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2020年11月09日(月)

文化レポーターの三の丸ホール見学ツアー

三の丸ホール全景(写真1)三の丸ホール全景(写真1)10月23日、小雨が降る中、建設が進む「三の丸ホール」の見学ツアーが開催された。小田原市文化部文化政策課の主催で、小田原市文化レポーターのメンバーが参加した。

朝10時に集合して、施工を担う鹿島建設(株)の松岡所長より、建設状況の説明を受けた。来年3月末の竣工を目指して、現在内装関係の工事に取り掛かっているそうだ。マスク着用は当然のこととして、全員ヘルメットを被り手袋をして建設現場へ向かった。建物全体は、まだ足場で覆われている(写真1)。

 

オープンロビーと右側ギャラリー(写真2)オープンロビーと右側ギャラリー(写真2)ホールの入口となる場所から建物内部へ入ると、オープンロビーで、右手はギャラリーである(写真2)。ギャラリーの天井には移動壁用のレールが既に敷設されている。ギャラリーの間口は大きいが、奥行きが思ったより狭い印象だ。壁面は木板で、展示時に打ち込めるようになっている。展示品吊り下げ用のレールもこれからとり付けられる。

2階搬入台から見る小田原城と馬出門(写真3)2階搬入台から見る小田原城と馬出門(写真3)2階へ階段で移動する。開館時には、階段のほかにエスカレータとエレベーターで大ホールホワイエへ行くことができる。2階の御堀通り側は、大ホールのホワイエである。大ホールでの上演がない時でも、ホワイエへは入れるように工夫するそうだ。現在、工事用の搬入張り出し台が設置されているが、そこからは小田原城が間近に見えて、眼下に馬出門を見下ろす眺望は素晴らしい(写真3)。ホールオープンの暁には、市民だけでなく観光客にとっても人気スポットとなることだろう。

大ホール最上段から舞台を見る(写真4)大ホール最上段から舞台を見る(写真4)幅広い階段を上って3階へ向かう。3階大ホールホワイエから大ホールへ入る。最上段から見下ろす客席は、とても急勾配である(写真4)。パイプ錯綜していて位置はよく分からないが、「あの辺が舞台です」と説明された場所はとても近いように感じた。前席の人の頭を邪魔に感じずに、舞台を身近に見ることができそうだ。階段状の床は既にできあがっているが、椅子が設置される段の幅は広い。座席に座った状態で、奥の席の人を通すことができるだろう

大ホール壁面の音響設計(写真5)大ホール壁面の音響設計(写真5)大ホールの音響設計には数々の工夫がなされている。壁面は横階段状に造られ、小田原産の木材の庇とタイルで表面が覆われる(写真5)。庇の中に光源が置かれて間接照明となる。タイルは厚さが2種類あり、バラバラに貼り付けることにより、音響効果を生み出すと云う。現状は下地のボードが貼られた段階である。

2階ギャラリー回廊(写真6)2階ギャラリー回廊(写真6)2階に下りて、北側の2階ギャラリー回廊を東側(1号線方向)へ進む(写真6)。 回廊の名にふさわしく広々とした通路である。長く続く右側の壁には、美術品を展示することができる。小田原ゆかりの郷土の画家たちの作品が回廊に並べば、小田原絵画史を辿れる立派なギャラリーとなることだろう。或いは、新進気鋭の現代アート作家の作品展示によって、伝統文化だけではない小田原の魅力をアピールできるかもしれない。

ギャラリー回廊の左側には、窓にそって並ぶ円柱の丸みが、柔らかな陰影を映し出している。内装ができ上れば、落ち着いた穏やかな空間となるのではないかと想像した。

小ホールの壁面の音響設計(写真7)小ホールの壁面の音響設計(写真7)2階ギャラリー回廊の奥は、小ホールホワイエとなる。小ホールの客席の三分の二ほどは可動式で、客席後部の固定客席の下に収納され、小ホールはフラットな平土間となる。大ホールの舞台と同じ面積であるから、大ホールのリハーサルにも活用できる。松岡所長に小ホールの建築的特徴をお聞きすると、壁面に案内された。大ホールと異なりスペース制約のため、音響設計で壁面コンクリートを鋸状に段差を付けたそうである(写真7)。建設工事にも様々な工夫が施されていた。

中スタジオ(写真8)中スタジオ(写真8)小ホールホワイエの手前を南側へ入ると、中スタジオがある(写真8)。広々とした空間とは感じないが、リハーサルのほか、中規模人数でのミニコンサートや、ワークショップの会場などに活用できそうである。

オーケストラピット(写真9)オーケストラピット(写真9)ツアーの最後は、中スタジオを後にして大ホールの最下段へ向かった。大ホールへ入ると、目の前に巨大な穴があった。オーケストラピットである(写真9)。ピットはかなりの深さがあり、乗り出して覗き込まないと底が見えないほど深い。昇降装置がピット底に設置される。オーケストラピットを使用しない時は、フラットな床となって客席が舞台際まで設置できる。また、舞台をせり出して広くすることもでき、舞台を様々な演出に自動対応できようになっているのが、従来の市民会館になかった最新機能である。
 

大ホールの舞台側から客席を見る(写真10)大ホールの舞台側から客席を見る(写真10)大ホール内部にはパイプ足場が縦横に組まれているため、ホールの広さを感じ取ることは難しい。それでも、足場の隙間からイメージを膨らませることはできる。

階段上の客席は、最上部で見た通り各段の蹴上(けあげ)がそれなりに高い階段状である(写真10)。オーケストラピットの際からみたので、意外と客席全体は小さく思えた。

客席最前列から天井を見上げる(写真11)客席最前列から天井を見上げる(写真11)オーケストラピットから天井を見上げると、広々とした空間であった(写真11)。足場が組まれていてもこの高さか!とその巨大さに驚いた。足場が外されて、大ホールが姿を現した時、どのような印象の空間となるのであろうか。

約1時間半弱の見学ツアーであったが、建設所長のご丁寧な説明により、その全貌が姿を現しつつある現場を知ることができた。小ホールホワイエの西側の縦長窓からは、小田原城天守閣が見える。着工前にドローンを飛ばして、まだ何もない窓のある位置から実際にどう見えるかを確認したそうである。建設作業が始まる前から、施工に向けた建設現場の様々な工夫とご苦労が積み重ねられてきたと理解することができた。

三の丸ホールは、来年3月に竣工する。その後、半年の設備確認や操作訓練を経て、9月5日に開館する。多くの市民や市外の人々によって三の丸ホールの賑わいが生み出されてくることを楽しみにしたいと思う。

◆深野 彰 記 ◆
 

2020/11/09 11:43 | 芸術


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