29日・30日の2日間をかけて、京都府亀岡市と兵庫県豊岡市を訪ねてきました。地域営農(米作り)と生物多様性の両立における先進地への視察です。
亀岡市は京都駅から電車で30分ほど。京都市街地から保津峡を抜けた先にある、丹波の山々に囲まれた盆地で、古くより地下水に恵まれた農産地であり、近年は京都・大阪にも近いベットタウンでもあります。この亀岡駅に近く、桂川の氾濫に備えた遊水エリアの広大な田んぼに、Jリーグの京都サンガのスタジアム建設計画があったのですが、この一帯が天然記念物のアユモドキの繁殖地であることから、様々な経緯を経て建設地を変更。アユモドキと共生できる田んぼを中心とした有機農業公園として整備することが決まっています。アユモドキの繁殖は、国内では岡山と亀岡にしか確認されておらず、保全を求める環境団体や市民からの声を受け、市として決断。スタジアム建設用地の追加確保に20億円ほどがかかりましたが、議会の承認も得て計画変更が行われたものです。
亀岡市は桂川市長のもと、「環境先進都市」を目指しており、このアユモドキの田んぼ一帯をオーガニックビレッジパークとして整備する計画で、令和8年の全国都市緑化フェアの会場を誘致する予定。市を挙げて有機農業の推進や、有機農業学校の開講、有機農法米の学校給食への利用なども進めており、市全体として環境と農業の共生を目指され、それを亀岡の都市ブランドに育てていこうとのお考えです。
