絵画・安叟禅師画像
所有 | 久野3670 総世寺 |
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形状 | 絹本着色 軸装本紙 縦64.5cm 横35.5cm 墨色丹青が相当剥落しています。 |
概説
安叟(あんそう)禅師は、曹洞宗の高僧で、総世寺を開きました。この僧は、小田原大森氏信濃守頼明の子として生まれ、初代頼春の弟、第三代憲頼・第四代氏頼の伯父にあたります。
彼は、大雄山最乗寺(南足柄市)五世の春屋宗能禅師について得度(僧になること)し、最乗寺の七哲の首座となって同寺の十世となり、曹洞宗の発展に大きな業績をあげました。
この像は、禅師の帰依(信仰し教えに従う)者であった大森信濃守氏頼に依頼された画家が、直接禅師の姿を写したものと伝えられています。
この像の上部にあたる讃語は、禅師が氏頼の求めに応じて書いたもので、禅師の筆勢を見ることができ、文明3年(1471)の作品であることが分かります。
また、箱書には、慶安4年(1651)10月18日大森信濃守頼直によって修装したことが記してあります。
当時の禅師の年齢は、80歳近いにも関わらず、温容豊頬(おんようほうきょう)に描かれ、高僧の風格がよくあらわれています。