レポーターブログバナー
2022年01月28日(金)

コネクションズ〜あのドラマの二人風に展示紹介②〜

前回に引き続き、三の丸ホールで2月2日まで開催中の「コネクションズ-さまざまな交差展」で展示中の作品を紹介します。

今回も”あの”ドラマから違う二人が小田原にやってきた!風に書いてみました。

なお、ギャラリー回廊は無料で展示作品を見ることができ、現代美術家の八木良太さん、写真家の浅田政志さんの作品が展示されていますので、ぜひ、2階までお上がりください。
その2「オバちゃんとオジちゃん」

「美味しかったなぁ、かまぼこ。」
「昨日は、あんた、ちょっと飲みすぎやで、角のおっちゃん来たからいうて。」
「あの娘、おらんようになって・・・。」
「寂しいんか、あんた。」
「二人だけでも、ええよ。」
「ほんまに。」
「今日は休みやから、出かけよか。」
「そや、二人、小田原行って来て、ええ感じに戻ってたなぁ。」
「ほな、うちらも行きましょか。」
「うまいもんもあるやろしな。」
「ああ、ここや。でっかいなぁ、立派や、ほんまに、屋根、真っ黒や。」
「中は明るいでぇ、すっきりしてる。」
「上行きましょか。眺めがええらしいね。」
「こら、すごい。北条さんのお城が、全部見えてるで。」
「今日は賑やかやねぇ。お濠の前を、ぎょうさん人が歩いてる。」
「ちょっと座りましょか。」
「ええ、イスや。」
「なあ、あの二人が一緒になってくれたらなぁ。」
「そうやねぇ。」
「どうなるんかなぁ。」
「わたしらには、うまいこといくように、祈ることしかできへんし。」
「祈り言うたら、何か大きな動物がいてる言うてたな、塁ちゃん。」
「怖そうで、優しそうで、不思議な生き物や言うてたなぁ。」
「見に行こ。下にあるらしいで。」
「はい、ほな、300円、二人で600円ですね。まぁ、高校生以下のお子達は、無料やて。」
「おぉ、太っ腹やなぁ、小田原は。」
「あ、これやこれ。」
「すんごいねぇ。大きいねぇ。」
「これ、獅子が頭、角で鹿かぁ。」
「いや、あんた、翼もあるで、飛べるんや。」
「この顔、けっさくや。こんな人おったなぁ。あの、何や、あの、カフェーの親父に似とるわ。」
「悪いでぇ、そんなん言うたら、あんた。」
「せやけど、不思議な気持ちになるなぁ。力が出るような、元気がでるなぁ。」
「背中に何かあるでぇ。」
「アマビエさんや。悪い病気に勝てるように、元気出しい言うて。ありがたいなぁ。」
「あ、かいらし、鳥さんもおるで。」
「あれか、クマさんの上のゆったりした明かりは、」
「木洩れ日ちゅうやつや。思い出すなぁ、セミも鳴いとる。」
「そや、あんたと初めて会うたんは、住吉さんの境内やった。」
「となりのおっちゃんが、ええ男がおるから行ってみい言うんで。そしたら、ボーっと突っ立って、あんたがおったんや。こんなんなぁ。」
「何や、それ。私は、あんた、かわいいなぁ思うたで。見るからに大人しそうな、ええ娘さんやなぁと。」
「それが、今ではやなぁ・・・。」
「あんたは、あの頃とあんまり変わらへんなぁ。真面目なええ人や。」
「このクマさんも、でっかいけどかわいいなぁ。」
「ええクマさんや。このポーズがええわ。あんたといっしょや。」
「よう鳴いとる。このセミもようできとるなぁ。」
「何か、あっちもあるでぇ。」
「あ、下から見る写真て、あれやなぁ。」
「あのクマさんや。へぇー、こんな人たちが作ってんや。」
「嬢ちゃん、かいらしなぁ。職人さんの御一家や。」
「あぁ、そうですか。この左はじの人が彫らはったんやて。」
「こっちも、下から見るんやて。」
「あ、時報や。掛け時計合わせんのに、よう使こたなぁ。」
「確かに回っとる。時は先へ先へと進んでいくのよ。」
「わしらも、時に合わせて一つ一つ年を取るっちゅうことや。」
「ええ時を重ねたいもんやなぁ。若い頃には戻れんしなぁ。」
「諸行無常ちゅうことや。」
「意味知ってんのかいなぁ。」
「こっちは暗いけど、中へ入ったらええねん。あの娘が言うとった。」
「ほんま、花火や。」
「あん時の淀川の花火は、見事やったなぁ。」
「行きましたなぁ。二人で店持ちたいねぇて。」
「帰りにラムネ飲みながら話したなぁ。あんた浴衣着て。」
「あんたは、青いシャツ着てた。ドーン、パチパチ、ドーンって。」
「何か、ここで、ええこと思い出したなぁ。そん年の暮れに一緒になったんやなぁ。」
「でっかい映画や。こんなん見たこと無かったわぁ。縦長やねぇ。」
「きれいな色や。これ、かまぼこ作ってるとこや。」
「おいしかったなぁ。あのかまぼこやで。丁寧に作ったはる。」
「大事に仕事してるなぁ。職人さんの手や。」
「ええ動きしてる。わしも職人やからな、わかるんや。」
「あの娘、おいしゅうなぁれ、おいしゅうなぁれ、言うとったなぁ。」
「職人の家の子やから、やっぱりわかるんやろなぁ。」
「あんた、受付の人が二階の写真もどうぞ、見てください言うてたよ。」
「行こ、行こ。何や、ワクワクしてきたなぁ。おもろい感じや。」
「まぁ、まぁ、これ、ええわぁ。」
「かまぼこ屋の、だんさん、奥様、わかだんさん、若奥さんにお子達や。」
「カッコよろしなぁ、役者さんみたいやなぁ。」
「かまぼこ屋さんて、こんな人ばっかりなん。小田原すごいわぁ。」
「ほら、こっち見てみ。職人さんたちや。ええ仕事なんやなぁ。みんなええお顔で写ったはる。」
「この人、素敵な人やなぁ。」
「どんなん、あぁ、わしの若い頃に似とるなぁ。」
「何言うてるん。そのとなりの女の人や。」
「この町に移り住んで来た人や。元気いっぱいやなぁ。駆けてるわぁ。」
「ええ仕事があって、外から来た人にもええなんて。なぁ、あんた。」
「わしらも店出す時には、ほんま、町の人の世話になった。角のおっちゃんにもなぁ。」
「これ、ええ写真ばっかりや。」
「こんなん見せてもろて、あの二人、元気にしてもろたんやねぇ。」
「浅田ちゅう人、すごいなぁ。」
「やんちゃぁな頃もあったって、あそこの詳しい人が言うてた。」
「本物や。この人も職人さんや。わしも職人やから、わかる。」
「あんた、どうしたん。」
「かいらし子やなぁ思うて。いくつぐらいやろ。」
「なぁ、あの二人が一緒になったら、かわいい子が生まれるなぁ。」
「二人の子かぁ。」
「わしらにも抱かせてもらえるんかなぁ。こうやって、並んで写真も撮りたいなぁ。」
「ほんまやねぇ。二人の幸せ、祈りましょ。」
「そやなぁ。」
「ほな、そろそろ。明日から仕事やし。今日の続きが、どないなるんか、8時にはちゃんと座って、観んといかんからねぇ。」
「ほんま、小田原、ええとこやったなぁ。元気でたなぁ。」
「ほんまに、ええとこやったなぁ。」
「よっしゃ、角のおっちゃんとパーマ屋へ、かまぼこ買うて帰ったろ。あの店のや、うまいでぇ。わしらは、ういろう買うて帰ろな。」
「そやね。また、来ましょね。小田原へ。」


「コネクションズ―さまざまな交差展—」
2022年1月12日(水)〜2月2日(水)10:00 〜 18:00
会場 展示室・ギャラリー回廊
料金 一般 300円 / 高校生以下・障がい者手帳をお持ちの方は無料
(備堂能満 記)

2022/01/28 18:45 | 美術

ページトップ