「中井やまゆり園元利用者の死亡事案に係る検証チーム報告書」について

令和7年6月30日に神奈川県が県立中井やまゆり園の元利用者の死亡事案に係る検証チーム報告書を公表いたしました。
この報告書は、本事案が発生に至った要因を検証し、課題と再発防止策をまとめたものです。
本市も検証チームの一員として参画してきましたので、その概要、本市に係る検証・課題、そして本市の今後の取り組みについて、公表いたします。

1 概要

元利用者は、療育手帳A1、身体障害者手帳2級を所持する重度の障がいがある男性で両親とともに、小田原市内で障害福祉サービスを利用しながら在宅で生活していましたが、令和6年5月に千葉県長生郡長生村へ転居し、7月に死亡する事案が発生しました。
今回の検証を通じて、この痛ましい結果については、さまざまな要因が重なったこと、関係機関のそれぞれが責任を担っているとの認識と再発防止に向けた取組をしっかりと行っていくことをお互いに確認しました。

2 本市に係る検証・課題

(1)本市の支援について
本市は、元利用者及び父母の家庭での生活の非常な困難さを認識した上で、関係機関と連携して、障害福祉サービス利用の提案など、父母の意向を確認しながら支援を行ってきました。
しかしながら、行動面に支援が必要な方を十分に支援するための在宅サービスが充足していない現状に加え、訪問系サービスは家庭が受け入れづらく、サービス利用の難しさがありました。一方、施設入所については、施設見学、入所の申し込みを支援するも利用には至りませんでした。
(2)虐待リスクへの対応
本市は虐待通報を受けると事実確認を家族や関係機関に行い、虐待リスクを解消するために、関係機関とケース会議を開催し、情報共有や障害福祉サービスの利用調整をはじめとする支援策を検討し、自宅訪問、施設見学、入所の申し込みを行うといった支援も講じてきましたが、具体的な改善に結びつけることができませんでした。
本市は、虐待による家庭生活のリスクを元利用者に関係する全ての機関と共有するために、中心的な役割を担い、命の危険が生ずる恐れがある場合には措置による施設入所等も検討する必要がありましたが、そこまでの認識には至らず、関係機関と利用可能な支援策の奔走にとどまっていました。そして、結果として本事案を防ぐことはできませんでした。

3 市の今後の取り組み

(1)当事者目線の支援
この事案を真摯に受け止め、今後は二度と同じような事案が発生しないように、障がい者の方の支援にあたっては、当事者及びその家族の目線に立って考え、関係機関と連携しながら、必要な支援の提供に努めてまいります。
(2)虐待リスクへの対応強化
虐待リスクのあるケースに迅速に対応し、事実確認を踏まえた支援方針を決定し、終結に至るまで関係機関と密に連携し、役割分担を明確にした上で状況把握に努めながら支援に取り組んでまいります。
また、障がい者の生命又は身体に重大な危険が生じている恐れがあると認められる場合には、タイミングを逃さず、市長による「やむを得ない事由等による措置(施設入所、短期入所等)」を講じていきます。また、受け入れ先の調整については、広域的な課題であるため、県と連携し対応してまいります。

この情報に関するお問い合わせ先

福祉健康部:障がい福祉課 障がい者支援係

電話番号:0465-33-1468
FAX番号:0465-33-1317

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