10月12日・13日の二日間、徳島県における三つの先進事例、神山(かみやま)町にある「神山まるごと高等専門学校」、上勝(かみかつ)町における「株式会社いろどりの葉っぱビジネス」・「ごみ減量の取組・ゼロ・ウェイスト」をそれぞれ視察しました。
1日目は、徳島県神山町にある「私立神山まるごと高等専門学校」へ。
学校設立に携わった大南信也様から学校設立に至った経緯など伺った後、施設内をご案内いただきました。 令和5年4月に開校したこの学校は、デザインとテクノロジー、起業家精神を学ぶ独自のカリキュラムや、民間企業から出資による学費の実質無償化を行うなど、現在、多方面から大変注目されている学校です。
現在、1期生となる1年生40人が在籍し、5年後には200人規模の学校になる予定とのこと。開校までの道のりは、国への申請手続きと並行して、限られた時間の中で施設(旧神山中学校)の改修を行うなど、決して平たんではなかったそうですが、公民が連携して取り組み、本年4月に開校となりました。
また、子供たちの教育格差を痛感していたことから、徳島県にゆかりある経済人に協力をいただき、全国に名だたる企業11社から総額100億円以上の寄付を集めて基金を創設。その運用益で授業料を実質無料化にしています。
開校して半年が経過しましたが、町にはこれまであまり見かけなかった若者が集うことになり、様々なところで相乗効果が生まれているそうです。
2日目は、徳島県上勝町に伺い、花本靖町長と懇談したのち、町への視察受け入れを担っている(株)パンゲアの片山雅仁様から、上勝町が推し進める「葉っぱビジネス」と「ゼロ・ウェイスト」の二つの取組について、視察をさせていただきました。
一つ目の「葉っぱビジネス」は、日本料理に添える飾り葉の「妻物(つまもの)」の需要と地域資源に注目し、1986年(昭和61年)に本事業の営業と受発注の役割を担うことを目的に、「株式会社いろどり」をスタートさせました。当初は需要の把握などに大変苦労したとのことですが、平成29年には年商2億6千万円に達するまでになりました。
商品となる「葉っぱ」の収穫は、主に平均年齢70歳を超える女性約140人が従事しており、中には年収2,000万円以上の方もいるとのことで、この地区の高齢者の収入の安定や働きがいにつながっているとのことでした。