彫刻・泉蔵院の薬師如来坐像 1躯
(せんぞういんのやくしにょらいざぞう)
所在 | 下大井268 泉蔵院 |
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形状等 | 木造 一木造 玉眼 像高87.0㎝ |
泉蔵院の薬師如来坐像
概説
与願(よがん)印を示す左手に薬壺(やっこ)をのせ、右手は施無畏(せむい)印を示す通例の薬師如来像です。
頭体を一材で彫り出し、頭と体を割り離し、さらに頭と体を前後で割り離し内刳(うちぐり)を施しています。
肉髻珠(にっけいしゅ)、玉眼、右腕肩より先、左手首、薬壺、裳先材(もさきざい)は後補です。
円い顔に整った目鼻立ちをもち、全体に整った姿を呈する「定朝様式(じょうちょうようしき)」 を示し、造立年代は平安時代末期の12世紀後半と考えられます。
永正12年(1515)及び嘉永4年(1851)の修理銘が膝裏に見られ、永正12年の修理銘には、永正8年(1511)の大風に関する記事がみえます。
本像は、12世紀に造られたと推定される市内の仏像の多くが地方色の濃い作例であるのに対し、中央の「定朝様式」を最もよく踏襲する作品として貴重です。
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