工芸品・総世寺の銅鐘
総世寺の銅鐘(県指定 平成2年2月13日)
【所有】 久野3670 総世寺
【所在】 久野3670 総世寺
【形状】
総高104cm 鐘身高80cm 笠形30cm
竜頭高21cm 口径50cm 厚5cm
青銅製の和鐘で、損傷はありません。
【概説】
この撞鐘には、時代の異なった三つの銘文が刻まれていて、珍しく、また貴重な史料となっています。
<第一の銘文>
創造当時のもので、相模国惣社柳田埜六所宮(大磯町国府新宿)に奉納された由緒が刻まれています。
これによると、制作者は毛利常吉(毛利庄、現在厚木市荻野)で、応永15年(1408)に鋳造したことがわかります。毛利家は森とも称し、鎌倉時代から続いた伝統のある鋳物師家でした。
<第二の銘文>
永禄元年(1558)11月21日付けで、生田若狭守藤原重吉という人物が、六所宮から持ち出して、他の神社に寄進したことが刻まれています。
<第三の銘文>
天正18年(1590)小田原戦役の際、久野に陣取った羽柴中納言秀次が陣鐘に用い、戦役後その由緒が刻まれ、その後総世寺に寄進されたという来歴の珍しい撞鐘として有名です。