歴史資料・紙本着彩小田原城絵図 文政図
紙本着彩小田原城絵図 文政図 1幅(市指定 昭和56年3月30日)
【所有】 小田原市
【所在】 小田原市郷土文化館
【形状】 紙本着色6色 168cm ×132.4cm 軸装
【概説】
この絵図は、大久保氏の家臣加藤家に伝来されたものです。
図の右下には、加藤□右衛門、源□成(花押)と記されているほか、紙背の縁に文政6年(1823)の年銘がありました(軸装により現在は見えない)。
図には、文政5年開校した諸稽古所(集成館)が表れているほか、この年に家督相続し、同8年元服した重臣岩瀬頼母の幼名(吉五郎)があるので、文政6年の銘は信じられます。
絵図は、定規を使って描いた城下町図に近いものですが、城山から御鐘ノ台一帯の範囲が省略されています。
城内の建物も、天守閣のほかは余り描かれておらず、評定所曲輪の位置(旭丘高校〜日本たばこ産業株式会社小田原営業所)に元勘定所の文字が記されているだけです。
しかし、この表示によって曲輪名の移り変わりを知ることができます(松原図−評定所、延宝図−勘定場、国会図書館図−弁才天曲輪、嘉永図−地方役所など)。
なお、三の丸の堀沿いに新しい道(柏又前〜村越書店、通称新道)が図中に見られますが、これは文化14年(1817)の大火の時、逃げ場を失って死者が多く出たため作られたものです。
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