■抹茶は茶室で一服■
書道を習っている私は、心を鎮めたい時などは知人に手解きを受けた茶道で簡単に一人、抹茶を楽しむ。掛軸鑑賞をして
お茶が飲める、それも『抹茶・菓子つき』とは千福の幸せと喜んだ。茶室に案内され、躙(にじり)口にかがむと茶室は四畳半とは 感じられない奥行きがあった。薄明りの灯る床の間の掛軸は熊手の絵が書かれていた。鈍翁がことわざ「『おまえ…わしゃ九十九まで』の『九まで』」を捩(よじ)り絵に。ここでも遊びを配置した憎い演出だ。お茶は作法があるが、『それなり』に亭主(館長)がもてなしくれる。茶室の静寂さは保たれたままで和ごむ一時だ。
入館料700円で抹茶を点てて頂ける。季節が変わり展示品が衣替えした時に「また、一服しょう」こころに決めた。
写真:波の音を聴く『聴涛菴』と名付けられた茶室で、鈍翁と刻まれた老舗の落雁と抹茶で手厚いおもてなしを受けた
(記 MOKO)