絵画・絹本著色 両界曼荼羅図
指定種別
市指定有形文化財 絵画
指定年月日
平成29年3月27日
所在地
小田原市国府津2038 寳金剛寺
所有者
小田原市国府津2038 宗教法人 寳金剛寺
数量
2幅
内容
絹本著色
縦(cm) | 横(cm) | |
---|---|---|
金剛界曼荼羅 | 199.0 | 134.0 |
胎蔵界曼荼羅(大悲胎蔵曼荼羅) | 199.5 | 134.1 |
粗い絹布を用い、表層には法輪を描いた描表装を施しています。
主尊の大日如来は比較的精緻な線で描く一方、他の諸尊や法具はおおらかな筆致となっています。また各会に描かれる細かい模様は省略されています。
朱と墨を主体とし、緑青、白そして金泥などわずかな色彩に抑え、界線に截金を用いています。
室町時代初期の作例とみられ、宝生寺(横浜市南区)にある「両界曼荼羅図」と並び県内では最古例に属する両界曼荼羅図です。
金剛界曼荼羅の軸裏に「唐筆金剛界大曼荼羅 天保十五甲辰年十月 国府津山現住良弁修補」とあり、天保15年(1844)に修復を施していることがわかりました。
なお宝金剛寺への伝来経緯については記録・伝承がありません。
主尊の大日如来は比較的精緻な線で描く一方、他の諸尊や法具はおおらかな筆致となっています。また各会に描かれる細かい模様は省略されています。
朱と墨を主体とし、緑青、白そして金泥などわずかな色彩に抑え、界線に截金を用いています。
室町時代初期の作例とみられ、宝生寺(横浜市南区)にある「両界曼荼羅図」と並び県内では最古例に属する両界曼荼羅図です。
金剛界曼荼羅の軸裏に「唐筆金剛界大曼荼羅 天保十五甲辰年十月 国府津山現住良弁修補」とあり、天保15年(1844)に修復を施していることがわかりました。
なお宝金剛寺への伝来経緯については記録・伝承がありません。
指定理由
小田原市内における中世に遡る曼荼羅図では唯一のものであり、県内においても最古列に属するものです。また通例の曼荼羅が極彩色できらびやかであるのに対し、朱を主体として墨、金泥などを加えるのみの淡雅なもので、荒い絹地と相まって、類例のない表現となっています。
参考文献
- 「國府津山 寳金剛寺」
- 「小田原市史 通史編 原始古代中世」
- 「おだわらー歴史と文化ー10号」『<調査報告>国府津山寳金剛寺の中近世絵画』