レポーターブログバナー
2023年11月10日(金)

「三の丸ホール文化の日」

(写真1)いろいろ小田原第3号(写真1)いろいろ小田原第3号
私たち小田原文化レポーターが、小田原のおすすめの場所と情報を紙媒体によって伝えようと制作しているのが、「いろいろ小田原」です。11月3日文化の日に発行した第3号は、芸術の秋特集として「クラッシクデビューするなら“おだわら”で」と題し、「そうだ!三の丸ホールへ行こう!!」と小見出しを付けました(写真1)。つい敷居が高いなあ、と感じてしまうクラッシクコンサートですが、その魅力を特集しました。一度クラッシックの生の演奏を聴けば、誰でも多様な楽器が奏でる音の海原に身をまかせるような心持ちになることでしょう。いろいろ小田原第3号では、三の丸ホールで開催されるコンサートの演奏者や舞台を裏で支えるスタッフたちの声を紹介しています。
(写真2)三の丸ホール文化の日(写真2)三の丸ホール文化の日
三の丸ホールでは、11月3日午後に小ホールで「ビバ・ヴィオラ」のコンサートを、夜には大ホールで、「三の丸クラッシクス2023秋」と銘打って、「中根希子with溝口肇&ジョン・建・ヌッツォ」の三人によるコンサートが企画されていました。そこで小田原文化レポーターでは、これを三の丸ホールとクラッシックの魅力を市民へアピールする絶好の機会と捉えて、三の丸ホールスタッフ、文化部文化政策課のメンバーと一緒になって「小田原文化レポーターpresents三の丸文化の日」に取り組むことにしました(写真2)。
(写真3)いろいろ小田原拡大コピー展示と石井歡先生愛用ピアノ(写真3)いろいろ小田原拡大コピー展示と石井歡先生愛用ピアノ
メイン会場は2階奥にあるスタジオとしました。昨年末から取り組んできた紙媒体の「いろいろ小田原」の知名度はまだまだ低いので、これまで発行した紙面を拡大コピーしてスタジオに展示しました(写真3)。また、スタジオには小田原に住まわれていた作曲家・石井歡先生の愛用ピアノが寄贈されていますので、そのピアノを用いて、ミニコンサートとオープンピアノを開催することにしました。
また、石井歡先生愛用ピアノが没後に小田原市旧かもめ図書館へ寄贈されたことを記念して発足した「かもめコンサート」を紹介するコーナーも設置しました。
(写真4)ミニコンサート・山田浩子ソプラノ独唱(写真4)ミニコンサート・山田浩子ソプラノ独唱
11時半から開催されたオープニング・ミニコンサートは、かもめコンサート実行委員会代表の山田浩子さんによるソプラノ独唱でした。石井歡先生作曲や金子みすゞさん作詞の曲などが、同じくかもめコンサート実行委員の田中玲子さんのピアノ伴奏で歌われました(写真4)。会場に設置されたモニターに石井歡先生や金子みすゞさんの写真が映し出される中で、金子みすゞさんの詩を愛してやまない山田さんの透き通るソプラノは、立ち見が出るほどの盛況となりました。
(写真5)オープン・ピアノポスター(写真5)オープン・ピアノポスター
12時半にミニコンサートが終了すると、オープンピアノの時間となりました。スタジオに設置されたグランドピアノを誰でも自由に弾くことができます。さっそくピアノの前に座ったのは、小学校一年生の男の子で、明日の発表会の練習に来たそうです。弾き終わった後、「グランドピアノはどうだった?」と訊ねると、「ちょっと、重かった・・」との感想に思わずたじろいでしまいました。自宅では電子ピアノで練習しているそうで、グランドピアノの演奏は良い体験となったことでしょう。
(写真6)ピアノを弾く小学一年生(写真6)ピアノを弾く小学一年生
明日の結婚式で演奏すると云う若い女性やお年寄りの男性など、次々と実に多彩な方々が真剣に鍵盤に向かっている姿をみて、またこのような企画を進めたいものだとの想いが湧きました。14時からは小ホールで「ビバ・ヴィオラ」のコンサートが始まり、その前後には来場者がスタジオを覗きに来てくれたり、オープンピアノを楽しまれたりしていました。
(写真7)「夜カフェ」ドリンク・カウンター(写真7)「夜カフェ」ドリンク・カウンター
17時には、大ホール「三の丸クラッシクス2023秋」の開場となりましたが、大ホールホワイエでは、今回の企画のもう一つの目玉である「夜カフェ」が開店しました。実は、大ホールのホワイエには開館当初から、飲み物を提供できるようにバーカウンターが設置されていました(写真7)。
(写真8)「夜カフェ」パン販売コーナー(写真8)「夜カフェ」パン販売コーナー
ところが、これまで一度もバーカウンターの役割として使われたことがありませんでした。欧米の劇場などでは、開幕前や休憩時間にワイン、ビールやコーヒーを提供しています。劇場によっては客席に自由に持ち込めることができるので、お酒を楽しみながら演奏にノリノリで身体を揺すっている光景が出現します。クラッシックと云えども、客席に縛り付けられるように畏まって聴くだけではなく、身も心も身体全体で会場の雰囲気を楽しんでいます。日本のほとんどの劇場やホールでは、客席での飲食は禁止されています。それはそれで致し方ないことと理解できますが、せめて休憩時間にホワイエでの談笑のお供にワインの一杯でもあれば、音楽談義がより弾むことでしょう。そんな想いで、三の丸ホール初めての夜カフェを企画しました。
(写真9)休憩時間のホワイエ風景(写真9)休憩時間のホワイエ風景
カウンターでワイン、コーヒー、ソフトドリンクの販売を、入り口近くには各種パンの販売テーブルが用意されました(写真8)。飲み物とパンの提供は、自らパン屋を営む文化レポーター・さえパンこと神戸さえさんでした。開場中や20分の休憩時間には、多く来場者が夜カフェの前に行列して、飲み物やパンを買い求められていました。ホワイエのあちらこちらでワイングラスを傾けながら賑やかに交歓しあう姿は、これまでのコンサートでは見られなかった素適な光景でした(写真9)。
 
(写真10)文化レポートを見る来場者(写真10)文化レポートを見る来場者
大ホールのホワイエには、「いろいろ小田原」の拡大コピーも展示しました。開演前や休憩時間中には、多くの方が足を止めて読んでくださっている姿が見られました(写真10)。「いろいろ小田原」を紹介する機会は少ないのですが、常に拡大コピーを準備して、イベントの開催に併せて紹介するのは、効果があるのではないかと感じました。
(写真11)夜の帳が小田原城を包む(写真11)夜の帳が小田原城を包む
夕日が箱根山に沈み、夜の帳が小田原城を包む18時、大ホールで「三の丸クラシックス2023秋 中根希子with溝口肇&ジョン・建・ヌッツォ」のコンサートが始まりました(写真11)。クラッシックからポピュラーまで、ピアノとチェロ、テノールの最高の競演に、皆さん心ゆくまで楽しまれたことと思います。
 
広目子 記

2023/11/10 17:35 | 音楽

ページトップ