建造物・上輩寺の五輪搭群
指定種別
市指定有形文化財 建造物
指定年月日
平成31年2月22日
所在地
小田原市酒匂2-44-27 上輩寺
所有者
小田原市酒匂2-44-27 上輩寺
数量
3基
内容
上輩寺の五輪搭群
縦(m) | 横(m) | |
---|---|---|
1号 | 1.61 | 0.68 |
2号 | 1.76 | 0.70 |
3号 | 1.64 | 0.69 |
3基とも、関東における五輪塔の中でも比較的大型でほぼ同じ法量を示しています。台座、基壇を伴わず、梵字は刻まれていません。最大幅は火輪にあり、地輪にかけて幅が減じていく傾向が認められます。
鎌倉時代のものと比べ、火輪の降棟の湾曲は少なく、軒面の幅は薄いです。水輪は、1号、3号塔がやや扁平な球形に対、2号塔はやや扁平な杏子型です。また、地輪はほぼ正方形ですが、わずかに横長です。
材質は、輝石(暗黒色)と斜長石(白色)を斑晶鉱物とする安山岩で、元箱根石仏群と同じ石質とみられます。
南関東地方に所在する五輪塔との比較から、水輪搭の形式的特徴により3基の五輪塔の造塔時期は南北朝時代と考えられます。
鎌倉時代のものと比べ、火輪の降棟の湾曲は少なく、軒面の幅は薄いです。水輪は、1号、3号塔がやや扁平な球形に対、2号塔はやや扁平な杏子型です。また、地輪はほぼ正方形ですが、わずかに横長です。
材質は、輝石(暗黒色)と斜長石(白色)を斑晶鉱物とする安山岩で、元箱根石仏群と同じ石質とみられます。
南関東地方に所在する五輪塔との比較から、水輪搭の形式的特徴により3基の五輪塔の造塔時期は南北朝時代と考えられます。

上輩寺の五輪塔群
指定理由
市内に所在する中世五輪塔の中では群を抜く大きさです。
梵字や記銘などは刻まれていないものの、また、3基とも空輪、火輪部分に欠損は見られますが、五輪塔の全体像をとらえることができます。形態的な特徴から南北朝時代まで遡ることができる五輪塔群として大変貴重なものです。
梵字や記銘などは刻まれていないものの、また、3基とも空輪、火輪部分に欠損は見られますが、五輪塔の全体像をとらえることができます。形態的な特徴から南北朝時代まで遡ることができる五輪塔群として大変貴重なものです。
参考文献
- 『新編相模国風土記稿』
- 小田原市『小田原市史 通史編 原始古代中世』(1998年)
- 小田原市教育委員会『身近にある小田原の史跡 川東版』(2008年)