白秋童謡館

白秋童謡館外観

【国登録有形文化財(平成12年9月26日登録)】

白秋童謡館の建物は、ちょうど白秋が小田原に在住していた大正13年、宮内大臣・田中光顕が北側のスペイン風洋館に先駆けて建てた別邸です。楼閣風の軽快な意匠が印象的な和風建築であり、二階屋根の南側(玄関側)と北側(建物裏側)とに設けられた千鳥破風(ちどりはふ)や銅板葺の大きな錣庇(しころびさし)が特徴的です。

玄関
主人や来客を迎える銅瓦棒葺入母屋(いりもや)屋根の玄関。
一階主座敷の床の間
一階主座敷の床の間。右に床脇、左に付書院を備える本格的な造り。
地下室への入口
和館には珍しい地下室への入口。鋼鉄製の扉を隔てた地下室内には、かつてワインなどが貯蔵されていた。
一階・二階とも主座敷と次の間を中心とする間取りとなっています。いずれも客人らをもてなすための空間で、南側と西側には畳敷の入側縁が設えられています。硝子障子の建具など、細部の意匠も優れています。
西側畳廊下
一階の主座敷と次の間に添えられた畳敷の入側縁(西側)。左手は付書院。
南側畳廊下
同(南側)。この奥に玄関がある。

白秋と童謡

白秋が童謡の創作をはじめたのは、大正7年、鈴木三重吉の児童雑誌「赤い鳥」に童謡の担当者として参加したときのことでした。
小田原天神山の伝肇寺に「木兎の家」を建てた直前のことです。

大正11年に長男隆太郎が生まれると、
白秋の童謡に対する思いは一層ふくらんでいったようです。
白秋はこう言っています。

「私はひとりで楽しんで歌ひ、赤ん坊のお母さんにも歌わせ、揺籠をゆすり、乳母車を押し、寝床でまで歌ってきかせました。」

愛する子どもに歌ってきかせるための作品づくりが、白秋の童謡創作のモチベーションでもありました。

白秋は「赤い鳥」だけでなく大隈重信主宰の「大観」や作曲家の山田耕筰と共に創刊した「詩と音楽」など、他の雑誌にも作品を発表しています。

また、「赤い鳥」で毎号1編から2編の創作童謡を発表するだけでなく、新作童謡を募集して優れた童謡作家を世に送り出し、また各地のわらべ唄を蒐集、整理するなど、日本の童謡文化確立に精力的に取り組み、大きな足跡を残しました。

小田原時代の主な童謡

りすりす子栗鼠/雨/お祭り/赤い鳥小鳥/あわて床屋/ちんちん千鳥/離れ小島の/揺籠のうた/鐘が鳴ります/

げんげ草/お月見/砂山/かやの木山の/からたちの花/ペチカ/待ちぼうけ/かえろかえろ/この道/もとゐたお家/あめふり

観覧料

※小田原文学館と共通


大人 250円(20名以上の団体の場合は180円

小・中学生 100円(20名以上の団体の場合は70円)
 

住所 神奈川県小田原市南町2-3-4
TEL 0465-22-9881
休み 月曜日(休日にあたるときは翌平日)、年末年始(12月28日〜1月3日)、臨時休館あり
開館時間 3月〜10月 午前10時00分〜午後5時00分(入館は午後4時30分まで)、11月〜2月 午前10時00分〜午後4時30分(入館は午後4時00分まで) ※特別展開催時等変更あり

アクセスマップ

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この情報に関するお問い合わせ先

小田原文学館

電話番号:0465-22-9881

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