式会社ミクニ 小田原事業所
・株式会社アイズ
・株式会社まるだい運輸倉庫
・さがみ信用金庫
・日本新薬株式会社 小田原総合製剤工場
・株式会社デコリア
・株式会社アシスト・ワン
・株式会社古川
・スルガ銀行
テーマ 2030ロードマップ
第6次小田原市総合計画
守屋市長
 
本日は、総合計画の策定のための懇談会として、3回目の開催になります。1回目は「移住者」、2回目は「若者」の皆さんと実施しました。今回は小田原Lエール認定企業または申請予定企業の中から推薦いただいた女性の方々にお集りいただきました。
 「女性が活躍できる社会に」と言われて久しいですが、女性だけが活躍できる社会は、それはそれで偏っていると思っています。性別や年齢、国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが活躍できる社会を目指していかないといけません。その中でなぜ「女性」かというと、やはりこれまで女性の力が発揮できていなかったということの裏返しだと思っています。社会として女性が仕事やプライベートに限らず、暮らしやすい、活躍しやすい社会にするために取り組んだ方がいいと思うことを話してもらいたいです。

「女性が暮らしやすい、活躍しやすい小田原にするために」
参加者の皆さんから出たご意見 

「女性だからやめておいた方がいい」という雰囲気が、社会全体からなくなれば

 私自身、女性であることで、仕事や暮らしの中で不便と感じたことはありません。それは、今まで先輩の女性の方々が頑張っていただいたおかげだと思っています。仕事の観点でいうと、会社の中に、ワンオペ育児をするお父さんお母さんや、小さいお子さんのいるお父さんお母さんが多くなっているように感じています。女性の活躍で考えると、「出産」など女性にしか担えない子育ての部分がどうしてもあり、良いか悪いかではなく、それゆえに社会の仕組みができてきた歴史があるように感じています。
参加者
 今は子どもに積極的に関わりたいと思うお父さんお母さんが増え、あまりどちらかに偏った考えの人は見受けられません。そのため、小さい子どもがいるお父さんお母さんが入ってきたときに、女性だからこれはやめておいた方がいいという雰囲気はないですね。その感覚が社会全体にあればいいなと思っています。そうすれば女性活躍という言葉自体なくなります。さらに、子育てだけでなく、「介護」の問題もあります。こちらは特に男性や女性といった性別に関係ないので、こういう感覚を養える機会があれば。会社でいえば、意思決定をするような上層部の意識改革の機会が増えればと思っています。
守屋市長
 県庁で働いていた時、女性のリーダーがいました。その時の時代ということもありますが、周りの男性の評価は、女性なのに残業している、女性なのに土日も働いている、といったようなものでした。男性も、朝早くから夜遅くまで、子どもの顔も見られないような働き方をしていましたね。
 現在は、時差出勤や残業時間に対する考え方など、女性に限らず働き方が変わってきたように思っています。こうしたものは先輩方が築いてきたものだと思いますね。

きっかけを与えてあげることが重要

参加者
 勤務地が工場ということもあり、女性活躍という観点はあまりなかったかなと思います。女性は自発的に何かをする機会が少なく、そういったことがやりづらい雰囲気もありましたし、そのような人材育成も、そもそもしていませんでした。そこを見直すため、女性活躍推進の企画が立ち上がりました。意識を変えるために、研修を実施し、「女性の特性として、自分に自信がないと動き出せないといったことがあるということ」などを知識として持つことができました。
 意識は誰かに強制されて変えていくものではありませんが、きっかけがないと何も変わらないこともあります。いろいろなことに参加したいと思う人はいますが、何からしたらよいかわからないので、やはりきっかけがあるということが重要かなと思っています。
 今では、工場の中でも女性の管理職も増えてきました。全社的にその方向に進んでいるので今がチャンス。男女を分ける必要はありませんが、機会を与えることが重要だと思っています。
守屋市長
 市役所内でも、管理職になりたいと思わないという女性の声があります。外部の人に話を聞くと、これは特別なことではないとのことです。現在、市役所の中で一緒に方法を考えてもらう副業人材を募集しました。外部の人のやり方を学び、我々も意識改革をしていきたいと思っています。

女性に限らず、活躍したい人が活躍できる環境をつくること

 約6年前から、女性活躍の取り組みを実施しています。ここで行き着いたところとしては、女性だけではなく、活躍したい人が活躍したい環境をつくることです。女性だから活躍したくないわけではありません。活躍できるのであれば活躍しているはずですし、もちろん活躍している女性もいます。体格などカバーできない性の差はありますが、能力の差はないので、その辺りをうまく認め合いながら、働きたい、頑張りたいと思える職場環境の整備に取り組むことが必要だと思います。
参加者
 あわせて、学童や保育園がもっと長く預かってもらえればとも思っています。企業としては、法令をカバーするように育児休業の期間を長くしていますが、そうした企業ほど希望するタイミングで保育園に入れないという傾向を、強く感じています。その結果、会社から離れるブランクがどんどん続き、同期との差など職場復帰への不安につながります。企業だけではカバーできない部分もあるので、働きたい、頑張りたい、活躍したいという人は働けるようなバックアップをしてもらいと思います。
 
守屋市長
 復職できるタイミングと、希望するタイミングが合わせられないという話はよく聞きます。画一的なサービスではなく、それぞれの環境に置かれている人がいるという前提で考えていきたいです。

楽しみながら管理職を目指してもらいたい

 いま、弊社は女性活躍推進に力を入れていて、管理職を「活躍できる女性」に引き継ぎたいと思っています。そうした時に、本人たちの心構えができていないケースがあると感じています。子育てとの両立や、独身でないと男性と同じように働けないという不安や考えがまだあるのではないでしょうか。管理者だから大変というわけではなく、管理者以外でも大変な時もありますし、その分いいこともあるはずです。管理者であっても、仕事とプライベートを両立し、達成感も感じられるということを見せることで、楽しみながら管理職を目指せるようになってもらいたいと思っています。
全体写真
守屋市長
 
先人を参考にして、その後に引き継がれるということはあると思います。そのためにも、今の積み重ねが重要ですね。

ツールを活用し、仕事の共有化を進めていく

画面
 弊社は女性社員の比率は低くありませんが、若い人が多く、子育て世帯の人がいません。そのため、これから取り組んでいかなければいけないことは多いと感じています。そのために進めていかなければいけないのは、仕事の共有化です。テレワークで個々に仕事を進めていくと、共有がしづらく、仕事の属人化が進み、個人の拘束時間も長くなってしまいます。その辺りを円滑にするツールを利用し、共有していければいいと感じています。
守屋市長
 デジタル化も進んでいる中、ツールを使いこなすのは必要です。チームで対応できる環境ができ、それが働きやすい環境になればいいですね。

夫婦で家事や育児、介護を分担する

 弊社では、女性が企画開発で活躍し、結婚しても、ワークとライフ(育児と家事など)のバランスをとりながら長く勤めていってもらいたいと思っています。
 私自身、子育てをしながら仕事をしてきて感じた壁は、個人的な理由にはなりますが、夫の育児への関わりの部分で、私の時間の制約が多かったことです。女性社員には、夫婦で家事や育児、介護などを手伝ってもらいながら、仕事とのバランスを考えて長く働いてもらいたいです。男性社員にも育休取得なども含めて、そうした意識付けをしていきます。
壁紙
守屋市長
 私も女性活躍の推進を掲げていますが、自分自身や家庭を振り返ると少し反省はあります。それを踏まえて、女性活躍の社会を築いていきたいと思っています。

上層部の意識改革、男性の育児参加の仕組みづくり

参加者
 弊社は女性の管理者がいません。「管理職に女性を」という意見はありますが、私自身は管理職になりたくないと思っていて、目指していない人も多いです。これは日本の風潮なのか、女性の管理職を増やししていくのは時間がかかると個人的には思っています。
 女性だから働きづらいというのはありませんが、上層部や周りの会社の社長も男性なので、男性に合わせなければいけないというのはあります。企画を考えるのも男性目線、男性がいいと思わないと企画が通らないことも。そのため、上層部の意識改革は必要だと感じています。子どもの迎えも女性が行くことが多く、あまり男性社員が迎えにいく姿は見ないので、男性が積極的に育児に参加できるような仕組みを、市や行政が作ってもらえれば、女性の活躍につながっていくと思っています。
守屋市長
 意思決定層が変わることで、多様な社会を目指せるかもしれませんね。管理職になりたい人がいないのは、もしかしたら、憧れる管理職がいないからかもしれません。

女性が活躍できる仕組み(システム)づくりが大切

参加者
 女性活躍推進プロジェクトを始めて、今年で6年目です。育児休暇をとる男性や、子どもを迎えに行く男性も増えてきました。私自身、海外の工場と仕事をしたときは、コアタイムが朝や夜の場合があり、学童だけでは調整が難しく、ファミサポなどさまざまな手も使ってきました。 
 職場の中での雰囲気や、一度子育てで離れた人材が戻れるカムバック制度、管理職を目指す総合職とスペシャリストを目指す専門職があり、ライフスタイルに合わせて選択可能です。職群の変更も可能であり、総合職から一度離れた女性も戻れるシステムとなっています。実際には一度離れた女性は不安がり、総合職に戻って来ないので、そこをどうすればいいかが次の課題です。
 また、弊部署が開発本部ということもあり、女性が8パーセント程度しかいません。そこで現在、大学と協力し、大学や企業でのリケジョのお仕事を大学生や高専生、高校生に紹介をしている。技術系の弊部署にも、女性が増えるよう、「リケジョ」が増えるような取り組みをしています。先の長い話になるが、少しずつ変えていきたいと思っています。
守屋市長
 市の立場でも、小中学校の時に、たくさんの経験をさせていきたいと思っています。

今後の課題は介護の部分。社会制度と企業制度が融合できるように、官民一体となって制度をつくっていくことが必要

参加者
 約20年前の比較的早い段階から女性活躍推進に取り組み、今では、仕事をしながら育児をするのは当たり前という社内風土はできています。今後の課題は、子育てだけではなく介護の部分。女性だけではなく、男性社員も含めて考えていかなければいけません。介護の分野は制度的に遅れているなと感じることがあります。育児も介護も、社会制度があって、そして企業制度があって、その融合によって様々な価値観がある社員がどのように選択しながらワークライフバランスを保っていくかというのが非常に重要です。社会制度と企業制度が融合できるように、官民一体となって制度を作っていくことが重要と思っています。
一番難しいと思うのは周囲の理解を得ることです。自分がどういう風に働いていくのかを周りの人に示す必要があります。仕事をすることで対価を得ているので、やはり、理解を得るために仕事を頑張らないといけないので、そのバランスも難しいですね。
守屋市長 
 介護離職は社会の大きな課題です。
 小田原Lエールもその一つであるように、もっともっときっかけが必要ですね。市でもプロポーザルの提案を受け、審査をするときに、提案内容のクオリティに加え、会社の体制もなるべく選定過程に反映するようにしています。女性の働きやすい環境、障がい者への配慮、地球環境についてどんな取り組みをしているかなど。価格などとのバランスもありますが、企業の皆様が考えるきっかけになればと思っています。
守屋市長
 今日はあっという間に時間が過ぎてしまいました。本来であればもっと別の話もしたかったのですが、時間の都合上、今日はここまでとして、次の機会とさせていただきたいです。
 総合計画の直接の話はできませんでしたが、皆さんの意見を総合計画に反映していきたいと思っています。今日はありがとうございました。
全体

第6次小田原市総合計画へ

今日の懇談会の内容は、令和4年度からスタートする「第6次小田原市総合計画」に活かしていきます。

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広報広聴室 広聴係

電話番号:0465-33-1263

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