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2019年01月17日(木)

白髭神社奉射祭

去る1月7日月曜日に、白髭神社(小田原市小船)にて、奉射祭が行われました。この行事は小田原市重要無形民俗文化財にも指定されており、字のとおり弓で的を射て、当たり具合によりその年の五穀豊穣を占う意味があるそうです。
その歴史は古く、なんと800年以上も昔、鎌倉時代にまでさかのぼることができるそうです。当時この地域を治めていた豪族、中村影平公が、1190年に「毘沙之的を射る式」を奉納したことが由来となっているとか。ちょうどその日が1月7日であったため、毎年この日に行われています。
境内の椿の木で作った鳥形(ツバメ)境内の椿の木で作った鳥形(ツバメ)
この行事の一番の特徴、そして参列者のお目当ては、何といっても的の上に計3個設置されるこの「ツバメ」です。
神社の境内の椿の木から作られていて、名前のとおり鳥を模ったものだそうです。どうでもいい話ですが、自分には初めて見た時から魚にしか見えません。全体的に横に長く、(おそらく)尾羽にあたる部分が、尾びれに見えることが原因だと思いますが…。皆さんはどうでしょうか?
そんな話はさておき、この「ツバメ」ですが、家の玄関などに掛けておくと大変縁起がいいようで、奉射終了後に、参加者による争奪戦が行われるのが恒例となっています。現在では安全面を考慮し、参加は小学生以下に限定されていますが、大人の参列者の皆さんに配布するためのツバメも大量に用意されているのでご安心を。
的を前にする射手的を前にする射手
さて、当日の様子ですが、平日の午前ながら、境内には目測で50人前後の人が集まっており、TVのカメラも回っていました。的はもちろん、弓と矢も手作りだそうで、竹と和紙で作られていました。
射手は2人で、白髭神社とゆかりの深い小宮家の方が、世襲制で代々担っているそうです。本家の方が最初に3本、次に分家の方が3本、最後に本家の方がもう1本射るという形式で、計7本の矢が放たれました。…結果は7本中5本、最後の1本は見事、的の中心を捉えていたので、自信を持って言えませんが、今年は豊作になるのではないでしょうか?
今回の記事ですが、当日奉射が行われる前にご解説されていた、榎本保美さんのお話を基に執筆しました。実は私、奉射祭を見に行くのは小学生以来で、当時はただ、的の上に設置されている大きなツバメが欲しくてたまらなく、それだけを目当てに白髭神社に足を運んでいたなんとも罰当たりな子供でした。当時も奉射の前に解説が行われていたと思いますが、ツバメにしか目がない私は、そんなことは耳に入ってこない訳で…。まさか今になって800年以上も続く由緒ある行事であることを知るとは思いませんでした。昔を思い出しながらも、知らなかった地元の歴史を知るいい機会になりました。

2019/01/17 17:09 | 歴史

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