無形民俗文化財・白髭神社の奉射祭
白髭神社の奉射祭
(市指定 昭和56年3月30日)
【保存会名】 白髭神社
【所 在】 小船669 白髭神社
【概 説】
奉射祭(ぶしゃさい)は、ただ単に悪魔や鬼を射る厄払いの行事と、その年の吉凶を占う神事との2種類ありますが、白髭神社はその年の五穀豊穣の吉凶を占う新年の神事で、毎年1月7日に古式にのっとって行われます。
神前に狩衣姿の二人の射手が進み、宮司からお払いを受けた後、所定の位置につきます。この射手は、昔から代々この神社の神主だった小宮家の当主と、その分家の当主が行うことになっています。
的は竹ヒゴで編んだもので、約2m幅に16のウズを描き、境内の椿の木で作った鳥形(ツバメ)を上部につるし、境内の東方に南に向けて置きます。これを宮司の打つ太鼓を合図に、本家の当主が矢をつがえ、分家の当主が御散米(ごさんごう)を的の前にまきます。それから本家の当主が的を射ます。これを3回繰り返した後、分家の当主が交代して3回、さらに本家の当主が1回、計7矢を射ます。
最後の1矢が射たれると、「的破り」と言って、観衆が的に飛び込み、鳥形を奪い合って終了します。
椿の木で作った鳥形を的につって射るのは、鳥追いの意味とも推測されますが、これを家に持って帰り、戸口につるしておくと厄除けとないり、1年中幸運に恵まれるということです。
なお、白髭神社は橘地区の総鎮守で、その縁起書によれば、元慶元年(877)9月9日の建立と伝えられる古い神社です。