歴史に疎い私は、「もくじ」に目を通し、最初に興味を持った章を選び読み始めました。
第1章「二十五代当主・外郎武氏のインタビュー」は、私の『小田原の「ういろう」って?』という疑問を解消する内容で気持ちが高揚するのを感じました。外郎武氏は外郎家を受け継ぐ際に、先代当主も持っていた薬剤師の資格を取得するために、45歳で薬科大に入学された経緯があるそうです。四十代で新しいことにチャレンジする勇気と覚悟に敬意の念を感じました。
「第2章小田原の成り立ち」、「第7章外郎家
の役割と小田原」など大変興味深いものも多々ありますが、ここでは、先にも紹介した「第1章」ともう一つ「終章」の2つをご紹介します。
【第1章 二十五代当主・外郎武氏のインタビュー】
ういろうを知るには、この章でご当主が語られた話が一番参考になりました。インタビューの中で最も印象的な話は、外郎家のいろいろある家訓のなかに、「薬で地域の健康を守る、菓子で来客をもてなす」があることでした。この菓子で来客をもてなすお菓子こそ、私が今まで知っていた「ういろう」なのです。このおもてなしの心こそ、650年も続く外郎家の原点の一つだと感じました。
【終章 座談会】
外郎家をはじめ小田原で活躍する方や小田原出身の方達の座談会が、松永記念館の老欅荘で行われていました。座談会では、ご自身の仕事などを通して「これからの小田原」がどうあるべきかについて、ご参加の皆さんの意見が歯に着せぬ内容になっていて読み応えがあります。私はただ頷いて本を読み進めるだけでした。