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2024年01月23日(火)

<大ホールに響き渡るフルオーケストラの咆哮と稲妻のようなヴァイオリンの調べ>

(東京都交響楽団オーケストラキャラバン小田原公演)

令和5年11月13日は、小田原三の丸ホール大ホールにとって歴史的な日になるでしょう。
ステージ一杯に並んだフルオーケストラのその全力疾走の咆哮が、ホール一杯に響き渡り、この大ホールが充分にそれを支える事を、そしてたった1本の無伴奏ヴァイオリンの音色が稲妻のように三の丸ホール大ホールを切り裂き、会場の隅々まで行きわたる、素晴しい“音空間”を実現した日です。

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2024/01/23 16:25 | 音楽

2023年11月10日(金)

「三の丸ホール文化の日」

(写真1)いろいろ小田原第3号(写真1)いろいろ小田原第3号
私たち小田原文化レポーターが、小田原のおすすめの場所と情報を紙媒体によって伝えようと制作しているのが、「いろいろ小田原」です。11月3日文化の日に発行した第3号は、芸術の秋特集として「クラッシクデビューするなら“おだわら”で」と題し、「そうだ!三の丸ホールへ行こう!!」と小見出しを付けました(写真1)。つい敷居が高いなあ、と感じてしまうクラッシクコンサートですが、その魅力を特集しました。一度クラッシックの生の演奏を聴けば、誰でも多様な楽器が奏でる音の海原に身をまかせるような心持ちになることでしょう。いろいろ小田原第3号では、三の丸ホールで開催されるコンサートの演奏者や舞台を裏で支えるスタッフたちの声を紹介しています。

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2023/11/10 17:35 | 音楽

2023年10月06日(金)

「かもめコンサート」

 「かもめコンサート」は、小田原の市民団体「かもめコンサート実行委員会」が主宰するクラッシック・コンサートです。開催当初は、演奏会場として「小田原市立かもめ図書館」視聴覚ホールを使用していました。そこには、2013年(平成25年)に寄贈された作曲家・石井歡(いしい かん)先生がご愛用されたグランドピアノがありました。石井歡先生は、1921年(大正10年)3月30日東京都で生まれた作曲家です。先生は、管弦楽曲、合唱曲、歌劇、バレエ、映画音楽など幅広い分野の曲を作曲する傍ら、長い間、社団法人全日本合唱連盟理事長を務めるなど日本の音楽文化の向上に寄与され、小田原市の音楽文化高揚のため尽力されました。「かもめコンサート実行委員会」は、石井歡先生の功績を記念して、ピアノが寄贈された2013年(平成25年)より「かもめコンサート」を開催してきました。2021年(令和3年)9月に小田原三の丸ホールが開館し、石井先生ゆかりのピアノは三の丸ホール・スタジオへ移設されました。それを機会に、かもめコンサートも三の丸ホール・小ホールへ会場を移して開催しています。

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2023/10/06 08:50 | 音楽

2023年05月12日(金)

『かもめコンサート 第20回記念コンサート』

文化レポーターのわだっちです。
様々な音楽会が催されている小田原の町で、クラシックを代表する『かもめコンサート 第20回記念コンサート』(※1)に行って来ました。
あくまでも私流のレポートではありますが、ご一読頂ければ嬉しい限りです。
では、早速!

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2023/05/12 15:40 | 音楽

2023年01月31日(火)

『小田原物レコード・その3』

(写真1)『ああ小田原城/小田原小唄』(写真1)『ああ小田原城/小田原小唄』
文化レポーターわだっちです。
『小田原物レコード』第3弾をお届け致します。

2022年から始めさせていただいております連載『小田原物レコード』 音楽と小田原の歴史を愛するわたくしが地道な調査から発掘しております。

「小田原物レコード」とは概ね以下のテーマを扱っております。
◯小田原縁の人物がテーマ。
◯小田原をPRするレコード。
◯小田原でジャケット撮影されたレコード等々です。

第1弾はこちら
https://conv.bingocms.tech/index.php?p&d=field%2Flifelong%2Fculture%2Freporter%2Freporter&c&type=article&art_id=7737

第2弾はこちら
https://conv.bingocms.tech/index.php?p=&d=field/lifelong/culture/reporter/reporter&c=&type=article&art_id=7819

今回は、NHK大河ドラマ『どうする家康』でも、その場面の登場に期待が募る1590年の小田原合戦。
戦国オールスターズとも呼べる大軍団を迎え打った北條五代終焉の様子を、現代と変わらぬ雄大なる往時の小田原の情景と共に歌い上げた『ああ小田原城』を紹介致します。

『ああ小田原城』
・昭和37年発表。
・歌 こまどり姉妹(※1)
・作詞 石本美由起
・作曲 遠藤実
・演奏 コロムビアオーケストラ、・琴 米川敏子

小田原市民会館完成を記念し、新しい小田原の歌として発表(「小田原小唄」(歌・五月みどり(※2)、中尾渉)と両A面扱い。両曲共に同作詞・作曲者)。

昭和30年代~50年代頃。
自治体等が大手レコード会社にPRソング等の制作を依頼した「委託制作盤」と呼ばれるレコードが各地で作られました。
このレコードもそうした1枚です。
小田原近隣では、開成町「かいせい音頭」(春日八郎)、平塚市「七夕おどり」(都はるみ)があります。

こうしたレコードは、有名歌手が歌っている場合も多いと言う特徴もありますが、限られた生産数で、販売よりもPR活用が主目的であった為、現在では入手困難な委託制作盤も数多く存在します。
珍しい例としては、昭和38年に東京都東村山市(当時「町」)の農業協同組合による「東村山音頭」(三橋美智也・下谷二三子)は、後の昭和51年に志村けんのカバーにより大ブレイクが起こると言った、委託制作盤を起点とした全国ヒットも誕生しています。

昭和37年の時点で、作詞の石本美由起・作曲の遠藤実は、美空ひばりを始めとした人気歌手の楽曲を多数手掛け、こまどり姉妹、五月みどりは、この前後から紅白歌合戦にも出場。
時の人気者が勢揃いで新しい小田原の歌が作られた事は、当時の小田原の経済・文化の両面的豊かさを物語るエピソードではないでしょうか。

しかし、現在「小田原小唄」は耳にする機会はあっても「ああ小田原城」が聴ける機会は殆ど見当たらない気がします。
配信サイト等でも聴く事が出来ますが、機会があれば是非皆さんにレコードからの音を楽しんで頂ければと常々考えております。
尚、「ああ小田原城/小田原小唄」のレコードは昭和54年に改めて生産され、私の手元のレコードも昭和54年盤です。

併せまして、こまどり姉妹は、鎌倉時代の曽我地区に育ったと伝わる曽我兄弟を題材にした『曾我兄弟』を昭和39年に発表しています。
折角ですのでジャケットだけでも紹介させて頂きます。

以上、第3弾「小田原物レコード」でした。

◯写真1(『ああ小田原城/小田原小唄』はジャケット無し。
歌詞と踊り説明のみ封入)

◯写真2(こまどり姉妹「女の恋/曾我兄弟」のジャケット)

※1「こまどり姉妹」=昭和34年デビューの姉妹デュオ歌手。紅白歌合戦出場の他、バラエティー番組等にも多数出演。

※2「五月みどり」=昭和36年「おひまなら来てよね」のヒットにてブレイク。以降、歌手・女優・タレントとして大活躍。

(文中の人名・名称は、恐縮ながら敬称略とさせて頂きました。)
 
わだっち記

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2023/01/31 13:14 | 音楽

2022年11月04日(金)

小田原三の丸ホール開館1周年記念事業『矢野顕子 さとがえるコンサート2022』

『矢野顕子 さとがえるコンサート2022  featuring小原礼・佐橋佳幸・林立夫』
~12月9日(金)小田原三の丸ホールにて~


矢野顕子さんの「さとがえるコンサート」が、なんと三の丸ホールで開催されます!

「さとがえるコンサート」とは、ニューヨーク在住の矢野さんが日本に里帰りをして開催する、来日、と呼ぶよりも親しみを感じる恒例の名物コンサートです。
今回、小田原以外では埼玉・東京・大阪・名古屋・福岡を巡回します。この並びで小田原です。興奮が隠せません。

 矢野顕子さんは'76 年「JAPANESE GIRL」でソロデビュー以来、YMO との共演や数多くのCMソングなどで、幅広い世代から愛されるシンガーソングライター。誰でも一度はその透明感のある声を聞いたことがあるでしょう。
 様々なミュージシャンとの共演でも話題を呼ぶ矢野さんですが、当日は小原礼さん(ベース)・佐橋佳幸さん(ギター)・林立夫さん(ドラム)との共演です。

 少しマニアックな話題になりますが…
小原さん・林さんは、日本ポップス史の中で、現在に至る迄の様々な時代を作り支えて来たリズムセクションプレイヤー。
 佐橋さんは「ラブ・ストーリーは突然に」、「TRUE LOVE」等の誰もが耳にしたであろう、あの歌この歌でのイントロギター等で大活躍のギタリスト。

バラードからロックンロールまで彩り豊かな歌が収録された、2021年のアルバム「音楽はおくりもの」で共演した4人が繰り広げる小田原でのコンサート。
音楽マイスター達はどんなスペシャルセッションを三の丸ホールに響かせてくれるのでしょう。最高の時間になる事は間違いなし、日に日に期待は高まるばかりです。

12月と言う事で、自分への、もしくは誰かへのクリスマスプレゼント、はたまたコンサートという形の忘年会、それぞれがそれぞれの気持ちを持って、おでかけになってみてはいかがでしょうか?

筆者自身としては、歩いて行ける距離に矢野顕子さんが来てくれる事が嬉しくて嬉しくて仕方がないんです。
コンサートの余韻を熱々のままで家に帰れるんですから!

○写真
筆者思い出のアルバム。1992年作品。
「SUPER FOLK SONG」
CDジャケット。

高校生だった頃。音楽番組でタイトル曲「SUPER FOLK SONG」をピアノ弾き語りで歌う矢野顕子さんを見た時の
「なんて楽しそうに歌う人なんだろう~」と感じたトキメキは、今も忘れられないのです。

公演詳細は、こちらをご覧下さい。
https://ooo-hall.jp/event/20221209.html

尚、本レポート掲載後にチケット完売の場合もございますので、その際は悪しからずご了承の程、お願い申し上げます。

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2022/11/04 09:13 | 音楽

2022年10月17日(月)

小田原三の丸ホールの歴史を開く情熱の響き (三の丸クラシックス2022秋Ⅰ、園田紘子ピアノ・リサイタルを聞いて)

小田原に三の丸ホールが出来ておよそ1年間が過ぎ、多くの素晴らしい演奏がされてきました。9月11日に開催された園田さんのピアノ・リサイタルは、小ホールにおける開館1周年事業を冠する<ピアノ・リサイタル>としては、最初の歴史を飾る素晴らしい演奏会として、人々の記憶に残るに違いありません。
園田さんは、西湘高校ご出身で、武蔵野音楽大学をご卒業後、欧州で研鑽を重ねられ、2013年からほぼ1年おきにリサイタルをされています。この日も西湘高校の関係者の皆様も多く見受けられ、ほぼ満席に近い状態で、開催されました。地元のご出身の方が、新しい三の丸ホールでご活躍されることは、文化の地産地消でも在り、まさにSDGsを実現するためにも大切なことと思います。また、今回弾かれたピアノは、市民会館で長年愛用されていたスタインウェイで、三の丸ホールへ移設・活用に辺り完全にオーバーホールされたもので、大変コンディションの良い状態に熟成した状態でされ、この日に臨まれました。
 
 

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2022/10/17 13:25 | 音楽

2022年09月09日(金)

『小田原物レコード・その2』

文化レポーターの和田崇裕です。

7月に当ブログにて突如スタートしました連載「小田原物レコード」。
今回は第2弾をお届け致します。

「小田原物レコード」とは概ね以下のテーマを扱っております。

◯小田原縁の人物がテーマ。
◯小田原をPRするレコード。
◯小田原でジャケット撮影されたレコード等々です。

(未読の方は、併せまして第1弾も是非ご一読下さい。)
https://conv.bingocms.tech/index.php?
p&d=field%2Flifelong%2Fculture%2Freporter%2Fr
eporter&c&type=article&art_id=7737



今回は、歌手・三波春夫さん(1923~2001)が手掛けた、この2枚です。

三波さんと言えば、1964年の東京オリンピックでは「東京五輪音頭」。
1970年の大阪万博では「世界の国からこんにちは」。
現在も尚、この2つの歴史的イベントを振り返る際には、その歌がシンボリックテーマとして取り上げられる程の国民的歌手です。

そして、浪曲師でもある三波さんは、様々な歴史上の人物や物語を歌われており、その中で小田原と縁ある人物の事も、オリジナル浪曲として発表されています。

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2022/09/09 13:28 | 音楽

2022年08月09日(火)

小田原三の丸ホール 森麻季 音の美術館 ―イタリア美への旅路―

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朝からの雨が上がり、午後からの日差しが熱い7月17日、三の丸大ホールで、当代随一のソプラノ森麻季さん(ピアノ伴奏・山岸茂人さん)の演奏会が開催されました。イタリアの美の世界を、森麻季さんの素晴らしい“うた”と、投影された名画の数々と共に巡るという大変贅沢なコンサートです。ナビゲーターは文筆家・文化芸術プロデューサーの浦久俊彦さん(一般財団法人日本芸術財団代表理事)でした。

プログラムに添えられた「ルネサンス~はるかな美への旅路」という“ようこそ音の美術館へ!”という浦久俊彦さんからのメッセージ通りに、三の丸ホールはまるで”三の丸美術館”のよう。ステージの高い天井を活かした巨大なスクリーンには、ジョット・ディ・ポンドーネ(1267?-1337)の「キリストの磔刑」フランチェスコ・アイエツ(1791-1882)の「接吻」など50点におよぶイタリア絵画が、解説とともに次々に投影されていきました。ルネッサンス期に活用された遠近法は、神の視点から人間の視点を得たことに意義があるという浦久俊彦さんの解説も成程と思い当たる次第でした。

第1部では、森麻季さんは明るいイタリアの空を思い起すような淡い碧色のドレスで登場され、カッチーニ(1545?―1618)の名曲「アマリッリ」から歌い始め、三の丸ホールはルネッサンスの伸びやかな世界に満たされました。まっさらな静寂の中に、森麻季さんの第一声が響いたときの衝撃はいつまでも脳裏に焼き付いて離れません。森麻季さんはステージ上の談話で「リハーサルの時から感じていたが、ここはどこに居ても大変良い響きのホール。折角の奥行きを活かすために、ピアノを少し下げていただいた。」とお話しされておられ、その想いに応えてステージも一緒に歌っているような心地よさでした。

森麻季さんを知り尽くしているとおっしゃる素晴らしい伴奏者・山岸茂人さんも、三の丸ホールの完成と共に購入された若武者ピアノのスタインウェイを乗りこなして歌に寄り添います。バッハのイタリア協奏曲の独奏では、明るく爽やかな音楽を奏でておられました。第1部の最後は、シューベルト・バッハ・グノー・マスカーニをアレンジしたアヴェ・マリアの名曲たちという楽しいプログラムで会場全体が明るさに包まれ、第1部が終わりました。

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2022/08/09 14:37 | 音楽

2022年08月05日(金)

「古き良き時代が描かれた、新しい小田原の歌~ 『路面電車の見る夢は』 (歌・わをん)」

※写真1 「わをん」のコンサート写真。※写真1 「わをん」のコンサート写真。
文化レポーターの和田崇裕です。
今回は、小田原にまつわる歌を紹介致します。

市内のライブハウスは勿論、旧家や寺院等でもコンサートを行う、アコースティック音楽トリオ「わをん」をご存知でしょうか。
自身のCDには、御幸の浜で録音された波音を入れたり・・・小田原近郊の風景を描いた歌を作ったり・・・

そんな「わをん」による、これこそが生粋の小田原の歌!
それが、これより紹介する『路面電車の見る夢は』です。

現在、(国道1号線沿い)南町の報徳広場に常設展示されている小型電車は、かつて小田原~板橋を走っていた路面電車です。
沿線の人々、板橋地蔵尊参拝客の足として活躍した路面電車も、交通事情の大幅な変化により1956年に廃線。
その後、展示車両である「モハ202号」は新しい活躍場所として長崎県へと旅立ちました。
かの地でも長い活躍の末、役割を全うした2020年。
沢山の支援を受け、「見て・触れて・感じる文化財」として、約60年振りに小田原へと里帰りを果たしたのです。
 

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2022/08/05 09:30 | 音楽

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