工芸品・油田治雄(木泉)作・木象嵌吉祥天像額
油田治雄(木泉)作・木象嵌吉祥天像額(市指定 昭和51年3月3日)
【所有】 個人
【所在】 荻窪
【形状】
<木象嵌画面>縦40.5cm 横27.5cm
薄板練り付け構造
材質
顔(白)アオハダ
頭髪(黒)クロガキ
衣装(緑、紫など、浸透染色木材)ヒメユズリハ
背景(淡黄褐色)クス神代
<額縁>縦 52cm 横 37cm 黒縁
【概説】
この作品は、昭和19年油田治雄によって完成されたもので、その原画は、奈良薬師寺の吉祥天女画像(奈良時代)です。古画の趣を、あますところなく表現した作品は、木画の名作といわれ注目を集めました。
作者は、日本の挽き抜き木象嵌の創始者白川洗石の流れを汲み、洗石と肩を並べた先覚者の一寸木久吉(小田原)からその技術を習得した父竹次郎の後を継いで、この道に入りました。器用で天分のあった作者は、技巧のさえを見せ、数多くの優れた作品を作り出しました。
この作品の所有者は、作者の義兄にあたり、その保存が極めて丁重なので制作当時の面影をそのまま残しています。