彫刻・木造 地蔵菩薩立像
指定種別
県指定有形文化財 彫刻
指定年月日
昭和34年3月6日
所在地
小田原市国府津2038 寳金剛寺
所有者
小田原市国府津2038 宗教法人 寳金剛寺
数量
1躯
内容
像高 49.3cm
一木造りで、平安時代(794~1185)初期の様式を備えていますが、制作は藤原時代(894年~約300年)初期と思われます。なお光背と台座は、江戸時代の補作です。
右手に錫杖、左手に宝珠を持って立つ通形の地蔵菩薩立像ですが、後世の地蔵菩薩像と異なり白毫と髪際を表現していません。
本像は宝金剛寺の本尊になります。寺伝によれば、平重盛※が建礼門院徳子の安産を祈願する際、本像の御腹へ帯を結んだといい、その伝承から『おびとけ地蔵』と呼ばれて、安産を祈願する風習がありました。なお、台座に記された銘札には平重盛が1国に1体建立した像のうちの一つとあります。
※平重盛(1138-1179)平安時代末期の武将・公卿。平清盛の嫡男。妹・養女に建礼門院徳子(安徳天皇母)がいました。
指定理由
神奈川県内の藤原時代初期の一木造の仏像として、玉福寺蔵「木造十一面観音立像」・「木造 薬師如来坐像」、勝福寺蔵「木造 十一面観音立像」等を指定文化財としていますが、本像もおよそ同時期の作と思われ、やや小型ではあるものの、製作の優れた像です。
参考文献
- 「神奈川県史・資料編四近世(1)」
- 「國府津山 寳金剛寺」