11月3日は文化の日の祝日です。1946年(昭和21)11月3日に日本国憲法が公布されました。そして、1948年(昭和23)に「国民の祝日に関する法律(祝日法)で「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として、同日が「文化の日」とされたそうです。一方で、戦前の11月3日は、「明治節」と呼ばれ、明治天皇の誕生日を祝う祝日でした。戦争中は、明治節は国策に利用されて宮城遥拝や国旗掲揚などの祝賀儀式が求められました。
明治天皇は、明治5年から明治18年まで、6回に亘り全国を行幸しました。「お上(おかみ)」と云えば将軍のことを指した江戸時代から明治時代となり、天皇が国家の中心となることを全国民に直接知らしめるためでした。国民にしてみれば、初めて知る天皇の姿であったと云えましょう。小田原へも行幸の途中に何度も宿泊しています。また、箱根で避暑を過ごされた後にも小田原へ寄られています。
ところで、小田原の海岸である御幸の浜(みゆきのはま)は、インスタ映えする「海への扉」がある人気スポットとなっています。この浜がなぜ「御幸の浜」と呼ばれているのか、ご存じでしょうか。それは1873年(明治6)8月4日に、明治天皇と皇后が小田原海岸で漁師の地曳網をご覧になり、それを由来として「御幸の浜」と呼ばれるようになったそうです。御幸の浜の西湘バイパス手前に江戸時代の台場跡があり、そこに「明治天皇臨幸記念碑」があります。しかし、残念ながら現在は横倒しになっていて、碑表面が下になっているので碑文を見ることはできません。