市長コラム

2023年11月22日(水)

市長コラム(令和5年11月22日)「徳島県まるごと神山高専、株式会社いろどり、ゼロ・ウェイスト視察」

 10月12日・13日の二日間、徳島県における三つの先進事例、神山(かみやま)町にある「神山まるごと高等専門学校」、上勝(かみかつ)町における「株式会社いろどりの葉っぱビジネス」・「ごみ減量の取組・ゼロ・ウェイスト」をそれぞれ視察しました。

 1日目は、徳島県神山町にある「私立神山まるごと高等専門学校」へ。
 学校設立に携わった大南信也様から学校設立に至った経緯など伺った後、施設内をご案内いただきました。 令和5年4月に開校したこの学校は、デザインとテクノロジー、起業家精神を学ぶ独自のカリキュラムや、民間企業から出資による学費の実質無償化を行うなど、現在、多方面から大変注目されている学校です。
(画像出典:神山まるごと高専ホームページ)(画像出典:神山まるごと高専ホームページ)
 現在、1期生となる1年生40人が在籍し、5年後には200人規模の学校になる予定とのこと。開校までの道のりは、国への申請手続きと並行して、限られた時間の中で施設(旧神山中学校)の改修を行うなど、決して平たんではなかったそうですが、公民が連携して取り組み、本年4月に開校となりました。
 また、子供たちの教育格差を痛感していたことから、徳島県にゆかりある経済人に協力をいただき、全国に名だたる企業11社から総額100億円以上の寄付を集めて基金を創設。その運用益で授業料を実質無料化にしています。
 開校して半年が経過しましたが、町にはこれまであまり見かけなかった若者が集うことになり、様々なところで相乗効果が生まれているそうです。
 2日目は、徳島県上勝町に伺い、花本靖町長と懇談したのち、町への視察受け入れを担っている(株)パンゲアの片山雅仁様から、上勝町が推し進める「葉っぱビジネス」と「ゼロ・ウェイスト」の二つの取組について、視察をさせていただきました。
 一つ目の「葉っぱビジネス」は、日本料理に添える飾り葉の「妻物(つまもの)」の需要と地域資源に注目し、1986年(昭和61年)に本事業の営業と受発注の役割を担うことを目的に、「株式会社いろどり」をスタートさせました。当初は需要の把握などに大変苦労したとのことですが、平成29年には年商2億6千万円に達するまでになりました。
 商品となる「葉っぱ」の収穫は、主に平均年齢70歳を超える女性約140人が従事しており、中には年収2,000万円以上の方もいるとのことで、この地区の高齢者の収入の安定や働きがいにつながっているとのことでした。
(画像出典:株式会社いろどりホームページ)(画像出典:株式会社いろどりホームページ)
 二つ目の「ゼロ・ウエィスト」は、日常生活での様々な行動を見直し、「無駄」・「ごみ」・「浪費」をなくすことで、ごみ削減につなげる取組です。
 町では、焼却炉が国の基準に対応できず、他県で処理することになったことを契機として、2003年に日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、2005年には官民連携により、ゼロ・ウェイストの取組を進めていくための組織として「NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーセンター」を立ち上げました。

 現在は45種類の分別に取り組み、リサイクル率は全国平均の20%をはるかに超える80%を達成。2018年、こうした取組が評価され、環境と社会を良くする取組を表彰する環境大臣賞の「第6回グッドライフアワード」を受賞されました。(https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/winner6/kankyo01-about.html

 2020年には、ゼロ・ウェイストを推進する新たな拠点「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」がオープン。今後も住民の協力の下、さらなるゼロ・ウェイストに向けて取り組んでいくそうです。
(画像出典:上勝町ゼロ・ウェイストセンターホームページ)(画像出典:上勝町ゼロ・ウェイストセンターホームページ)
 今回、視察させていただいた二つの町は、鍵となる人材が民間をまとめ、行政との協力関係を築いて各事業に取り組み、成果を上げていることから、公民連携を進める本市にとっては、大変参考になる視察となりました。

〇参考ウェブサイト
・神山まるごと高専:https://kamiyama.ac.jp/
・株式会社いろどり:https://irodori.co.jp/
・ゼロ・ウェイストタウン上勝:https://zwtk.jp/
・上勝町ゼロ・ウェイストセンター:https://why-kamikatsu.jp/

2023/11/22 09:58 | 未分類

 
 

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