歴史資料・紙本着彩小田原城絵図 万治図
紙本着彩小田原城絵図 万治図 1幅 (市指定 昭和56年3月30日)
【所有】 小田原市
【所在】 小田原市立中央図書館
【形状】 紙本着色2色 78cm ×69.5cm 軸装
【概説】
この絵図は、京都の稲葉神杜にあるものを、昭和初期に片岡永左衛門氏が写したものです。
原図は、稲葉氏の重臣田辺家に伝来したもので、城下町図としては、加藤図、国立公文書館の正保図に次いで古いものです。
この図は、建物が描かれていない曲輪だけの縄張図ですが、図型が松原図に似ているので、原図は松原図の原図から写されたものと考えられます。
図の右上には、「当月十六日、十七日に洪水があり、本丸、二の丸、三の丸、外曲輪の土手、水抜が七十箇所崩れたので、崩れた所を図の中に間数入りで朱書した。修復したい。」と万治3年(1660)に稲葉美濃守から幕府老中に願い出たことが書かれているので、幕府に提出した控えでしょう。ただし、図(原図も)には朱書はないので、写したとき朱書を省略したのでしょう。
絵図には、屏風岩(天守閣裏)、殿守城米曲輪(野球場跡)、北条屋敷・氏直墓有(小田原駅前北条氏政、氏照の墓所付近)などと記入されているので、これらの場所は当時そう呼んでいたのでしょう。なお、写しが天守閣に展示されています。
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