インタビューvol.6
「骨格」が美しい小田原の、隠れた魅力を見つけ出しプロモーションする
UDCODの活動では、小田原駅周辺の都市デザイン(アーバンデザイン)ビジョンの研究に取り組む、芝浦工業大学システム理工学部 教授 作山 康さん。
コンサルタント、大学教員として「アーバンデザイン」に関する様々な業務に携わってきた作山さんに、小田原の特徴について伺います。
コンサルタント、大学教員として「アーバンデザイン」に関する様々な業務に携わってきた作山さんに、小田原の特徴について伺います。
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作山 康さん
ご専門を教えてください
アーバンデザインの外科医から内科医へ
都市計画、エリアマネジメント、都市経営などアーバンデザインに関連する業務に幅広く携わってきました。
学生時代は、建築設計の研究室に在籍しましたが、100人、1000人に一人の特別なクライアントのための建築、設計者が表現したいものを作る建築には違和感を覚えていました。単体としてかっこいい建築であっても、それが本当にその場所に合っているのか、ということに興味を持ち、都市計画関係のコンサルタントに就職しました。
当時の日本には、アーバンデザインとして都市空間を総合的に考える仕事はほとんどありませんでした。都市計画マスタープランなどの「土地利用」、土地区画整理事業などの「市街地開発事業」に関する仕事が多かったですね。
徐々に公共空間のデザインも重要だという考え方が広まり、橋や道路、広場、公園など土木分野のデザインで「都市施設」にも関わるようになりました。日本の都市計画の3要素である「土地利用」「都市施設」「市街地開発事業」すべてを範ちゅうとしている専門家は少ないかもしれません。
最近では、これらの手法はまちづくりの主流ではなくなり、「都市経営」つまりどうやって都市の価値を高めるかといった仕事が増えています。
大学教員となってからは、人間が幸せになるための「ウェルビーイングなまちづくり」を研究テーマとしています。埼玉県上尾市の原市団地内に私が在籍する芝浦工業大学で設置したサテライトラボでは、学生たち自らが地域住民のウェルビーイングを考え、現場で課題を見つけ、その解決方法を探る活動を行っています。
学生時代は、建築設計の研究室に在籍しましたが、100人、1000人に一人の特別なクライアントのための建築、設計者が表現したいものを作る建築には違和感を覚えていました。単体としてかっこいい建築であっても、それが本当にその場所に合っているのか、ということに興味を持ち、都市計画関係のコンサルタントに就職しました。
当時の日本には、アーバンデザインとして都市空間を総合的に考える仕事はほとんどありませんでした。都市計画マスタープランなどの「土地利用」、土地区画整理事業などの「市街地開発事業」に関する仕事が多かったですね。
徐々に公共空間のデザインも重要だという考え方が広まり、橋や道路、広場、公園など土木分野のデザインで「都市施設」にも関わるようになりました。日本の都市計画の3要素である「土地利用」「都市施設」「市街地開発事業」すべてを範ちゅうとしている専門家は少ないかもしれません。
最近では、これらの手法はまちづくりの主流ではなくなり、「都市経営」つまりどうやって都市の価値を高めるかといった仕事が増えています。
大学教員となってからは、人間が幸せになるための「ウェルビーイングなまちづくり」を研究テーマとしています。埼玉県上尾市の原市団地内に私が在籍する芝浦工業大学で設置したサテライトラボでは、学生たち自らが地域住民のウェルビーイングを考え、現場で課題を見つけ、その解決方法を探る活動を行っています。
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アーバンデザインの外科医から内科医へ
まちづくりのトレンドの変化とともに、土地利用や設計などの「外科」的な領域から、都市経営やウェルビーイングのような「内科」的な領域に私の活動の重心は移行しましたが、アーバンデザインの専門家として、内科的な取り組みであっても空間にこだわることを大切にしています。
小田原の魅力や特徴を教えてください
まちの「骨格」の美しさ
歴史に裏打ちされた「骨格」の美しさが、小田原城周辺のまちの魅力であると感じています。
小田原のまちの「骨格」は、お堀や小田原用水(早川上水)、西海子(さいかち)小路に残る武家屋敷地の面影、町割り※、散在する寺社の配置などに痕跡を見ることができる、城下町としての空間構成が基礎となっています。
小田原のまちの「骨格」は、お堀や小田原用水(早川上水)、西海子(さいかち)小路に残る武家屋敷地の面影、町割り※、散在する寺社の配置などに痕跡を見ることができる、城下町としての空間構成が基礎となっています。
- ※町割り:まちを街路や水路で区画すること、区画の中の敷地割
宅地内の緑や長い塀、閑静な雰囲気に武家屋敷地の面影が残る西海子小路
「骨格」を使いこなすことで、美しさが際立つ
この「骨格」を美しく際立たせるためには、文化の厚みが欠かせません。
城下町がつくられた場所は、たいてい地形がよく人が住みやすい場所ですので、古くから人の営みがあります。1000年都市と言われる小田原もそうですね。住まい手が長く都市生活をしてきたその中で、漆器や鋳物、和菓子などの伝統文化、小田原らしい気質などの地域性も含めた文化の厚みが生まれ、「骨格」を使いこなしてきました。
住まい手が使いこなすことによって「骨格」は、美しく際立ちます。
城下町がつくられた場所は、たいてい地形がよく人が住みやすい場所ですので、古くから人の営みがあります。1000年都市と言われる小田原もそうですね。住まい手が長く都市生活をしてきたその中で、漆器や鋳物、和菓子などの伝統文化、小田原らしい気質などの地域性も含めた文化の厚みが生まれ、「骨格」を使いこなしてきました。
住まい手が使いこなすことによって「骨格」は、美しく際立ちます。
小田原の魅力を生かすために、どのようなことが必要ですか
隠れた魅力を見つけ出し、プロモーションする
小田原は歴史が長いまちのみが持ち得る「骨格」の美しさが魅力ですが、一方で、歴史が長いまちゆえに、特徴がわかりにくいという面もあります。
日本の主要都市の多くが近世の城下町ですが、小田原はそれ以前からのまち。他都市よりも多くの歴史の層(レイヤー)が積み重なっているので、特徴を読み解くことが難しいのです。
だからこそ、小田原には、まだ解き明かされていない隠れた魅力があると私は考えています。
隠れている魅力を見つけ出すためには、私たちのような外から来た「風の人」の視点とアーバンデザインの視点が必要です。まちを読み解き魅力を明らかにして、市民の皆さんにわかりやすく伝えること、そして市外にプロモーションしていくことは、UDCODの重要な役割の一つだと考えています。
日本の主要都市の多くが近世の城下町ですが、小田原はそれ以前からのまち。他都市よりも多くの歴史の層(レイヤー)が積み重なっているので、特徴を読み解くことが難しいのです。
だからこそ、小田原には、まだ解き明かされていない隠れた魅力があると私は考えています。
隠れている魅力を見つけ出すためには、私たちのような外から来た「風の人」の視点とアーバンデザインの視点が必要です。まちを読み解き魅力を明らかにして、市民の皆さんにわかりやすく伝えること、そして市外にプロモーションしていくことは、UDCODの重要な役割の一つだと考えています。
作山 康(さくやま やすし)
芝浦工業大学システム理工学部 教授
1983年芝浦工業大学工学部建築工学科卒業、同年(株)都市環境研究所入所。東京大学都市工学科非常勤講師、(株)都市環境研究所上席研究員・執行役員東京事務所副所長を経て、2011年芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科教授。
民間都市計画プランナーとして各地の都市計画の調査・計画・設計等を経験。大学教員となってからは、上尾市UR原市団地のサテライトラボ上尾にて高齢社会対応まちづくりの教育研究を進めている。
この情報に関するお問い合わせ先
都市部:都市政策課 都市デザイン係(UDCOD事務局)
電話番号:0465-33-1758