登録有形文化財・松永記念館 老欅荘
松永記念館 老欅荘 (平成12年9月26日登録)
近代の電力界で活躍する一方、昭和10年頃から茶の湯をはじめて茶人としても活躍した松永安左ヱ門(耳庵)は、昭和17年頃から当地に別荘の造営を始め、戦後昭和21年12月に新宅・老欅荘に移りました。
普請は、地元の大工棟梁古谷善造と孝太郎の父子によるものとされています。
安左ヱ門は夫人とともに晩年をそこで過ごし、老欅荘の茶会に茶人、政治家、学者、建築家、画家など当時の著名人を多く招いています。
老欅荘は和室三室よりなる簡素な造りですが、東南の庭に面する広間に設けた付書院のある三畳大の床間と,主屋の東北に取りつく玄関及び三畳の寄付茶室の意匠に特徴があります。また、昭和28年に主屋の西南に増築した四畳半台目の茶室は付書院を設けた耳庵好みの数寄屋であり、床間と書院床をもつ内部の意匠が優れています。