絵画・日蓮上人画像
所有 | 城山2-24-20 浄永寺 |
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所在 | 鎌倉国宝館 |
形状 | 絹本着色 軸装本紙 縦119cm 横76.5cm |
概説
この画像は、日蓮上人の説法画像で、上人が座って右手に払子を持ち、左手に経文を開いて説法をしている姿です。上人の前方には、竜が花瓶に巻きつき、宝珠を捧げて聴聞している特別の図柄で、女人成仏を意味しています。もとは極彩色の美しいものであったようですが、今は画面の剥落がひどく、色調もかなりすすけていて、所々に補筆補色の跡が見られます。
また、図の上部に色紙型の墨書がありますが、これも剥落してほとんど読めません。制作年代は安土桃山時代(1568~1598)頃と推定されます。
この画像は、寺伝では日蓮上人の蛇身解脱画像といわれ、日蓮上人の真筆で、光秀入道が弘安3年(1280)身延山に詣でた際に、上人から授与されたものと伝えられています。
なお、この絵は日蓮上人説法図の異色なものとして古くから有名で、甲州大野の本遠寺ほか1~2箇所に模写したものがあります。
浄永寺は、光秀山妙光院と号した法華宗の古刹(由緒ある古寺)で、寺伝によると風祭の住人の風祭大野之亮入道光秀が日蓮上人に帰依(信仰し教えに従うこと)し、弘安3年(1280)に宅地内に法華堂と七面社は(日蓮宗の守護七面大菩薩を安置する建物)を建立しました。浄永寺は、現在城山にありますが、これは永正15年(1518)に移されたものです。