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2014年11月06日(木)

11月8日、9日「削ろう会」開催

小田原市で、「削ろう会」が開催されることになった。鉋(かんな)で木を削って、その薄さを競うという。弥生時代から日本に存在していたというカンナ。その技を競う競技会が「削ろう会」だ。日本の職人技術の高さが世界で評価されているという話はよく聞くが、この競技会はYoutubeで紹介された動画のひとつは再生回数 37 万回を超え、関心を集めている。

■平成 9 年から開催、今年で 30 回 ■
「削ろう会」HPには、「極限まで薄い鉋屑を出すことを中心に、手道具や伝統技術の可能性を追求する会」と紹介されている。本職の大工さんだけかとおもいきや、年齢・国籍問わずアマチュアの参加も可能。学生部門、今年からは女性部門もある。試行的に設けた女性部門には今年 30 名を超えるエントリーがあったという。

■薄さ「ミクロン」は 1000 分の 1 ミリの世界、削り華■
先日、山関連の仕事をする知り合いに、実際に削り華を見せてもらった。独特の光沢があって、非常に薄い絹のリボンのように見える。鉋で削った削りくずを「削り華」と命名したのは永六輔、と「削ろう会」のHPは解説する。「くず」ではある。けれども、その薄さは 1000 分の 1ミリのレベルに達するという。
削り華を見ながら、一緒に見た友達と「服に仕立てたらキレイだろうな」「脆いから服にはなりずらいんじゃない」「レディーガガなら着るかもね」などと冗談を言いあったりした。

■「削る」周辺の事情■
削るといえば、木材だ。木や森の価値は素人にだってわかりやすい。私のような市街地育ちは、森といえば木漏れ日が差し込み、四季の表情がうつろう山や森をイメージする。けれど、同じ森でも人の手が入っていなければ荒れ果ててしまうのだという。
ある日、地元の山関係者に車にのせてもらった。「ここは手入れがうまくいっていない場所だよ」と示された森は、確かに昼間なのに暗くて恐ろしい雰囲気があふれている。なぜ森が荒れてしまうのだろう?と聞くと、「森を維持するには人を雇わなければならないので、お金がかかる。日本中、多くの場所で地主が維持費をまかないきれないのが現状」と、山をみせてくれた人が教えてくれた。これを考え始めると話がどんどん大きくなり、経済や歴史や市場の問題にいきついてしまう。

■森林再生への時代潮流■
荒れた森は林業の衰退が原因だという。「森林・林業学習館」では昭和30年以降の木材自給率の推移や、衰退の原因を見ることができる。
ここに掲載されている、林野庁発表の「木材需給表」では国産材が全体の30%、のこり70%は外国産だ。現在はたった30%。ところが平成12年に18.4%で底をうったあと、近年は割合が上昇している。その理由について横浜市のナイス株式会社のウェブサイトでは、これについてロシアの丸太輸出関税引き上げや為替変動で混乱する外材に比べて国内材の価格が比較的安定していることを理由として説明。
実は近年、森林再生に向けた政府の動きがある。成長戦略のひとつには「2020年までに木材自給率を50%にまで上げる」という目標が掲げられ(林野庁 森林・林業再生プラン、概要 )、公共建築物等で改めて木材の利用を活性化することが50%目標達成の道筋であることが紹介されている。全国の事例は公共建築物等における木材の利用促進HPなどで見られる。秋田の地元材を使った国際教養大学図書館棟も話題になった。森林を生かしてゆこうという、国民的な運動のホームページもあって、「森にふれる」「木を使う」「森をささえる」「森と暮らす」の一つ以上に賛同する人はだれでも「「フォレストサポーター」になれる。

■未来につなげる技を■
時代の流れは森林再生に向かっている。これが身近な町のレベルに降りてくるとき、多くの人が関係する。利害関係などの調整は困難を極めるだろう。けれども地道な仕事がひとつひとつ重ねられることで、地元が大きく育ってゆくのだろう。
日本には、機械にはできない「削る技」がある。熟練には10年以上を要すると言う技術だが、最近は身近なところではなかなか見ることができない。「削ろう会」で、森林の再生に向う時代の流れと、それを支える技に身近に触れることができる。
 (カオリ)

2014/11/06 08:44 | なりわい


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