大正14年(1925)10月の第1回開催では、3日間で6万人もの観客が小田原の競馬に沸きました。馬券は、1枚1円。(そのころのアルバイト従業員の賃金が日当約50銭)。当時、競走馬専用の厩舎はなく、近くの農家の馬屋や牛小屋を借りていました。小屋を貸した農家の人々は、いくらかの謝礼金を受け取り、そのお金で馬券を買っては競馬を楽しんでいました。ただし、その馬券で富を得た、という話はあまり聞かなかったようです。競馬場は熱気で包まれ、その雰囲気は、まるでお祭りのようでした。開催日には、花火が打ち上げられ、観覧席には売店や飲食店が客を集めていました。