まえおき
「キノコ狩りは楽しいぞ!」との題目ですが、第8回小田高自然環境フォーラムにおける「森の番人」酒井利幸さん(以下、酒井さん)が行った講演についての報告をお届けする。
話はさかのぼって2016年11月21日、私が寄稿した、小田原市文化レポ-タ・レポート「きのこ写真展の紹介」を主催した酒井さんのお名前を小田高自然環境フォーラム(2017年6月18日)のパンフレットに発見し、これは聴かねばとの気持で、雨降りの100段階段を上って行きフォーラムへの参加記録である。
フォーラムの概要
メインテーマ 「あなたは知っていますか? 植物パワー」
フォーラム名称 第8回小田高自然環境フォーラム
講演題目 4件の内2件目が報告対象の「キノコ狩りは楽しいぞ!」
講演者 森の番人 酒井利幸 (県立小田原高校 高校21回卒業)
開催日時 平成29年6月18日(日)14:00〜15:00
開催場所 県立小田原高等学校 2F 集成館ホール
参加費 無料
配布テキスト 第8回小田高自然環境フォーラム・テキスト
報告内容
1.キノコについて
キノコは菌類であり、カビや細菌も仲間と言うことで、日本では5,000種類以上、世界では6万種以上ある。当日は酒井さんが実際に採取した40種の写真をスライドショーで示し、それぞれの性質(毒性)・特徴を補足説明した。しかし、このレポートでは誌面の関係から写真は特徴的な数件の掲載にとどめる。
2.準備
・酒井さんは父上に伴われて幼少の頃から山登りをしており経験・体力が培われていたとのことで、急登や標高が高い富士高山帯も登ることができる体力を備えた。
・服装・装備
帽子、長袖上着、長ズボン、登山靴、軍手、タオル、雨具、カッターナイフ、籠など。特に籠はキノコが蒸れず、移動に伴い茸の菌が適当にこぼれてくれる竹籠のような隙間がある手提籠が望ましい。
・どこで採っても良い訳ではない。- 事前に立入手続許可を得ておく。
官有地・民有地にかかわらず、土地の所有者・管理者に許可を取っておき入山鑑札券を購入しておこう。市町村の入山鑑札券は通常1シーズンの期間で有料(500円〜2,000円)であるので、一度手続きすると安心である。
3.キノコ狩りの楽しさ
・ 富士高山帯など急傾斜地で美味しいキノコや美しいキノコを発見した喜びは忘れられない。また、持ち帰りお酒のサカナにすると、その日の疲れも吹き飛ぶ喜びを感じる。
・ キノコ狩りの往復で出合う思わぬ地形、美しく珍しい草花・昆虫・野鳥の発見は登山や山歩きの楽しみに通じる。
・ キノコ狩りで生き生きとしたキノコの姿を愛でるよろこびが得られ、帰ってから撮った写真でそのキノコ狩りの思い出を振り返り、次のキノコ狩りに生かせる喜びがまた楽しい。
・ 個人的な有毒か否かの判定が難しいので、取りあえず見付けたキノコを全て持ち帰り専門とする判定者に選別して貰う人がふえ、入山してもキノコの全てが持ち去られる状態が起きている。例え毒キノコであっても目の保養になるので、キノコ狩りの楽しさが失われてしまう。キノコの採り方の工夫とマナーを期待する意見があった。
4.「キノコ狩りは楽しいぞ!」で紹介された代表的なキノコ
キノコのスライドショーで約40枚の写真を示したが、この中から代表的なキノコの名称・写真・性質(毒性)・特徴などを示す。
あとがき
・昨年11月には写真展に行き美しいキノコ写真を見ることができた。しかし、相談者などの来訪で詳しい話を聞けなかったが、今回はたっぷりとキノコ狩りの楽しみを伺うことができた。
・酒井さんもそうであるが、いろんな方がキノコは美味いと言う。キノコ狩りの醍醐味を味わい、その収穫を適当な方法で食べることにも価値があるのかもしれない。 (ひろし君 記)