
■2つの対照的な「アート」
ま四角なテーブルに並べられたクレイの容器や破片。道ばたに落ちていれば無用のもの。テーブルに乗せれば結界で囲まれたアートとなる。当たり前に存在する「土」から生まれる価値を主張する(上)。透明な半球のなかにうずくまった動物は、見えない世界に閉じ込められた閉塞感ともみえる。あるいは、半球がつくる結界のなかはアートで、みている我々は俗世界にいるとも思える。外からは手の届かない心の世界があるぞという主張かもしれない(下)。「土」は、テーブルの上の開いた空間で、オブジェは散在している。いっぽう、アクリル覆われオブジェは内向している。ともに「アート」でありながら、2つの作品から受ける心象は、対置している。