千代南原遺跡
千代南原公園一帯の遺跡は、大字小字名により千代南原遺跡と呼ばれ、多くの発掘調査が行われています。千代南原遺跡は、左手に小高く見える台地の上と、この公園のある低地部分に広がる遺跡です。
千代南原遺跡周辺では、弥生時代後期~古墳時代前期(3~4世紀)に大規模な集落が造られるようになります。集落からは、特殊な遺物である銅鏡や銅環、銅釧などの青銅製品が見つかっています。また、低地部の千代南原遺跡第13地点からは、占いに使用した卜骨が見つかっています。特殊な遺物が出土することから、通常の集落とは異なる有力な集落のひとつであったと考えられます。
千代南原遺跡第4地点の大型土坑からは、古墳時代前期(3世紀後半)の土器が見つかっています。これらの土器には、東海地方西部や近畿地方の土器の特徴が見られることから、地域間の交流が活発に行われていたことがわかります。同時に東日本最古級の鉄滓も出土しています。当時の最先端であった製造技術をもった人々が、千代には存在していたようです。
また、古墳時代前期には、台地上に大型の墳墓が造られるようになります。政治的な権力を象徴するような大型の墳墓が造られ始めることは、古墳時代の早い段階に、千代に有力者が現れたことを示しています。
8世紀初めには、台地上に寺院が造営され、千代は足柄平野の政治的中心となりました。千代南原遺跡第7地点からは、木簡2点が出土し、その様子を記録する貴重な発見となりました。木簡のほかにも、儀礼用の祭祀具や、鋳造遺物、農耕具など当時の人びとの生活を明らかにする様々な遺物が出土しました。
千代南原遺跡の説明板
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位置図
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