東京で開かれていた2つの美術展に行ってみた。新国立美術館(六本木)の第75回記念水彩連盟展と東京都美術館の第66回モダンアート展だ。ともに日本の現代美術界を支える代表的な団体が公募する全国展。

知り合いが出展(会員)している「モダンアート展」を上野に訪ねた。作品のほとんどが抽象画だった。大辞林によれば、モダンアートとは「近代美術。現代美術。主として抽象主義・超現実主義などの新傾向の美術作品」ということのようだ。カタカナでいう、「アブストラクト」とか「シュール」なのか。モダンアートは、日本語では「現代美術」だろう。カタカナで書くと定義が狭くなるが、漢字で書くとぐっと範囲がひろがる。この「モダンアート展」は、もちろんカタカナの方。抽象画の大作が圧倒する。筆者自身が感動に薄い性質(たち)なので、洗練されたデザイン作品には気がそそられるが、心象を表現するような作品には入り込めない。作家さんも作品を解説(?)することは好んでいないようだ。キャプション(画題)から作品を読み解くことも難しい。ということで、この美術展については、会場風景だけを載せる。大きめの絵の写真からなんとか理解してほしいところだ。いや、感動はしてもよいが理解しようとしてはいけないのかもしれない。彫刻の部(写真中央)もあった。木彫の作品も多い。木は小田原の文化。「おだわら賞」ウッドワークス全国公募展など創設したらいかがだろうか。