脳血管疾患(脳卒中)を予防しよう!

小田原市の抱える健康問題

小田原市民は脳血管疾患(脳卒中)の死亡率が高い!

小田原市民は、「脳血管疾患(脳卒中)」で亡くなる人が多いことをご存知ですか?
脳梗塞脳出血などの脳血管疾患は、小田原市民の死亡原因の4位となっています。
また、脳血管疾患や心疾患の主な原因となる「高血圧」の人が多いことも小田原市の健康問題の一つです。

小田原市民の脳血管疾患死亡率は、こんなに高い!!

脳血管疾患死亡率の全国や県との比較
脳血管疾患死亡率の全国や県との比較
脳血管疾患死亡率を全国や県と比較すると高いことがわかります。
脳血管疾患死亡率の県内比較(19市、県、全国)
脳血管疾患死亡率の県内比較
平成29年の脳血管疾患死亡率を県下19市で比較すると、県下でワースト4です。
平成29年脳血管疾患による死亡の内訳(171人)
脳梗塞(102人) 59.6%
脳出血(50人) 29.2%
くも膜下出血(15人) 8.8%
その他(4人) 2.4%

小田原市の健康課題

  • 高血圧と診断されている人が多い
  • 塩分摂取量が多い(現状:11.1g/日 ⇒ 目標:8g/日)
  • 野菜摂取量が少ない(現状:262g/日 ⇒ 目標:350g/日)
  • 運動を習慣化している人が少ない
  • 肥満者(BMI 25.0以上)の割合が減らない
  • 休養・睡眠不足を感じている人が多い
  • 健診・がん検診の受診率が低い
平成29年健康増進計画中間評価より

脳血管疾患とは?

脳血管疾患とは、脳の血管に異常が起こることでおきる病気の総称です。
脳血管疾患にはいろいろな種類がありますが、最もよく知られているのが「脳卒中」です。
脳卒中は、脳の血管が狭くなったり詰まってしまうことによって生じる脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)などの虚血性脳卒中と、脳の血管が破れることによって生じる脳出血くも膜下出血などの出血性脳卒中に分けられます。
脳血管疾患の主な種類

脳梗塞

脳の血管が詰まる

脳出血

脳の中の血管が破れて出血する

くも膜下出血

脳の表面の血管にできた動脈瘤が破れる

脳血管疾患の主な種類
梗塞
出血

脳血管疾患の症状

  • 経験したことのない激しい頭痛がする。
  • 片方の手足、顔半分のしびれや麻痺が起こる。
  • ろれつが回らない、言葉が出ない、他人の言うことが理解できない。
  • 片方の目が見えない、物が二重に見える、視野の半分が欠ける。
  • 力はあるのに立てない、歩けない、フラフラする。

脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、発症してから治療を受けるまでの時間が短いほど後遺症が軽くなるので、早めの受診が何よりも大切です。
気になる症状がある時は、救急車を呼びましょう!

脳卒中

脳血管疾患はなぜ防がなければならないのか

脳血管疾患は命のかかわる病気です。
日本人の死因の第3位となっており、年間10万人以上が命を落としています。
また、命が助かっても重い後遺症を残すことがあり、その後の生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼします。
脳血管疾患の後遺症には、手足の麻痺(まひ)のほか、言語障害や視覚障害、感覚障害など様々なものがあります。
どのような後遺症が現れるかは、脳が損傷を受けた場所と損傷の程度によります。
後遺症の程度によっては、寝たきりや介護が必要になる場合があります。
脳血管疾患は、介護が必要となる原因のおよそ17%を占め、認知症についで第2位となっています※。
介護度が上がれば上がるほど脳血管疾患が占める割合も増え、最も重い要介護5では、おそよ3割に増え、原因の第1位となっています※。
さらに、脳血管疾患が原因で起こる「脳血管性認知症」は、認知症の原因のおよそ2割を占め、アルツハイマー病についで多くなっています。

いつまでも元気に生き生きと暮らすためには、脳血管疾患を防ぐことが大切です。

※ 平成28年国民生活基礎調査より

脳血管疾患の原因

脳血管疾患は、様々な要因によって引き起こされます。
なかでも、最大の危険因子は高血圧です。そのほかにも、喫煙や運動不足、多量の飲酒、ストレス、睡眠不足などが脳血管疾患の引き金となります。
また、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」では、内臓脂肪の蓄積に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうち、いずれか2つ以上を併せ持った状態では、それぞれが軽症であっても、複数あることで動脈硬化を悪化させ、脳血管疾患の発症リスクを高めることもわかっています。
なお、心臓の血管にできた血栓が原因で起こる脳塞栓は、心房細動という不整脈が最大の原因になります。

脳血管疾患の主な危険因子

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常
  • 不整脈(心房細動)
  • 喫煙

命を守る「FAST」

脳血管疾患は、発症してから治療するまでの時間が短ければ短いほど救命率が上がり、後遺症が軽くなることが知られています。
平成24年度に、市内の脳血管疾患にかかった方を対象にアンケート調査を行いました。
アンケート調査によると、脳血管疾患を発症したとき、30分以内に受診した方がおよそ4割、30分以上3時間以内がおよそ4割となった一方、受診までに3時間以上かかった方が1割以上いました。
「何かおかしい」「いつもと違う」と感じたときは、素早く受診しましょう。

また、脳血管疾患の症状は、一度現れてもすぐに元に戻ってしまうことがあります。
「しばらく様子を見よう」と受診を後回しにしてしまうことがあるかもしれません。
周囲の人が異変に気づき、素早く受診させることも大切です。
顔のゆがみ、麻痺(まひ)

顔のゆがみ、麻痺(まひ)

顔の片側がゆがんだり、下がったりしている場合は、脳血管疾患のサインです。
うまく笑顔が作れるかチェック!
腕のしびれ、麻痺(まひ)

腕のしびれ、麻痺(まひ)

片方の腕が上がらない、力が入らない場合は、脳血管疾患のサインです。
両腕を上げたままキープできるかチェック!
言葉が出ない、わからない

言葉が出ない、わからない

突然言葉が出なくなる、呂律(ろれつ)が回らなくなる場合は、脳血管疾患のサインです。
いつも通りにおしゃべりできるかチェック!
救急車を呼ぶ

救急車を呼ぶ

脳血管疾患は早期発見、早期治療が命を救い、後遺症を軽くする何よりの手段です。
F(顔)、A(腕)、S(言葉)のサインが現れたら脳血管疾患の可能性が考えられます。
サインに気づいたら迷わず救急車を呼びましょう!

本当は怖い高血圧

血圧は、病院等で測定した場合、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上、家庭で測定した場合、収縮期血圧が135mmHg以上または拡張期血圧が85mmHg以上が「高血圧」と分類されます。
高血圧は自覚症状が少なく気づかれにくいため、サイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ばれています。
自覚症状がなくても血管に負担がかかるため、動脈硬化が進行し、症状が出たときには手遅れという場合もあります。

手遅れになる前に家庭で血圧を測り、自身の血圧を知っておくことが大切です。

血圧の仕組み

血液が全身に流れるときに、血管の壁にかかる圧力が「血圧」です。

収縮期血圧(最高血圧)

心臓から血液が送りだされるときに加わる最も高い圧力

拡張期血圧(最低血圧)

心臓に血液が戻るときに加わる最も低い圧力

血圧は常に変動します。季節や体調などによっても変化します。

健康な人でも運動や緊張したときには血圧が一時的に上がり、しばらくすると正常値に戻ります。

しかし、血圧が高い状態が続くと血管や心臓に負担がかかり、脳血管疾患や心臓病の原因になります。

慢性的に血圧の高い状態が続くと「高血圧」といわれます。

高血圧の主な原因

  • 喫煙
  • ストレス
  • 塩分のとり過ぎ
  • 食べ過ぎ
  • 過度のアルコール
  • 運動不足
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 遺伝的体質 など
食べ過ぎ飲み過ぎ肥満

成人における血圧の分類

診察室血圧

分類 収縮期血圧(mmHg)   拡張期血圧(mmHg)
正常血圧 120未満 かつ 80未満
正常高値血圧 120~129 かつ 80未満
高値血圧 130~139 かつ/または 80~89
Ⅰ度高血圧 140~149 かつ/または 90~99
Ⅱ度高血圧 160~179 かつ/または 100~109
Ⅲ度高血圧 180以上 かつ/または 110以上
(孤立性)収縮期高血圧 140以上 かつ 90未満

家庭血圧

分類 収縮期血圧(mmHg)   拡張期血圧(mmHg)
正常血圧 115未満 かつ 75未満
正常高値血圧 115~124 かつ 75未満
高値血圧 125~134 かつ/または 75~84
Ⅰ度高血圧 135~144 かつ/または 85~89
Ⅱ度高血圧 145~159 かつ/または 90~99
Ⅲ度高血圧 160以上 かつ/または 100以上
(孤立性)収縮期高血圧 135以上 かつ 85未満

高血圧は脳血管疾患の入り口

血圧の値が高ければ高くなるほど、脳血管疾患や心筋梗塞などの循環器疾患にかかる危険性も上がります。
血圧が正常な人に比べ、血圧が高い人は脳血管疾患にかかる危険度が8.5倍高くなります。

血圧が高い人は、血管に常に負担がかかっているため、血管が傷つきやすくなっています。
このため、血管が詰まったり、破れたりしやすくなっており、脳の血管が詰まれば脳梗塞、脳の血管が破れれば脳出血、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞と命にかかわる大きな病気を招きます。

血圧を下げるコツ~高血圧を防ぐ生活習慣~

高血圧は、不適切な生活習慣に積み重ねで起こる「生活習慣病」です。
日々の生活習慣を見直すことで高血圧を予防・改善することができます。
ただし、生活習慣の改善だけでは改善しない場合もあります。
すでに高血圧で通院・治療をされている方は、処方されている薬はきちんと飲むことで血圧を下げることができます。
また、運動についてはかかりつけ医と相談し、無理なく続けることが大切です。

塩分の摂りすぎに注意しよう

野菜を積極的に摂ろう

塩分の摂りすぎは、血圧を上昇させます。野菜などに含まれるカリウムはナトリウム(塩分)を体外に出し、血圧の上昇を抑える働きがあります。

◇ 塩分摂取は8g/日未満に、野菜摂取は350g/日以上を目標に
 (小田原市健康増進計画より)

身体を動かそう

運動は、血圧を安定させる効果があります。
毎日30分以上行うことが適度な量です。

運動する時間のない人や苦手な人は、日常生活の中で、こまめに身体を動かしましょう。

太りすぎに注意しよう

体重が増えると、その分たくさんの血液を送ることが必要となり、血圧が上がります。自分のBMIを知って適正体重を維持しましょう。 

◇ BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 適正18.5~25.0未満

お酒は適量を

適量を超える飲酒は血圧を上げます。適量を心がけ休肝日をつくりましょう。

禁煙しよう

たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血圧を上げます。

十分な休養と睡眠を

ストレスや過労は血圧を上げます。十分な睡眠をとり、身体を休めましょう。

年に1回の健康診査と家庭で血圧を測定しよう

自分の身体の状態を知っておくことが、健康づくりの第一歩です。
年1回の健康診査を受けましょう。

家庭での血圧管理

血圧の管理のためには、家庭での血圧測定が大切なポイントとなります。

家庭での血圧は、収縮期血圧が115mmHg未満、拡張期血圧が75mmHg未満 未満みが正常値です。

家庭で血圧を測る意味とは!?

  • 毎日同じ状態で測定することで、より正確な自分の血圧の状態がわかる。
  • 診察室血圧は高く、家庭血圧は正常の「白衣高血圧」がわかる。
  • 診察室血圧は正常でも、家庭血圧が高い「仮面高血圧」を見つけることができる。
  • 自身の血圧のタイプがわかることで、生活習慣づくりや治療方針に役立つ。

家庭血圧135mmHg以上または85mmHg以上が、脳血管疾患や心筋梗塞にかかる率を2~3倍にも増やす危険な高血圧です。

高血圧は症状がなくても危険です。必ず医師の診断を受けましょう。

すでに高血圧で受診をしている人も、家庭で血圧を測定し、受診時に家庭での測定記録を持っていくと、治療に役立ちます。

正しい血圧のはかり方

測定のタイミング

  • 朝と晩にそれぞれ2回測定します。
    朝:起床後1時間以内・朝食前・服薬前
    晩:就寝直前
  • トイレをすませ、1~2分間椅子に座って安静にしてから測定します。
  • 入浴、喫煙、飲酒の直後は避けましょう。

はかるときの姿勢

  • いつも同じ姿勢で測定します。
  • 腕を心臓と同じ高さになるようにします。
  • 圧迫帯(カフ)は上腕に、肘にかからないように巻きます。
  • 手のひらを上にして、ひじは軽く曲げ、力は入れず、楽に伸ばします。

この情報に関するお問い合わせ先

福祉健康部:健康づくり課(保健センター)

電話番号:0465-47-0828

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