彫刻・宝金剛寺の薬師如来坐像
所有 | 国府津2038 寶金剛寺 |
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所在 | 国府津2038 寶金剛寺 |
形状 | 割矧造 玉眼 金泥塗り 漆箔 像高60.3cm |
概説
これまでは藤原末期から鎌倉期といわれてきた作例ですが、調査研究の進展により、製作は十二世紀半ばまで遡り、宝金剛寺の歴史を明らかにする貴重な尊像と見なされるに至っています。
『国府山宝金剛寺医王院縁起』(元禄4年)により、当寺は久安元年(1145)の一海己講の中興当時、地青寺医王院と称し、護摩堂(薬師堂)を中心にして繁栄していたと推測されます。
本像の様式年代もこれと一致するところから、縁起にいう当時の護摩堂本尊に当たる可能性が高くなってきました。
小田原市域には藤原、鎌倉時代に遡る仏像が十数体知られていますが、最も古い作例の一つに当たることは間違いありません。県西部の上代仏教文化を物語る貴重な遺品として注目されます。