彫刻・泉蔵院の薬師如来坐像
所有 | 下大井268 泉蔵院 |
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所在 | 下大井268 泉蔵院 |
形状 | 木造 割矧造(わりはぎづくり) 像高87.0cm |
概説
本像は泉蔵院の本尊であり、平安時代末期の作例です。
定朝様と呼ばれる円い顔に整った目鼻立ちを持ち、全体に整った姿を呈しています。小田原市内における平安時代の仏像は9体ほどが確認されていますが、他の像が地方色の濃い作例であるのに対し中央風のより穏やかな作風を示しています。
小田原市内の数少ない平安時代の仏像である点はもとより、この地域に中央風の仏像の伝播がはじまった画期となる作例の一つであり、貴重な遺品です。
さらに、本像には、永正12年(1515)及び嘉永4年(1851)の修理銘が膝裏に見られ、永正12年の修理銘には、永正8年(1511)の大風に関する記事が見られます。