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2023年05月12日(金)

『かもめコンサート 第20回記念コンサート』

文化レポーターのわだっちです。
様々な音楽会が催されている小田原の町で、クラシックを代表する『かもめコンサート 第20回記念コンサート』(※1)に行って来ました。
あくまでも私流のレポートではありますが、ご一読頂ければ嬉しい限りです。
では、早速!
2023年4月9日(日)
まるで開催を祝うかの様な穏やかな日差しを浴びて三の丸ホールに入ると、木目際立つ美しい大ホールのステージに目を見張る。
例えば、劇やポップス系のコンサートであればステージ上にセットが組まれていたり、時にはスモークが炊かれ、それにより胸高鳴る事も多々あるが、今回は完全なる生音のコンサートである。
ホール自体が「どんな鳴り方をするのか?」それを楽しむのも、こうしたコンサートの醍醐味だ。
桜色に施された可愛らしいプログラムを手に、グランドピアノが配置されたステージを眺めているだけで、何処からか開幕のファンファーレが聞こえて来る気がするのは、クラシックに無知な筆者にとっては幸先の良い始まりである。
かもめコンサート実行委員会代表・山田浩子氏の挨拶で幕を開けると、13人の若き演奏家達(本コンサートの趣旨で言えば「かえってきたかもめ」)が代わる代わるのソロ演奏を以て武満徹・ブラームス・シューベルト・ロッシーニ等の名曲を情感豊かにで奏でて行く。
ピアノは元より、ホルン・ヴァイオリン・ヴィオラ・コントラバス。
こうした場でなければ聴く機会の少ない管弦楽器に加え、「どうしたら、ああいう声が出るんだろう?」と素朴な疑問を感じてしまう程の伸びやかなソプラノ・テノールの歌声に聴き惚れた約2時間を経て、最終演奏曲は小田原ご当地ソング「めだかの学校」。
既記の楽器に、鍵盤ハーモニカ・トイピアノ迄が登場し、出演者が奏でる13種の音色を聴き取ろうと全神経がステージに集中されて行く瞬間は、演奏者と楽曲に向かい合う至福であり、響きが体の中にまで染み入る感覚は快感そのものであった。
この日の為のみならず、日々の鍛練を重ね続けている若き演奏家達。
そして長年に渡り、若手音楽家の育成、並びに音楽普及に尽力されている実行委員会を始めとしたスタッフの皆さんが届けてくれた「素晴らしき春の午後」に改めて惜しみの無い拍手を送りたい。
◯追記
「かもめコンサート」を始め、小田原では三の丸ホールを中心として、クラシック音楽を聴ける機会が多々あります。
まだクラシックを生で聴いた事が無い人。そして「クラシックって難しいんじゃないの!?」と思ってる人。そんな事は全くありません。
ただ、静かにじっくり聴いて楽しめば良いだけです。
尚、クラシックのコンサートはフライヤーに演奏予定曲が書いてある事もあるので、ネットで少し調べてから出掛ければ尚更楽しめるでしょう。
是非お気軽にお出掛けになっては如何でしょうか。
※1)「かもめコンサート」
作曲家・石井歡(※2)所有のピアノが遺族と関係者により小田原市へ寄贈された事を機に始まったコンサート(ピアノは、かもめ図書館視聴覚ホールに設置)。「若い音楽家たちがこの地から、かもめの様に、日本中へ、世界へ羽ばたいて欲しい」と言う趣旨を持ち2013年より開催(2021年秋より拠点を三の丸ホールに移した第一弾は、小ホールのこけら落としとなった)。

※2)石井歡(1921〜2009)
小田原市内・板橋に居を構えた作曲家。管弦楽曲・オペラ・バレエ・映画音楽等多数手掛けると共に、おかあさんコーラスの普及や合唱運動の向上等、音楽文化の振興に寄与。
「全国童謡フェスティバル〜白秋IN小田原 〜」(2000年11月開催)の実行委員長を務める。

◯文中の名称は、一部恐縮ながら敬称略とさせて頂きました。
◯本文作成に当たり「かもめコンサート 第20回記念コンサート」パンフレット、フライヤー。
小田原市ホームページより「かもめコンサート報告書」

以上より、引用・参考致しました。
わだっち 記

2023/05/12 15:40 | 音楽

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