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2023年04月21日(金)

『のこす つなぐ よみがえる 小田原市民会館大ホール壁画の記vol.2』を観て来ました。

2023年3月2日から12日迄、三の丸ホール展示室で開催された『のこす つなぐ よみがえる 小田原市民会館大ホール壁画の記憶展 vol .2』を観て来ました。
小田原市民会館大ホール壁画保存修復展実行委員会(以下、実行委員会)の皆さんを始め、沢山の方々による旧市民会館の「赤と青の壁画」への情熱を心身に感じて来ました。
皆さんの情熱を伝えきれる自信は無論ございませんが、私なりにレポートしてみます。
では!

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2023/04/21 14:30 | 美術

2023年03月28日(火)

海の見えるグラス工房 “グラス・キャリコ”

丸いパイプの先には灼熱の赤いガラスの球。レールの上を静かに転がしながら「ブロー」と囁く声。そして愛おしそうに優しく息を吹き込む様は、壊れそうなわが子に命を授けるよう。
車の窓からいつも気になっていた“米国西海岸の雰囲気”を醸すグラス工房。岩沢 達・茜さん夫婦が営むグラス工房 “Glass
Calico(グラス・キャリコ)”を訪ねました。 ロケーションは小田原市前川。国道1号線沿いの国府津と二宮の中間辺り。箱根駅伝の往路4区、復路7区の中間点付近でしょうか。眼前に相模湾、三浦半島から房総半島、伊豆大島を遠望できる美しい場所に位置しています。群馬県藤岡市の出身の達さん、辻堂出身の茜さん。
2010年にショップをオープンして、のちの2014年に工房と炉を完成させて現在に至っています。グラス工芸に興味を持ったきっかけを達さんは「他の地域でガラス工場を見ていた時は特に何の感慨も印象もなかったんです。ですが、横浜のとあるグラス工房を見たときに、おぅッという感動を覚えてこの道に入りました」と話していました。

その後に茜さんと知り合い、期せずして達さんは静岡県伊東市に転勤。「長距離恋愛も大変だから、伊東と辻堂の真ん中辺」の小田原にショップと工房を構えて独立した由です。
しかし、独立への道はそれほど容易ではなく、長距離運転手などを務めて財政基盤を確立した、という努力家の達さん。 “吹き竿” 又は“ブロー・パイプ”と呼ばれるパイプの先に熱いグラスの球を付け、ゴォーと唸りを上げて燃え盛る“焼き戻し窯”(グローリーホール)に。“焼き戻し窯”は優に1000度を越える温度です。最初は真っ赤な球でしかないグラス。達さんの「ブロー」の声に茜さんが応えて優しく息を吹き込みます。“吹き竿”に付いたグラスの形を整え、何度も何度も“焼き戻し窯”に入れて、達さんはサイズを測るゲージを使いながら、完成形に近づけて行きます。
例えば、シャンパン・グラスでは別途に作った脚をつけ、余分な部分をハサミで切り落としたりもします。他の製品では、熱いグラス球に色粉を少し付けての色付けも。 出来上がった製品は、“徐冷炉”(内部温度480度)に入れて徐々に冷やしていきます。この時点の製品にとって480度は「ぬるく感じる温度」(達さん)。1日の仕事を終えた時点でスイッチを切り、明朝の炉からの取り出しを待ちます。“徐冷炉”から出されてもまだ熱い製品が冷えて人の手に渡る時が、 “製品” が“作品”に換わる時と私は理解をしています。お2人にとってグラス作りは熱い絆で結ばれた仕事だと感じました。グラスの壊れやすさも強い美の作品に向かっていく過程です。達さんに聞いてみました。「達さんは作家ですか? 職人さんですか?」と。 達さんは「私は、“グラスを吹く人”です」という答え。“グラスを吹く人”という新しい言葉に私は感動を覚え、且つ心意気を感じました。達さん・茜さんは、都内の百貨店や地方のギャラリーでも個展を開き、いまや人気と実力を兼ね備えたガラス作家です。これからも素晴らしい作品を作ってくれる事を確信しています。
 
押切のリュウ 記


Glass Calico(グラス・キャリコ)
※不定休・日、月休
住所:神奈川県 小田原市 前川539
電話:0465-87-5685
https://glasscalico.jimdo.com/

※ご来店の際は事前にお店へお問合せください。

2023/03/28 08:54 | 美術

2023年01月26日(木)

小田原三の丸ホールギャラリー回廊 小田原市所蔵美術作品展

(写真1)市所蔵美術品展ポスター(写真1)市所蔵美術品展ポスター
2021年12月9日(金)。
市所蔵美術品展ポスター1月21日(土)から29日(日)まで、小田原・三の丸ホールのギャラリー回廊で、『小田原市所蔵美術作品展』が小田原市文化政策課の主催で開催されています(写真1)。
 

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2023/01/26 14:01 | 美術

2022年08月31日(水)

『ぐるり富士山』

 昨年9月に第一回が開催され、ユニークな企画で好評を博したグループ展「ぐるり富士山」のvol.2を初日に鑑賞してきた。

ギャラリーNEW新九郎で
 会場のギャラリーNEW新九郎は、有望な若手作家、高い評価を得て活躍する中堅ベテランの作家や海外の作家も紹介する、小田原で最も勢いのあるギャラリーだと思う。

この場所にあるからこそ
 大型商業施設の中にあって、気軽に行くことができる、このギャラリーには、銀座通りの書店の上階にあった旧ギャラリー新九郎とは別の趣と魅力がある。広域から車でやってくる人々、小田原を超えて、県央、湘南から、静岡県東部、伊豆の人たちまでに向けた発信力がある。 今回の作品展が成立したのは、この直前に展覧会を開催していたドイツの作家セラフィナ・レンツの小田原滞在制作時のコーディネーターの仲介によるという。ギャラリーNEW新九郎という場が、このような人を繋ぐ縁をつなぐネットワークとして膨らみ、その新たな出会いが作家たちの創作活動とそれを支える人々の大きな輪を作っている。

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2022/08/31 11:25 | 美術

2022年04月26日(火)

力あふれる作品たち「けずる絵、ひっかく絵」

チラシは井上三綱氏の作品チラシは井上三綱氏の作品
「知り合いの作家が出ているのでお出かけください」というお知らせをいただき平塚市美術館に出かけてみました。
展覧会のタイトルは「けずる絵、ひっかく絵」。

『「絵を描く」というと、線を引き、絵の具を塗るという行為を連想しますが、人類最初の文化遺産として知られている洞窟壁画が、壁に動物や人間の形を線刻していることからも明らかなように…』ということで削ったりひっかいた痕跡を画面に残して仕上げた作家5名が紹介されています。

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2022/04/26 10:42 | 美術

2022年02月04日(金)

近藤弘明展:「清秋月光」を観る

(写真1)松永記念館本館(写真1)松永記念館本館
 小田原板橋にある松永記念館の「近藤弘明『幻華』展PartⅡ」も残すところ一週間でした(写真1)。本館2階の会場で当番をしていた日曜日の午後、観覧に来られた方々のご案内をしながら、屏風絵をじっくり見る機会を得ました。

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2022/02/04 11:00 | 美術

2022年01月28日(金)

コネクションズ~あのドラマの二人風に展示紹介②~

前回に引き続き、三の丸ホールで2月2日まで開催中の「コネクションズ-さまざまな交差展」で展示中の作品を紹介します。

今回も”あの”ドラマから違う二人が小田原にやってきた!風に書いてみました。

なお、ギャラリー回廊は無料で展示作品を見ることができ、現代美術家の八木良太さん、写真家の浅田政志さんの作品が展示されていますので、ぜひ、2階までお上がりください。

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2022/01/28 18:45 | 美術

2022年01月28日(金)

コネクションズ~あのドラマの二人風に展示紹介①~

昨日の「特撮怪獣映画予告編のキャプション風」に続き、三の丸ホールで2月2日まで開催中の「コネクションズ-さまざまな交差展」で展示中の作品を紹介します。

今回は、三の丸ホール1階展示室と準備室、ギャラリー回廊に展示された作品の紹介を”あの”ドラマの二人が小田原にやってきた!風に書いてみました。

歴史と文化が交差する小田原で、新たな文化の拠点である三の丸ホールを舞台に、さまざまな作品たちが交差しています。表現方法の異なる4名のアーティストたちの作品を紹介しますので、ぜひご覧ください。

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2022/01/28 18:07 | 美術

2022年01月27日(木)

コネクションズーさまざまな交差展ー

三の丸ホールで開催中の美術展「コネクションズーさまざまな交差展ー」
もうご覧になったでしょうか。

会期もあと7日。すばらしい作品、特にキメラを一人でも多くの人に見てほしいと思い、文化レポーター兼実行委員会のメンバーである私が端っこで思い余って、呼込みの駄文を書いてみました。
今回は、特撮怪獣映画予告編のキャプション風です。
 

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2022/01/27 16:27 | 美術

2022年01月18日(火)

近藤弘明「幻華」展 PartⅡ

(写真1)近藤弘明「幻華」展 PartⅡ(写真1)近藤弘明「幻華」展 PartⅡ
 昨年末の小田原・三の丸ホール展示室での『近藤弘明「幻華」展』PartⅠに続き、小田原板橋にある松永記念館にてPartⅡが開催されています(写真1)。松永記念館では、別館の1・2階展示室と隣接する本館の1・2階の4会場で絵画の展示が行われています(写真2)。池に面して左の建物が本館です。本館は昭和34年(1959)に松永耳庵自身が指図して建てられました。右の建物が別館で、展示室と事務所があります。別館の展示室にはガラス・ショーケースが設置されて、美術品を保護して展示ができます。本館の1階もショーケース展示ですが、2階では畳の和室にケースなしで屏風などが展示されていますので、近藤弘明の作品を間近に拝見することができます。

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2022/01/18 08:47 | 美術

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